オーバーロード   人物名鑑

 

(注)あくまでも書籍版のみに基づいており、web版・ゲーム・コミックス等は参考程度にしかしていません。ご了承ください。

 

 

 

アー #8−1〜

 ギーグ部族の族長で、アーグの父親。モンスター群の襲撃により死亡したと思われる。

アーグ #8−1〜 (声・小若和郁那)

 ギーグ部族の一員で、アーの四男。両親や部族の仲間と違ってホブゴブリンであり、一人だけ知能が高くて部族内では少し浮いた存在だった(取り替え子の可能性あり)。モンスター群の襲撃で重傷を負い悪霊犬に追われていたが、偶然出くわしたエンリ達一向に助けられる。当初はエンリがゴブリンたちを従えられる理由が分からず困惑していたが、人食い大鬼たちを支配した(演技をした)事で彼女を自分たちの族長として認めた。彼がカルネ村に伝えたトブの大森林内部の情報は、巡り巡ってアインズの耳に入る事となり、ナザリック勢による本格的な大森林の制圧に繋がっていく。

アウラ・ベラ・フィオーラ #1−1〜 (声・加藤英美里)

 弟のマーレと共にナザリック地下大墳墓第六階層守護者を務めるNPCで、10歳ほどの子供の外見を持つ闇妖精。76歳。身長104cm。製作者はぶくぶく茶釜、住居はナザリック地下大墳墓第六階層巨大樹。属性は中立〜悪、カルマ値は−100。総合レベル(人間種なので種族レベル無し、職業レベルのみ)は100で、内訳は野伏:5、魔獣使い:5、シューター:5、狙撃手:5、ハイ・テイマー:10など。幼少期特有の中性的な可愛らしさを有し、左右で色の違う瞳(左が海のような青、右が森のような緑)を子犬のように煌めかせている。肩口で切り揃えられた金の絹のような髪は、白色光の反射で天使の輪を浮かべている。平常時の役目は円形劇場での即応待機と第六階層の巡回で、これはマーレと交代で対応している(例えば彼女が待機している時は、マーレが巡回を行う)。なお巡回の際は、支配下にある魔獣の背に乗って移動する事を好む。異世界転移後はトブの大森林全体の調査・把握、ナザリックに従う可能性のある存在の確認、避難所且つ偽の拠点としても使える物資蓄積場所(森の住民からは滅びの建物と呼称される)の設営を任される。ゲヘナには直接参加はしなかったが、終了後に八本指の会議場へマーレと共に赴き、ヒルマに部下の数人を任せて首脳陣の洗礼が終わるまでの時間稼ぎを命じている。魔導国建国後は完成した物資蓄積場所の防備強化と隠蔽工作、広がっていく支配領域をカバーできる超広域警戒網の構築、その警戒網を運営管理する機関の作成も担う。王都侵攻時には重要施設を制圧する任務を受け、最初に魔術師組合本部へヤルダバオトが回収できなかったとされた悪魔像とマジックアイテムの回収に向かう。元気いっぱいの無邪気な子供らしさに溢れた性格で、マーレと並んでアインズにとっての癒しになっているが、ナザリック外の存在への冷徹さは他のNPCたちに引けを取らない。製作者同士が姉弟であるためか、シャルティアとの仲は悪いと設定されているらしいが、表面上の事に過ぎず実際はそれほど悪いわけではない(無意識的に一番の友人とすら捉えている節がある)。自分と同じく女性の製作者を持つNPCたち(マーレ、ペストーニャ、エクレア、ユリ)には、製作者たちの仲が良かった事もあって親近感を抱いており、私的な場では互いに綽名で呼び合ったりする仲である。アルベドとシャルティアの正妃争いについては冷めた態度で傍観しているが、アインズに大好きといわれて動揺するなど好意が無いわけではない様子。自宅である巨大樹にいることはあまりなく、寝起きも含めて専ら外での生活を好んでいる。朝日の中で早朝の森を散策したり、日没後の静寂に包まれた森を歩いたりするのが楽しいらしい。服はマーレと合わせてそこそこの数を保有しているらしく(着包み含む)、魔法が掛かっているので誰でも着られるという。非常に優秀な負けん気溢れる名調教師で、支配下の魔獣とは意思疎通が可能。六階建ての高さから飛び降りても無傷で済む超人的な肉体能力を持ち、小走りでも獣の全速力に匹敵するスピードを誇る。姉弟故かマーレとのコンビネーションは抜群で、主に前衛を担当する。彼女個人の強さは守護者の中で第六位(下から二番目)であり、個としては彼女より強い領域守護者も存在するが、総数100にもなる魔獣たち(最高レベル80、特殊技術で底上げすれば90に達する)を使役した際は、他の守護者をも圧倒する程になる集団戦最強の猛者。武器は腰と右肩にそれぞれ束ねているクィーンと、背負っているあなたのハートに――ドスッ。体には皮鎧の上から赤黒い竜王鱗を貼り付けた、ぴっちりとした軽装鎧を纏っている。その上に白地に金糸の入ったベスト(胸元にアインズ・ウール・ゴウンのギルドサインがある)を羽織り、ベストに合わせた白色の長ズボンを履いている(男装なのはぶくぶく茶釜の趣味)。黄金色に輝く大きなドングリをあしらった、遠距離まで声を届かせる魔法的効果を持つネックレスと、マーレとの通信用イヤリング(首から下げている)、ヒヒイロカネ合金版を上面に嵌め込んだ転移機能を持つ運動靴を身に付けている。甲の部分などには、魔法金属のプレートが付けられた手袋を嵌めている。

アウレリウス #8−2〜

 最古図書館で働いている司書の一人で、5人いる死の支配者の一人。マーレが外出する際、巻物作成実験への協力を代価に護衛を任された。

アエリウス #8−2〜

 最古図書館で働いている司書の一人で、5人いる死の支配者の一人。マーレが外出する際、巻物作成実験への協力を代価に護衛を任された。

明美 #6−6〜

 ユグドラシルのプレイヤーで、やまいこの実妹。ユグドラシルでの種族は森妖精。天才肌で姉とは何かと比較されていたらしいが、彼女自身は姉をずっと尊敬し続けている。数回程度ナザリック地下大墳墓に客として招待されたことがあるが、実のところユグドラシル時代に招かれた事があるのは彼女のみである。

アズス・アインドラ #5−1〜

 王国北部を拠点としているアダマンタイト級冒険者で、朱の雫のリーダー。下水月15日生まれ。住居はドラゴンズブレスの高級宿屋。職業は戦士、狙撃手、アスレチックマスターなど。趣味は美味い酒を飲むこと(あまり強くはない)。真紅とも称されるラキュースの叔父で列記とした貴族の生まれだが、その称号を捨てて冒険者になった経緯の持ち主。他者が礼儀を守ろうとして、名誉騎士爵号を含めた長い正式名で呼ぶと不機嫌になる。ただ子孫を作り血を残すことは重要だと考えている辺り、貴族としての考えそのものが無くなったわけではない模様。悪い人間ではないが善良とは言えず、好色で子供には絶対に会わせてはならない類の人間。多少ガゼフから苦手に思われている節があるのも、その辺りが関係していると思われる。ただし英雄に憧れる人間の夢を叶えてやるのが英雄の役目だとして、初対面の人間相手にはまず間違いなく猫を被る演技派冒険者であり、彼の本性を知る者が少ないのか評判は良い(姪のラキュースが本性を知ったのも、大人になってかららしい)。それに魔導国に蹂躙されかかっていたエ・ナイウルを助けに行くなど、非道を見過ごせない最高位冒険者としての矜持は持っている。詳細は不明だが何故かツアーと知り合いで、仲間とはいかないまでもある程度の友好関係にあり、所有する強化鎧もツアーから貸与されたものである。魔導国の王国侵攻が始まった際、兄たちに逃げるよう忠告したが誰も逃げなかった事に複雑な感情を抱いている。預かった兄たちの子供らを仲間たちに預け、彼自身は法国から仕事の依頼があったので王都に残りはしたが、ラキュースたちと共に話を聞いた後で結局断った。この時にツアーから聞いたスルシャーナ第一の従者の名を挙げ、自分の背後にそれなりの相手がいると法国に思わせた事で、迂闊に手を出せない人間だと思わせることに成功している。後に魔導王討伐をツアーに提案し、自分はアルベドの足止めを担当する(実際は実力差があり過ぎて役者不足であり、アルベドがワザと付き合ってやっていたに過ぎない)。彼の職業は強化鎧を運用するための構成になっていて、生身では蒼の薔薇の誰にも勝てない(実力でオリハルコン級まで登り詰めたので、弱くはないがチーム内ですら最弱)。

あまのまひとつ #2−2〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点初期メンバーの1人。ユグドラシルでの職業は鍛冶師。たっち・みーの変身系ヒーローネタに食いついて同行し、メンバーに加わった。当初は誰もが戦わなくてはならず鍛冶職が疎かになりがちだったが、ナザリックという拠点を得た頃からビルドを組み直し、最終的に生産特化の職業編成になった。元より戦闘能力はさほど高くなく、ナザリック攻略の際も入口警護に名乗りを上げている。鍛冶仕事の際は験を担いで強化効果のある食事をすることが多く、グルメ鍛冶師とも呼ばれていた。生産職でも戦えるようになると聞いて強化鎧を入手したが、ペロロンチーノとの模擬戦であっけなく撃墜されてしまい、以来その強化鎧は宝物殿で眠ったままになっている。空戦ゲームをかなりやり込んでいたほか、基本的に個人行動を好む性格らしい。

アルシェ・イーブ・リイル・フルト #7−1〜 (声・真堂圭)

 帝都を拠点としている請負人の魔法詠唱者で、フォーサイトの一員。中風月26日生まれで、年の頃は10代中盤から後半。住居は帝都の高級住宅街(気持ち的には歌う林檎亭)。職業は魔術師、アカデミック・ウィザード、ハイ・ウィザード。趣味は読書(雑多に読む)。目鼻立ちは非常に整っていて気品があるが、艶やかな金髪は肩口辺りでざっくりと切られていて、人形のような無機質さが感じられる。実家が貴族位を剥奪された事で帝国魔法学院生を続けられず中退、両親が作る膨大な借金を返すために請負人となった。ヘッケランたちの噂を聞いて探し出し声を掛けたのだが、ちょうど彼らが最後の一人をどうするかと考えていた時だったので、ロバーデイクは神の啓示かと思ったらしい。年齢に似合わず第三位階の魔法まで使いこなす上、看破の魔眼まで持っているのでチームにとって非常に重要な存在となっている。チームメイトからは妹のように可愛がられており(彼女自身も皆を兄や姉のように感じている)、同時に妹たちからも慕われている愛される姉にして妹。在学時はフールーダに気に入られていたこともあり(彼女が辞めた際には非常に残念がられ、もし今戻ったならそれなりの地位を約束してもいいと考えられている)、今でもある程度のコネを持っている。墳墓調査の依頼が来た際は、墳墓近郊の歴史や状況の調査を担当した。墳墓調査依頼の前金を返済に充てたのを最後に、依頼が済んだら妹たちと家を出て3人で暮らす算段を立てている。自分の身長ほどもある長い鉄棒を武器としており、無数の文字とも記号ともつかないものが彫り込まれている。多少防御効果のある厚手の服を着て、ゆったりとしたローブを纏っている。非常に優れた才能を持つとフールーダを始め周囲には思われていたが、実は早熟の秀才であり能力的には既に成長の限界に到達しかかっている。

アルベド #1−1〜 (声・原由実)

 ナザリック地下大墳墓階層守護者統括を務めるNPCで、常に玉座の横に控える慈悲深き(?)純白の悪魔。身長170cm。製作者はタブラ・スマラグディナ、住居はナザリック地下大墳墓第十階層玉座の間(後にナザリック地下大墳墓第九階層にある新規ギルドメンバー用の予備部屋を与えられる)。属性は極悪、カルマ値は−500。総合レベルは100で、内訳は種族レベルが取得総計30(小悪魔:10、女淫魔など)、職業レベルが取得総計70(ガーディアン:10、ブラックガード:5、アンホーリーナイト:10、シールド・ロード:5、暗黒騎士など)。金色に輝く虹彩と縦に割れた瞳孔が異様なものの、腰の辺りまで艶やかに流れ落ちる黒髪を持ち、女神のごとき美貌を誇る非の打ち所の無い絶世の美女。左右のこめかみからは山羊を思わせる太い角が曲がりながら前に突き出し、腰の辺りからは漆黒に染まった天使の翼が広がる。この翼は実際に飛ぶことが可能であるほか、彼女の感情が翼の動きで表現される事がある。悪魔として複数の形態を有しているようで、そのうちの一つはシャルティアに大口ゴリラと揶揄されている。ナザリック地下大墳墓全NPCの頂点に立つ存在であり、デミウルゴスと並んでナザリック最高峰の頭脳を持つ切れ者。軍事面ではデミウルゴスに多少劣るものの、ナザリックの運営管理において彼女の右に出る者はいない。よって彼女の仕事は相応に多岐に亘る事となり、ナザリック内の兵士の配置や防衛状況の確認・周辺警戒網の構築に関する諸々の案件・玉座の間における全存在の状態確認と、常人なら目が痛くなるようなものばかりである(魔導国建国後にはエ・ランテルの行政と支配体制の確立・維持、魔導国全体の内政と人員管理、国内で開発される技術の過剰な発展の抑制も加わる)。場合によっては失態を演じたNPCへの叱責、アインズへの諫言等も行う(大抵は窘められるが、正論ならば受け入れられる)。タブラの拘りにより一大叙事詩のごとき膨大な設定が詰め込まれており、最後の一文には「ちなみにビッチである。」とされていたが、ゲーム終了直前で茶目っ気を出したアインズにより「モモンガを愛している。」と変更された。その状態で異世界転移し自我を持つに至ったため、アインズを深く愛するようになっている。アインズはそのことで罪悪感に苛まれているものの、彼女自身は寧ろ狂喜の想いで受け入れている。よって同様に正妃を狙うシャルティアとは事あるごとに言い争っているほか、女淫魔でありながら未だに処女で異性経験が無く、専属の双角獣に騎乗できないという悲しい状態になっている。普段は冷静沈着な彼女もアインズの事になると暴走しがちで、妄想の世界に入り込んでしまったり、性欲剥き出しで襲い掛かって謹慎を喰らったりしている。ナザリックのNo.2という立場上、アインズがいない間のナザリックの留守番を務めることが多い(その際はアインズの自室に籠る)が、アインズの許可を取って自ら出掛けることもある。実際に魔導国建国後は自ら王国に赴き、王との交渉・八本指への指示・ラナーとの取引についての確認などを行っている。なおアインズ以外の至高の四十一人については自分たちを見捨てたとして憎悪しており、アインズと違って彼らの帰還を望んではいない。請負人たちの排除後に至高の四十一人を探索する名目(本当の目的は抹殺と思われる)で、ルベドやパンドラズ・アクターを含む最強部隊編成をアインズに許可されたが、その後の動きや成果については不明。人間を脆弱な下等生物と見下しており、邪魔になったり面倒になったりすれば殺して済ませるが、不必要に甚振る趣味は無い。故に手間をかけてまで殺しに行こうとまでは思わないし、必要とあらば好意的に振る舞う事もできる。また意外にも家事全般に関してプロ級の腕を持ち、掃除・洗濯・裁縫はお手の物(自作したアインズの抱き枕は、デミウルゴスですら一瞬見間違うレベル)。自室のドレスルームには自作のアインズ(等身大抱き枕を始めとする縫い包みや編み包み等)が無数に置かれていて、掃除のメイドにも立ち入りを許さない極秘のハーレム部屋と化している。もっとも立ち入り禁止の本当の理由は、ギルドの旗を乱雑に放り出してあるのが露見するのを防ぐためだと思われる。一方でアインズが落としたモモンガの旗をこっそり確保しており、全身で愛でるほどに大切にしている。当初は仕事も自室で行っていたが、アインズと共にありたいという欲求を抑えられなくなり、数多くの利点を誠心誠意訴えてアインズの自室で仕事をする許可を得た。姉のニグレドとの姉妹仲は良好で、妹のルベドのことも可愛く思っている。ナザリックにおける肉弾戦最強レベルのNPCの一人で、守護者の中では第三位に当たり、守備・防御という点では最強を誇る優秀な戦士。最高の盾としても重宝されるその強さはセバスを上回るが、コキュートスを相手にすると分が悪い。平時はマジックアイテムである純白のドレスを纏い、絹のような光沢をもつ手袋を嵌めている。首には肩から胸元までを大きく覆うような形をした、蜘蛛の巣を思わせる黄金のネックレスが輝く。ちなみにドレスは同じものを数着持っているだけだが、下着類は割と多く所有している(衣類は全てタブラが用意したとの事)。有事の際はヘルメス・トリスメギストスを纏い、3Fを武器とするのが通常装備だが、彼女の真の専用武器はタブラの独断で所持を許された真なる無。他にも漆黒のカイトシールドに鉤爪のようなスパイク付きガントレット、共に鮮血の色をしたマントとサーコートを装備している。

餡ころもっちもち #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、エクレアとペストーニャの製作者。三人しかいない女性メンバーの一人。犬を飼っていたようで、うれしょんに大層困っていた模様。それなりの年齢になっていたらしく、感情を激発させないよう苦心していたという。美味しいものを食べて太るのは女の本望、とシズに語ったのは彼女と思われるが真相は不明。数少ない女性同士という事もあってか、ぶくぶく茶釜ややまいことは仲が良く、度々ナザリック地下大墳墓第六階層に集まっていた。モモンガの印象では、自作のNPCが自我を持って生きていると知った場合、敢えて会いに来そうな人物の一人。

アンドレ #ドラマCD2〜 (声・松本忍)

 現在のビョルケンハイム伯爵に取り立てられ、伯爵家に仕えることになった青年。職業は野伏など。伯爵が成人の儀式に臨んだ際、彼を庇って一騎当千の勇ましい活躍を見せたらしい。最近になって伯爵の口利きで結婚が叶い、つい先日には子供も生まれたという。今は嫡男であるトーケルに仕えているが、さすがに自身の全てを懸けられるほどの忠誠心は持ち合わせていない。とはいえ人間的に彼を気に入ってはおり、家族の次くらいには大事に想っている。飄々とした軽い雰囲気の持ち主だが常識はしっかりと弁えており、言うべきことはしっかり言う。野伏として訓練を多少積んでいるおかげで、隠密行動に関しては心得がある。

アンペティフ・コッコドール #5−2〜 (声・下山吉光)

 八本指の幹部の一人で、奴隷売買部門の長。線が細くなよっとしていて、オネェ言葉でしゃべる。奴隷制度廃止で商売を大幅に縮小せざるを得なくなったので、ラナーを心底憎んでいる。クライムを一目見て欲情するなど、男色家である模様。近い内に襲撃がある事を見越して六腕からサキュロントを借り受けたが、サキュロントはブレインに倒され自身もセバスに拘束されてしまう。そのまま王国に引き渡され監獄送りとなるが、逮捕されたおかげでナザリックに囚われずに済んだので、他の幹部たちと違い地獄の洗礼は受けていない。それ故に他の幹部からは、幸せ者として心底羨まれている(監獄での待遇が悪くならないよう賄賂まで送っている)。後に魔導国の王国侵攻が始まった際、犯罪者が戦力として軍に連行されるどさくさに紛れて救出される。戦に参加させられれば死ぬのは確実だったため、他の幹部たちの判断で魔導国に保護される千人に彼も含まれることになったのである。問題は幹部と知られれば洗礼の餌食になってしまう事だったが、使者として現れたシャルティアに潜んでいた影の悪魔の報告で素性が伝わってしまい、問答無用で黒棺へ放り込まれて結局は洗礼を味わう羽目になった。

イーグ・ロキルレン #14−1〜

 王国内に領地を持っている下位貴族で、フィリップの新興派閥に所属する男爵。フィリップと同時期に似たような経緯で爵位と領地を継いだので、ヒルマの目に留まり派閥に参加する事になった。全体的に厚みのある体躯で威圧感があり、身体能力はそれなりだが頭脳労働やお世辞は苦手。素の口調も貴族らしからぬ野卑なもので、公の場ではボロが出ないようお喋りは基本的にヴィアネに任せている。ヴィアネとは領地が隣同士で仲が良く、互いの苦手なところを助け合っていく約束を交わしている(立場的に家督継承から遠くてデルヴィ家との因縁を教わらなかったため、気楽に付き合えて不思議と馬も合った)。無能なフィリップを操る八本指の影に気付いたヴィアネの考えに賛同し、協力してフィリップを始末する計画を実行に移す。あわよくば魔導国に恩を売れるとも考えていたが、フィリップの目論見が成功してしまったことで思わぬ事態を引き起こしてしまう。

イヴォン・ジャスナ・ドラクロワ #10−幕間〜

 法国の最高執行機関の一員で、光の神を崇める光の神官長。切れ長の目を持つ痩せこけた体躯だが、見た目からイメージされるような陰険な人間ではない。優秀な信仰系魔法の使い手で、機関内でも一・二を争う。

イグヴァ=41 #4−3〜 (声・浜添伸也)

 蜥蜴人の集落に対する最初の襲撃時、最下級アンデッド軍団の指揮官として作られた死者の大魔法使い。レベル22。属性は極悪、カルマ値は−500。41番の番号を振られた単なる被検体で、使い捨てのモルモットの一つ。コキュートスの命令により、共に作られた二体の血肉の大男を先行させて出撃する。アインズが直に生み出したためアンデッド強化の影響で並の死者の大魔法使いよりは遙かに強いが、蜥蜴人たちを侮り過ぎたせいか激闘の末に討ち滅ぼされた。なお明言はされていないが、元になった死体は回収されたイグヴァルジの物と思われる。

イグヴァルジ #3−3〜 (声・浜添伸也)

 エ・ランテルを拠点としているミスリル級冒険者で、クラルグラのリーダー。職業はフォレストストーカーなど。銅級から一足飛びでミスリル級となったばかりか、自分を容易く乗り越えていく実力を持つモモンが気に食わず、初対面時から何かにつけて突っかかる。挙句にモモンを陥れる隙を探るべく、吸血鬼退治を兼ねた偵察に強引に同行を申し出る。仲間の言では目先の欲望に囚われやすい人格的欠点はあるものの、冒険者としては非常に優秀とのこと。しかしその実態は自分が英雄になる事以外頭に無く、仲間などそのための道具で見捨てることに些かの躊躇もない卑劣漢。幼い頃に住んでいた村で詩人の英雄譚を聞き、それから英雄になる夢を持ったらしいが、当時から歪んだ性格だったかどうかは不明。外見上は力強さを感じる立派な佇まいで、装備品も下の階級の冒険者よりは良いものを着用している。森妖精の知り合いがいるらしく、左右で色の違う瞳を持つ王の話を聞いたことがある。

イサンドロ・サンチェス #12−1〜

 聖王国に住んでいる聖騎士で、九色の一色・桃を与えられている聖騎士団副団長。団長のレメディオスには色々と苦労させられている。

イジャニーヤ #7−幕間〜

 十三英雄の一人で、凄腕の暗殺者。ツアーに察知されず接近できる実力者だったという。

イミーナ #7−1〜 (声・高垣彩陽)

 帝都を拠点としている請負人の盗賊で、フォーサイトの副リーダー兼ヘッケランの恋人。上火月29日生まれ。住居は歌う林檎亭。職業は野伏、盗賊、ブッシュワーカーなど。趣味は何もせずぼんやりする事。森妖精の父と人間の母(故人)の間に生まれた半森妖精で、目付きが悪く化粧っ気の無い顔をしている。全体的にほっそりとした華奢な肢体で女性特有の丸みが無く、体格だけでは男と勘違いしかねない。見た目の印象とは裏腹に苛烈な一面を持つほか、酒癖がかなり悪い。墳墓調査依頼を請け負った際は天武を見て不快感を露にしており、度々エルヤーの誅殺を提案してはヘッケランに窘められていた。短刀・短剣・弓矢などを武器としている俊敏なる射手で、ぴっちりとした皮鎧を身に付けている。身体能力もかなりのもので、多少腕に自信がある程度のチンピラなど瞬殺できる。水に非常に浮かび易く溺れ難い(溺れないわけではない)という生まれながらの異能を持つが、水地でモンスターに襲われて酷い目に遭った経験から水泳は嫌い。

インクリメント #8−2〜

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。製作者はヘロヘロ。髪型はボブカットで、読書しながら食事したいタイプ。

ヴァージュ・サンディックナラ #12−1〜

 かつてアベリオン丘陵に住んでいた、魔爪の二つ名を持っていた獣身四足獣。詳細は不明だが、死に際に息子のヴィジャーに二つ名を譲った。刃翼を武器としていた。

吸血の竜王(ヴァンピリック・ドラゴンロード) #4−幕間〜

 アンデッドの竜王。既に滅びているらしいが、詳細不明。

ヴィアネ・デルヴィ #14−1〜

 王国内に領地を持っている下級貴族で、フィリップの新興派閥に所属する男爵。フィリップと同時期に似たような経緯で爵位と領地を継いだので、ヒルマの目に留まり派閥に参加する事になった。冴えない細身で運動神経は皆無だが、頭脳労働やお世辞にはそれなりに長けていて、領地の経営も地に足が付いており若さの割にしっかりしている(クリストフェル曰く、貴族社会の常識や政治の駆け引きを学べば将来有望とのこと)。服を新調せず父親の古着をそのまま着用しているなど、貴族らしい品格や威厳に乏しく、着飾っていないと貴族には到底見えない。ただ自分の立場が貴族の底辺である事は充分に理解しており、寧ろ自分が弱小貴族に過ぎない事を服装でアピールしている。大きな力の庇護下に入るにはその方が良いと考えての事であり、公の場では必死に陽気でお喋り好きな性格を演じている。基本的に陰気な性分で人と話すのは好きじゃないが、領地が隣同士で仲が良いイーグだけは例外で、彼とは互いの苦手なところを助け合っていく約束を交わしている(立場的に家督継承から遠くてロキルレン家との因縁を教わらなかったため、気楽に付き合えて不思議と馬も合った)。無能なフィリップを操る八本指の影に気付き、イーグと協力してフィリップを始末する計画を実行に移す。あわよくば魔導国に恩を売れるとも考えていたが、フィリップの目論見が成功してしまったことで思わぬ事態を引き起こしてしまう。

ヴィクティム #1−2〜 (声・東山奈央)

 ナザリック地下大墳墓第八階層の守護者を務めるNPCで、頭上に天使の輪を頂く1mほどの胚子。住居はナザリック地下大墳墓第八階層の生命樹。属性は中立、カルマ値は1。総合レベルは35で、内訳は種族レベルが取得総計29(天使:10、大天使:10など)、職業レベルが取得総計6(パトリオット:1、聖人:4、殉教者:1)。体色はやけに明るいピンクで尻尾を持ち、羽の無い枯れた枝のような翼が背中に生えている生贄の赤子。ザリュースたちでさえ脅威を感じないほどに戦闘力が低いが、自身の死と引き換えに発動する強力な外敵足止め系の特殊技術を持っており(時間稼ぎ最強と言えなくもない)、自分の存在意義は死ぬことであると理解し受け入れている。天使が使用するとされるエノク語を話す設定らしいが、実際は五十音を色の名前に変換した奇怪な言語で話す。

ヴィジャー・ラージャンダラー #13−4〜

 父親から魔爪の二つ名を受け継いだ獣身四足獣で、亜人連合軍では十指に入る強者の一人。属性は中立(聖剣サファルリシアの切り札でダメージを与えられなかったため)。二つ名は継いだばかりでそれに伴う実績を持っていないため、聖王国における戦いで自分の名を高めようとしている。艶やかな黒色の体毛が全身を覆っており、金属鎧を纏っても冷たさを感じないほどの断熱効果を有する。刃翼を武器としている。

ヴェスチャー・クロフ・ディ・ローファン #2−4〜

 リグリットを含む3人の仲間を率いていた元アダマンタイト級冒険者で、凄腕の剣士。髪は完全に白く染まっていて年相応に細い体躯だが、鋼のごとき硬さがあり弛みなどは一切無い。目は猛禽のように鋭く、己の腕に自信を持つ堂々とした立ち姿をしている。30年前にザイトルクワエの頭上に生える特殊な薬草の採取を請け負ったが、2組のミスリル級冒険者チームの力を借りてやっと達成したらしい。現在はすでに引退しており、自分が気に入った相手だけを鍛える個人の剣道場を開いている。かつてガゼフが御前試合に出ていた時に観戦しており、彼を気に入って道場に引っ張り込み座学や剣技を叩き込んだ。大虐殺後にはブレインに協力を依頼され、彼を徹底的に鍛え上げている。魔導国の王都侵攻が始まった際は、依頼を受けたか何かで六高弟の内5人と共に魔術師組合本部の護衛任務に就いている。戦闘時は上が浅黄色で下が黒の道場着を纏い、腰に剣を二本佩いて胸当てを付ける。実戦に臨む際は事前に技術を習得し、十分な素地を築いて死ぬ可能性を減らすべきという考えの持ち主で、それを弟子たちにも徹底させている。

ウルピウス #8−2〜

 最古図書館で働いている司書の一人で、5人いる死の支配者の一人。マーレが外出する際、巻物作成実験への協力を代価に護衛を任された。

ウルベルト・アレイン・オードル #1−1〜 (声・吉野裕行)

 至高の四十一人の一人で、デミウルゴスの製作者。ユグドラシルでの種族は山羊の頭部を持つ悪魔で、職業はワールド・ディザスターなど。九人の自殺点後続参加組の一人で大災厄の魔と称され(切り札の特殊技術に由来する)、ギルド中で最も“悪”という言葉に拘った厨二病患者で、偽悪趣味なところが多分に見られていた。リアルではモモンガと同じく小卒な事もあり、自らを負け組(もしくは半負け組)として分類しており、生まれた段階で二極化され過ぎる不公平な世の中を憎悪していた。それはモモンガから見ても「よくぞここまで」と思うほどで、両親は危険な場所で働かされた挙句に死亡、骨も戻らないばかりか雀の涙以下の見舞金しか出なかったという。故にたっち・みーが勝ち組と知ってから急激に仲が悪くなり、以降は事あるごとに対立し喧嘩していた(彼と最も親しかった初期メンバーが、たっち・みーと対立してゲームを辞めた事も一因である)。ただそれは自分の馬鹿な嫉妬が原因で、たっち・みーが悪いわけではない事も分かってはいた。ナザリック地下墳墓挑戦時にモモンガに心中を吐露してからは、露骨に毒を振り撒くのは控えると約束した。ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しよう、と冗談で言っていた内の一人でもあり、鉄人が独裁すると凄いと力説していた。玉座の間まで敵が来る事があれば、悪の親玉らしく奥で堂々と待ち構えるべきと主張して、多数決の結果その意見は採用された。アインズ・ウール・ゴウンにおいて魔法職最強の火力を誇った人物で、短時間に与えるダメージ量を単純に比較するならギルドでは一・二を争うほどだった。高火力のダメージディーラーとして火力に非常に特化した職業構成だが、MPは潤沢でも燃費が悪く息切れが早いという弱点もある。ユグドラシルのゲームが終わる瞬間、リアルでとある人物と互いに悪として対峙していたらしい。

ウレイリカ #7−1〜 (声・天野心愛)

 アルシェの妹で、クーデリカとは双子の姉妹。5歳ほどで、身長は100cm未満。姉によく似た面持ちで、将来の大花を容易に想像できる。両親の事をどう思っているかは不明だが、アルシェの事は大好きで心から慕っている。なお家が抱える事情についてはよく分かっておらず、アルシェと一緒に引っ越すのがどういう事なのかも深く考えていない。大好きな姉とずっと一緒にいられるようになる、大事なのはその一点のみである。

ウロヴァーナ #9−2〜 (声・菊池康弘)

 リ・ウロヴァールを治める王国六大貴族の一人で、王派閥に属する辺境伯。六大貴族の中では最高齢で、真っ白になった髪も毛量が少ないためほとんど無いように見える。腕や体は細く枯れ木のように思えるが、年を積み重ねてきた人間特有の威厳が備わっており、六大貴族中最も人間的な魅力を持つ。

ウンケイ #10−3〜

 帝国を拠点としているアダマンタイト級冒険者の僧侶で、銀糸鳥の一員。袈裟を纏って錫杖を携え、剃り上げた禿頭には編み笠を被っている。神殿とまるで関係ない治癒魔法の使い手でもあることから、法国に連なる神殿では扱いに困っている存在。

ウンライ #2−2〜 (声・伊原正明)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

エクレア・エクレール・エイクレアー #1−1〜 (声・檜山修之)

 ナザリック地下大墳墓第九階層で執事助手(副執事長)を務めるNPCで、黒ネクタイを締めたイワトビペンギンのバードマン。身長1mほど。製作者は餡ころもっちもち。総合レベルは1で、種族レベルのみ(バードマン:1)。将来ナザリック地下大墳墓を支配する野望を持つと設定されており、事あるごとにそれを公言して憚らない(故に一般メイドには疎まれている)。主な仕事は第九階層客室周辺の清掃だが、上司であるセバス不在の間は第九階層全域を担当する事になる。掃除というものに絶対的な自信を持っており、トイレ掃除をすれば便器を舐められると豪語するほど。常に10人の男性使用人(全員が目出し帽を被っており、奇怪な鳴き声しか発しないため区別は困難。従業員食堂では料理人も務めている)を従えており、移動時はその内の一人に自分を抱えさせ持ち運ばせる(自身の飛び跳ねるような動きの歩き方は、速度が非常に遅いため)。自分と同じく女性の製作者を持つNPCたち(アウラ、マーレ、ペストーニャ、ユリ)には、製作者たちの仲が良かった事もあって親近感を抱いており、私的な場では互いに綽名で呼び合ったりする仲である。見た目が可愛いのでシズにも好かれているが、それ故にシズを見掛けると全力で逃げ出すようになっている。ちなみに、副料理長がマスターを務めるショットバーの数少ない常連の一人。

エステバン #13−4〜

 聖王国に住んでいる聖騎士で、聖騎士団の一員。獣身四足獣を知っており、少なくとも亜人の知識はそれなりにある模様。ロイツの西門にてナスレネとの戦いに挑むも、全く歯が立たず殺された。

エドガール・ククフ・ボーマルシェ #4−幕間〜

 漆黒聖典の第九席次で、通称は神領縛鎖。主な武器は鎖と思われるが、両足に短剣も装備している。中途半端に精神操作を受け動かなくなったシャルティアを捕縛しようとしたが、接近したために敵と認識され攻撃を受けて殉職。

エドストレーム #5−5〜 (声・松井恵理子)

 八本指警備部門の構成員で、踊る三日月刀の異名を持つ六腕の紅一点。シルフィードを身に纏っており、手首や足首に金属の輪を嵌めている。他にもヘイト・アンバーやブリリアント・ダイヤモンドを所持しており、異名の通り舞踊の魔法が付与された5本の三日月刀を使いこなす。本来は舞踊の魔法付与はさほど役に立たないが、彼女の場合はまるでもう一人の自分がいるかのように自在に操ることができ、三日月刀で築かれた剣の結界は侵入者の命を確実に奪う。それを可能とするのは異常発達した空間認識能力と、左右の手で全く違うことを苦も無く行えるほどの柔軟な脳力である。サキュロントの敗北で傷付いた六腕の名誉回復を目論むゼロの命で、他のメンバーと共にセバスの公開処刑を担当する。

エトワル #描き下ろしショートストーリー アインズの野望〜

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。

エリアス・ブラント・デイル・レエブン #1−4〜 (声・桐本拓哉)

 エ・レエブルを治める王国六大貴族の一人で、王に絶対的忠誠を誓っている侯爵。下火月30日生まれ、40歳手前。住居はエ・レエブルの屋敷、職業は上位貴族(一般)、賢人、カリスマ(一般)など。趣味は子供(リーたん)に関する全て。長身痩躯で顔色は不健康に白く、金髪を完全にオールバックに固めている。切れ長の碧眼を持ち蛇のような印象を抱かせる男で、多くの貴族に恐れられているが、基本的に大きく表情を動かすことは無い。メリットを求めて王派閥と大貴族派閥の間を動き回る蝙蝠だとガゼフや蒼の薔薇には思われていたが、実際は大貴族派閥を抑えて王派閥の弱体化を防ぎ、上手に誘導して王国を二分するような内紛を事前に阻止している(後に誤解は解け、ガゼフからは謝罪を受けている)。表向きは貴族派閥に身を置いているものの、王のために国力の低下及び崩壊を全力で防いでいる忠臣である。その結果としてどちらの派閥にも顔が利き、且つ六大貴族の中で最も大きな力を持つに至っている(特に資金力と政治手腕は群を抜いている)。ただ度重なる帝国の侵攻で国力が低下の一途を辿っている事に加え、優秀な人材の多くが彼を慕って集まってきてしまうので、他派閥が現状をまるで理解できていない無能貴族ばかりとなっており頭を痛めている。過去に幼いラナーを見てその本性に気付いており、情報を共有し次期国王に推しているザナックと同様にラナーを化け物と称している。八本指の施設襲撃やヤルダバオトの王都襲撃に際し、ラナーの要請もあってザナックと共に手を尽くして協力する。仕事の依頼として漆黒を呼び寄せ、彼らを戦力として取り込んだのもその一環である。ザナックが王位継承した暁には宰相の地位を約束されていたが、帝国との戦争に参加したせいで死の恐怖に直面し心が折れ、領地に閉じ籠ってしまっている(ただし事前に戦争後は数ヶ月引き籠ると王に宣言してもいる)。実はその間に飴と鞭作戦の一環として、愛する息子の命を盾に脅迫されてナザリックに屈服、王国を裏切って情報を流す羽目に陥っていた。王国壊滅後は自身が優秀と見込んだ貴族12人を連れてアインズに服従するが、残虐非道の魔王を勇者が倒してくれることを心より願っている。彼の屋敷はレンガの壁で作られその上に漆喰が塗られている、ごく普通の貴族の邸宅となっている。執務室はその一角にある窓の無い小部屋で、魔法による盗聴・監視・目標探索等を防ぐべく壁の内側に銅板が仕込まれている。まだ5歳の息子を溺愛しており、話題に上ると即座に子供自慢を始めてしまうほど。元々彼も若い頃は野心に燃えており、王位簒奪を夢見て邁進する貴族の一人でしかなかった。結婚でさえ妻の実家とのコネを得る手段に過ぎず、妻も子も道具の一つに過ぎなかったはずが、生まれた赤子が自分の指を握った時に野望は全て砕け散った。玉座などゴミのように思え、全てがバカバカしくなってしまったのである。妻への態度も急変して愛情をもって接するようになり、当初は妻におかしくなったのではと疑念を抱かれるほどだったという。妻に愛していると言ったことは二度しかないが(一度目は息子が生まれて二日後、二度目は息子が2歳になった頃の結婚記念日。ただ二度目は独り言のように零しただけであり、数に入れていいものかどうか疑わしい)、それは自分の気持ちくらい妻は分かっているだろうから言葉にする必要はないと考えている事による。超子煩悩大貴族となって以降の彼の目的はただ一つ、息子に完璧な状態で今の領地を譲る事のみ。なお正確な時期は不明だが魔導国の王国侵攻と前後して、二人目の子供を授かったらしい。彼自身に戦闘能力は無いに等しいが、代わりにボリス率いる元オリハルコン級冒険者チームを筆頭とした親衛隊や、平民出身だが有能な軍師を配下として抱えており、所持している武力は六大貴族でも随一。冒険者から様々な知識(マジックアイテムの種類や形状、モンスターの種類や能力、魔法の種類など)を仕入れ、それを分かり易く纏めた虎の巻も所持している。

エリオン #1−3〜

 法国に仕えていた兵士で、陽光聖典の作戦に参加した部隊の一員。帝国騎士に扮して村々を襲撃し、ガゼフを誘き出す囮役を務めていた。カルネ村で広場に逃げ込もうとした村人を斬ろうとした時、背後から死の騎士にタワーシールドで突き飛ばされて即死した。

エルヤー・ウズルス #7−2〜 (声・木村良平)

 帝国を拠点としている請負人の戦士で、天武のリーダー。整った顔立ちで切れ長の目をしており、鈴の音を思わせる涼しい声をしている。亜人は勿論人間以外の人間種をも見下す徹底した差別主義者で、常に森妖精の奴隷を3人連れ回している。時折性欲の捌け口として彼女たちを抱いてもいるが、当然ながらそこに愛情など微塵も無く、胸を強く握り締めて悲鳴を上げさせるのが楽しみという外道である。法国出身との噂があるが、真偽の程は定かではない。闘技場では不敗の天才剣士として知られており、オリハルコン級冒険者にも勝てる、ガゼフに匹敵するなどと言われている。御前試合当時のブレインを超えるとグリンガムは見ているので、少なくとも当時のガゼフとは互角かそれ以上と思われる。下手に腕が立つせいか非常に自意識過剰且つ傲慢な性格で、根拠の無い自信に満ち溢れており、他人の立場になって考えることができない。故に墳墓の合同調査を請け負った際、他の請負人チームから懸念を示されている。

エンシエント・ワン #プロローグ 上〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点初期メンバーの1人。ギルド結成時にナザリック地下墳墓の一発攻略を提案したモモンガに対し、賛成した武人建御雷に続く形で賛意を表明した。

エンディオ #5−2〜

 八本指の幹部の一人で、(暗殺・密輸・窃盗・金融のいずれか)部門の長。他の幹部たち同様にナザリックの洗礼を受けさせられ、病的なまでに痩せ細って固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている。

エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ #1−1〜 (声・真堂圭)

 六連星の五女(もしくは六女)で、本性は蜘蛛人。身長149cm。製作者は源次郎、住居はナザリック地下大墳墓第九階層使用人室(戦闘メイド用)。属性は中立〜悪、カルマ値は−100。総合レベルは51で、内訳は種族レベルが取得総計12(蜘蛛人:10など)、職業レベルが取得総計39(符術師:10、符撃師:7、蟲使い:7、ウェポンマスター:3など)。くりくりとした瞳は劣悪なガラス球のように光が無く、瞬き一つしないため異様な雰囲気を宿している。和服調の魔改造メイド服でほっそりとした肢体を包んでいるが、襟に当たる部分は立てて喉元を完全に覆い隠すなど、素肌を晒している箇所は顔を除いて一切ない。また幼めの甘ったるい口調と声で話す(アインズに対してはきちんと口調を改める)が、その際に口は全く動かない。これは本来の顔に仮面状の蟲が張り付いているからで、実際は人間のような肌や口など一切存在しないのである。普段の声も口唇蟲によるもので、本来の声は硬質で酷く聞き取り辛く、彼女自身も嫌っている。シニョンに纏められた髪についても、蟲を使ってそのように見せていると思われる。人間を食材として好むが、ナザリック内では無闇に人間を食べられないので、グリーンビスケットや恐怖公の眷属をよく摘まんでいる(黒棺をおやつの間と称する程で、恐怖公からは眷属喰いと恐れられている。パリパリ感がたまらずスナック感覚でいただけて、パリグチュって感じとの事)。ただ人間はあくまでも食料であって、嗜虐趣味があるわけでは無い。それに女性や子供よりも筋肉質な男の肉の方が、脂肪が少なくてダイエット向きらしい。ナザリック内に幾つか存在する蜘蛛の巣に時々泊まっているが、それらはあくまでもグラントから借り受けているだけなので、地表部のログハウスに自分の巣(捕食用)を作りたいと考えている。デミウルゴスの命でゲヘナに参加し、マーレと共にヒルマの屋敷を襲って荷物の運び出しを担当するが、仕事を終え撤収しかけたところでガガーランに遭遇。当初は無意味な戦いを嫌って見逃がそうとするも、ガガーランの方が看過できず戦闘に発展してしまう。戦いは終始彼女が優勢で、それはティアが来ても変わらなかったが、イビルアイが来たことで激闘の末に敗北。一時的とはいえ気に入っていた口唇蟲の声も失い、止めを刺される寸前でデミウルゴスに助けられ辛くも生還する。結局ゲヘナの間はルプスレギナやソリュシャンと組んでナーベラルと戦うフリをしただけで、肝心のイビルアイに復讐する機会は得られず、自分を侮辱し追い詰めたイビルアイへの怨念を抱き続けることになる。己への戒めなのか声は生来のままにしており、アインズに望みの褒美を聞かれた際は、イビルアイの声を所望し了承された。ただそれまでの間の繋ぎとして、アインズにシャルティアが始末したアルシェの声を勧められ、当分はアルシェの声で過ごす事となる。精神系魔法詠唱者であり戦闘系の職業ではないので姉妹の中では直接戦闘力は低めだが、それでも人間など相手にならない強さを持つ蟲愛でるメイド。独立行動可能な蟲たちと自己強化や攻撃等に使える符術を駆使する戦い方が基本だが、武器や防具にもなる蟲と様々な効果を持つ符術を組み合わせることで非常に幅広い汎用性を有する。なお彼女の持つ特殊技術はレベルに依存するものが多く、高レベルの敵には通じない場合がある。

エンリ・エモット #1−P〜 (声・M・A・O)

 カルネ村に住んでいる、ごく普通の農家の娘。住居はエモット家。中風月10日生まれの16歳。総合レベル(人間種なので種族レベル無し、職業レベルのみ)は2(後に6)で、内訳は農民:1、サージェント:1(後にコマンダー:2、ジェネラル:2が加わる)。趣味は農作業(村には他の楽しみが無いせい)。胸元くらいの長さで三つ編みにした栗毛色の髪に、日に焼けた肌と黒い瞳を持つ。水汲みと畑仕事を日課とし、両親や妹のネムと共に平和な16年を過ごしてきたが、帝国兵に扮した法国兵の襲来で日常は崩れる事となった。両親を殺され彼女たちも殺されかけたところで、突如現れたアインズに救われる。彼女たちのみならず村をも救ってくれたアインズには深い感謝と信頼の念を持ち、同時に両親を殺した法国兵に対しては憎悪が渦巻いている模様。事件後に見張り番などが必要ではないかという話が出た時、アインズに貰った小鬼将軍の角笛を吹いたところ、召喚された19人の小鬼の主となってしまう。幸い小鬼たちは彼女を姐さんと呼び絶対の忠誠を示してくれるので扱いに困ることは無く、寧ろ様々な局面で非常に助けられている(畑仕事、村人への護身術教授、トブの大森林における果実や獲物調達など)。おかげで少しずつではあるが指揮官としての経験が積み重ねられており、自分でも気付かない内にそれなりの職業を手にしつつある(命じた相手が指示に従うとボーナスが入ったり、仲間に強化を与えたりできる)。実際にギーグ部族の生き残りや人食い大鬼が加わる時、演技とはいえ支配者としての姿を見せつけた事で、彼らの忠誠を勝ち取ることにも成功している。それがきっかけとなって村長から自分の後を継いでほしいと頼まれ、ンフィーレアたちの後押しもあって渋々承諾(小鬼たちの認識では新たなる族長)。それまでは読み書きも算数も出来なかったが、ンフィーレアに教わって少しずつ覚えていっている。時折村を訪れていたンフィーレアの事は大事な友人として見ていたが、彼が移住してきた辺りから少しずつ恋心が芽生え始めたと思われる。小鬼兵士たちやネムの後押しもあって、グの動死体の一団を撃退した後で正式に恋人となり、王国軍撃退後には晴れて夫婦となった模様。夜の営みが気持ちいい事と知ってからは積極的に求めているようで、ンフィーレアは応えつつも困惑を隠しきれない様子。なお王国軍撃退時に召喚した5千の小鬼たちからも絶対の忠誠を示されており、彼らには将軍閣下と呼ばれている(止めて欲しいと再三頼んでも受け入れてもらえず諦めた)。当然ながら当初は戦闘力など皆無だったが、素手で全身鎧の騎士の顔を殴りつける程の気骨は持ち合わせていた(ネムを守るという使命感にも起因する)。小鬼たちを召喚してからは食料事情が大幅に改善された事もあって、全身にしっかりと筋肉が付き(上腕二頭筋は盛り上がり腹筋も割れつつある)以前より遙かに頑強な肉体になりつつある。人食い大鬼を除いて19人の小鬼全員に腕相撲で勝利を収めるほどで、村内では人間に限れば5指に入る腕力を持つ。

エンリケ・ベルスエ #12−1〜

 聖王国に住んでいる兵士で、九色の一色・青を与えられている海兵隊副隊長。オルランドが勝てないと見ている人物の一人。

オーレオール・オメガ #ドラマCD1〜

 七姉妹のリーダーで、桜花聖域の領域守護者。身長165cm。総合レベルは100。ナザリック地下大墳墓では唯一の人間だが不老の存在で、姉妹の中では末妹に当たる。下が赤で上が白の服(巫女装束と思われる)を着ているようで、可愛らしい笑顔と大人しげで優しい声の持ち主。指揮官系の職業で最適化されているほか、ナザリック内における転移門の監視・管理を行っており、またリーダーとして姉たちの居場所を常時把握している。世界級アイテム保持者(後に洗脳の解けたシャルティアに預けられる)であり、異世界転移後はスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを護っている。彼女が指揮官として命令を下すと、下された仲間たちに様々な強化を掛けることができる。聖王国でアインズがヤルダバオト(憤怒の魔将)及びメイド悪魔と戦う際、メイド悪魔に扮していたエーリッヒ擦弦楽団の上位二重の影たちに強化を掛けた。

オスキャス #5−2〜

 八本指の幹部の一人で、(暗殺・密輸・窃盗・金融のいずれか)部門の長。他の幹部たち同様にナザリックの洗礼を受けさせられ、病的なまでに痩せ細って固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている。

オスク #10−3〜

 大闘技場の管理運営を行う商人中最も有力な人物で、様々な演目を企画実行している興行主。恰幅の良い体格で、髪は非常に短く刈られ地肌が見えている。大きめの顔に反して目は小さく、どんぐりのように円らな瞳をしている。またいかなる理由からか、日常的か来客時だけかは不明だが香水を付けている。剣や拳で行われる命懸けの戦いが大好きだが、自身にその才は無いので代理戦士としてゴ・ギンを子飼いにしている。他にも何度も命を狙われている関係上、護衛として首狩り兎を始めとする幾つもの請負人チームや剣闘士と個人契約を結んでいる。筋金入りの武具コレクターで、自室には数多くのコレクションを飾っている。その大半に傷や凹みがあるものの、油で磨き上げ埃一つ無い状態が保たれている。中でもとりわけ気に入っているのが、ストーンネイル工房で作られたというルーン文字が刻まれた剣である。なお世話不要のモンスターとしてカッツェ平野のアンデッドを入手した際、アインザックと何度か顔を合わせている。ちなみに彼の好みに合致する人物は、現状ではガガーランであるらしい(首狩り兎は全体的に薄すぎるし、ゴ・ギンは逆に分厚すぎるとのこと)。アインズから武王との戦いを希望され、魔法禁止などの条件付きで承諾する。

オプティクス #7−2〜

 竜王国を拠点としている請負人の戦士で、豪炎紅蓮のリーダー。真紅の二つ名を持つ。

オラサーダルク=ヘイリリアル #11−3〜

 フェオ・ベルカナの王城に居座っている、白き霜の竜の王。住居はフェオ・ベルカナ王城。属性は中立、カルマ値は−25。総合レベルは46で、内訳は種族レベルが取得総計46(幼年:10、若年:10、青年:10、長老:5、古老:1など)、職業レベルは0。竜としての成長段階では既に最高位に達しているが、職業の取得が全く無いのでツアーなどの特殊な個体には遠く及ばない。巨木のような太さを持つ尻尾は、鋼を超える硬質な鱗に覆われている。ミアナタロン、ムンウィニア、キーリストランの3体を妻としており、子供はヘジンマールやトランジェリットを含め16体いる(6体はヘジンマールと同じ体格、9体はヘジンマールより小柄)。フェオ・ベルカナを拠点に竜の帝国を築き上げ、霜の巨人も含めたアゼルリシア山脈全体の完全支配を目論んでいる。妻たちの産卵場所をフェオ・ベルカナに固定し、子供が成長するまできちんと養育するのもその一環である。野望のためとはいえ家族を懐に入れて外敵に対し団結させるというのは、竜としては極めて珍しく異端と言っても差し支えない(賢いとも言える)。リユロたち土堀獣人とは表向き同盟関係にあるが、彼にとっては自分たちに奉仕するのが当然の下等種族に過ぎず、非常食か都合の良い駒程度にしか考えてはいない。ただ奴隷同然とはいえ自分の所有物の一つである以上、他者に無闇に数を減らされるのは腹立たしく感じる様子。炎防御の魔法など第三位階魔法を3つほど使えるが、魔法についてはさほど重視してはいない。

オリン #5−2〜

 八本指に所属している、(暗殺・密輸・窃盗・金融のいずれか)部門の長。幹部の中では最も肉体能力に長けている。他の幹部たち同様にナザリックの洗礼を受けさせられ、病的なまでに痩せ細って固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている。

オルランド・カンパーノ #12−1〜

 聖王国に住んでいる兵士で、強さだけで先代聖王から九色の一色(色は不明)を与えられた班長。城壁で警邏を行う中隊を一つ任されており、主に昼番を務めている模様。太い首に厚い胸、筋骨隆々とした逞しい腕を持ち、発する声も含めて全身が分厚い。長年風雨に晒され続けた巌のような顔は、太い眉や無精髭のせいもあって野性味溢れるものだが、小動物的に小さく丸っこい目が違和感の塊で滑稽ささえ演出している。どこまでも我が道を突き進む性格で人から命令されるのを嫌い、強さを重んじて強者とみるとどちらかが失神するまで戦いたがる悪癖がある。貴族や上官相手に暴力事件を頻発させて降格される事10回、九色でなければとうの昔に矯正もしくは追放されているところだが、そんな彼を尊敬する信奉者からは敬意を込めて班長閣下と呼ばれている。今の砦に配属後間もなくパベルと模擬戦を行うことになり、自分に有利なはずの近距離戦で見事に敗北。それまでは思い返すと恥ずかしいくらいに増長していたが、少なくともパベルには彼なりに礼儀を以て接するようになり、同時にいつかパベルに有利な遠距離戦での勝利を望むようになる。なおパベルの他にも勝てない人間は聖王国に数名(青のエンリケ、白のレメディオス、緑のラン、最高位神官ケラルト)いるが、いずれも聖王国でトップクラスの地位にいるので、軽々しく勝負を挑むわけにもいかず自制している。元々魔法や飛び道具の類は剣で捻じ伏せればいいと軽く考えていたが、パベルに負けた事や自分より明らかに強いガゼフが魔法詠唱者に討たれた事で、認識を改める必要を感じ武者修行のやり直しをしようと思い立つ(最初は魔導国に行こうと考えている)。彼の部下は歴戦の猛者と言えば聞こえはいいが、大なり小なり彼と似た気質の粗暴な者たちであり(徴兵された者だけでなく軍士も一定数いる)、愚連班というに相応しい独特なチームを形成している。人数がかなり多い上に腕もそれなりに立つので、上官たちは苦々しく思いながらも手を出せずにおり、一種の治外法権的な地位を築き上げている。彼の班は全員がランカー牛の皮を幾枚も重ね合わせた重装革鎧を着用し、小型の円形盾と片刃の剣を持っている(聖王国強兵の標準装備)が、彼だけは特殊技術を活かすため同じ剣を腰に八本佩いている。

ガーネット #3−4〜

 至高の四十一人の一人で、シズの製作者。通称・博士。九人の自殺点後続参加組の一人で、アインズ・ウール・ゴウンにおけるギミック考案担当者の一人。

カイジャリ #2−2〜 (声・真木駿一)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。奥手なンフィーレアとエンリを応援する一環で、エンリへの自己アピールの好機と判断したら、自分たちがポージングしてンフィーレアに合図を送る事を考案した。

カイレ #3−2〜

 法国でかなり高い地位にいると思われる、傾城傾国の使い手たる老婆。占星千里の予言を元にした法国の命で漆黒聖典に守られ出立するが、死を撒く剣団のアジト付近でシャルティアに遭遇。第一席次の判断でシャルティアに傾城傾国を使用するも、洗脳完了前に反撃されて瀕死の重傷を負う(低位の治癒魔法が効かない呪いで治療が出来ず、後に死亡した模様)。なお傾城傾国は妙齢の女性が身に付ける事を前提としているデザインなので、老婆がこれを着ている姿は正視に堪えない。

カインアベル #3−2〜

 ユグドラシルにおけるイベント・ボスの一体で、シャルティアの信仰対象でもある神祖。至高の四十一人にとっては雑魚だったらしい。なお倒した際のパーティーに始祖が参加していた場合に限り、カインアベルの後継<ザ・ワン>に転職できるカインアベルの血魂が手に入る。

ガガーラン #2−4〜 (声・斉藤貴美子)

 王都を拠点としているアダマンタイト級冒険者の戦士で、蒼の薔薇の一員。住居は王都。下土月2日生まれ。職業は騎士、エアライダー、傭兵など。趣味は筋肉トレーニング。筋肉の塊と言って差し支えない巨体を持ち、腕は丸太を思わせるほど太く、首は女性の両太腿を合わせたくらい太い。頭は四角で顎は横に広がり、瞳は肉食獣を彷彿とさせる。金髪は短く刈り上げられていて、機能性のみを重視している。胸板はこれ見よがしに盛り上がっているが、それは鍛えに鍛え切った大胸筋であり女性の胸とは思えない。人類の守り手という名目で罪も無い亜人や森妖精たちをも殺す、法国のやり口を嫌っている。初物食いが好きと公言している上、不思議とクライムを気に入っており、童貞と呼んでは挨拶代わりに性行為に誘う(冗談で言っているわけではないので、もし彼が了承したら即座に実行に移すのは確実である)。クライムには戦士として時々手解きもしているようで、彼女なりに色々とアドバイスをしている。ラキュースが家を出奔した時に彼女を助けた初期メンバーの片割れ(もう一人はリグリット)だが、本名も過去も一切不明で仲間にすら語ったことは無い。ただ内面から滲み出る包容力と義侠心により、絶対の信頼を勝ち得ている。八本指の施設襲撃時に運悪くエントマと遭遇し、人食いの化け物と知って見逃せずに開戦。後に合流したティアと共に追い詰められていくが、イビルアイが参戦した事で優劣が覆りエントマを追い詰める。しかし後一歩というところでヤルダバオトが現れ、エントマを逃がされた上にティアと共に焼き殺されてしまった。ラキュースに蘇生はされたもののレベルダウンしてしまい、王都での戦い終結後はレベルを元に戻すべく奮闘する。魔導国の王都侵攻が始まった際はラキュースの意志で徹底抗戦する流れになるが、内心では他の仲間たちと同じく抗戦には反対であり、協力してラキュースに魅了を施し遙か遠方の廃王都へと脱出した。巷では英雄と呼ばれるほどの強さを持つが、本当の意味では英雄の領域には到達できておらず、ガゼフにも勝てていない。主武装は鉄砕きと魔眼殺し(凝視殺し)で、フル装備時は更にケリュケイオンの小手・真紅の守護者・抵抗の上着・竜牙の魔除け・上位力のベルト・飛翔の靴・竜巻の頭飾りを加え、強大な魔法の力が宿る指輪も嵌める。全てが一級品のマジックアイテムであり、どれか一つでも目の玉が飛び出る程に高価。

ガゲズ #11−P〜

 フェオ・ジュラに住んでいる山小人で、国営坑道の鉱夫。優秀な人物らしく、班長の経験も豊富で人望がある。

鍛冶長 #3−3〜

 ナザリック地下大墳墓において、武器防具製作を取り仕切ると思われるNPC。あまのまひとつの徒弟という設定であり、ホニョペニョコ退治の証拠品となる傷付いたダミー用鎧を作った。

カジット・デイル・バダンテール #2−1〜 (声・稲葉実)

 アンデッドの扱いに長けた魔法詠唱者で、ズーラーノーン十二高弟の一人。推定40歳程度。頭部はおろか顔にも一切の体毛が無く、目は落ち窪んで顔色は死人のような土気色。全身が骨と皮ばかりで病的なまでに痩せており、纏っている血の色にも似たどす黒い赤のローブや、黄色に変色する程汚い爪も相俟って、人間というよりはアンデッドモンスターに似た風貌である。エ・ランテルの墓地の地下神殿を根城とし、死の螺旋を行うべく5年かけて準備を行ってきた。その目的は溢れ返る死の力を集めて自らを不死のアンデッドへと変化させ、病死した母親を蘇生させる魔法を開発する事(既存の信仰系魔法では母の体が生命力喪失に耐えられないため)。元はスレイン法国辺境の村に生まれ、村仕事で鍛えられた父親と穏やかな母親を持つ普通の子供だった。しかしある時(30年以上前)母親が脳血腫で死亡したのを、自分の帰宅が遅れて発見が遅くなったせいだと思い込み、蘇生できれば自分の過ちを正せると考えたのである。死の螺旋を逃走に利用したいクレマンティーヌに協力を持ち掛けられ、始動を前倒しにできるメリットを考慮して承諾、ンフィーレアの拉致に手を貸す。死の宝珠の補佐によりアンデッド支配などに特化した力を持っており、不死者創造で作成・支配できる最下級アンデッドは100体を超える。とはいえ個人戦闘力はさほど高くなく、少なくともクレマンティーヌには到底勝てない(アイテムを駆使しても勝率は3割)。ちなみにミドルネームは洗礼名だが、既に捨てたとして呼ばれる事を嫌う。メダリオン・カジットズマザー、ネックレス・オブ・レッサーアンデッドコントロールスタッフ・オブ・シャドウ、ポストクラウン・オブ・ネクロフォームといったマジックアイテムを所有・装備している。

餓食狐蟲王 #4−4〜

 ナザリック五大最悪の一柱・外見最悪で、蟲毒の大穴の守護を任されている領域守護者。巣が足りておらず、材料となる人間を欲している。請負人たちが墳墓調査の名目で侵入してきた時は、マーレの手で麻痺したヘッケランとイミーナが運び込まれ、彼の新居とされた。コキュートスと親しい交流を持つ内の一人。

火神 #7−4〜

 元ユグドラシルのプレイヤーで、六大神の一角。火属性を振られている。

カスポンド・ベサーレス #12−1〜

 聖王国の王族の一人で、カルカが信頼できる唯一の温厚なる王兄。下火月27日生まれ。住居はホバンスの王城。職業は司祭、賢人、上位貴族(一般)など。趣味は読書(特に歴史物)。バザーが管理していた収容所に囚われていた所をアインズを含む解放軍に救出され、以後は唯一残った王族として解放軍の指揮を執る。アンデッドであるアインズにも敬意をもって接するが、実は救出されたのは彼の姿を写した二重の影であり、敬意を示すのはナザリックのシモベとして当然の事である(それでもシモベとしては不十分らしいが、任務遂行中のため迂闊な真似はできない)。なお模写は完璧ではなく性格の変化を感じる者も多少いるが、生き地獄を味わった影響として周囲には説明されている。ヤルダバオト討伐後はデミウルゴスの計画通り聖王として即位し、聖王国をナザリックの支配下に置くため尽力する。ちなみに本物の彼は既に即死魔法で綺麗に殺されており(時期は不明)、遺体は安眠の屍衣により死亡直後の状態で保存されている。優秀ではあったが妹に劣る事は自覚していて、貴族社会で生きる知識を求めていた。血族での争いには消極的で妹に一歩譲っていたが(おかげでケラルトの恨みを買っていない)、妹の気質を知る者として不安を覚えてもいた。彼は必要があれば裏工作なども講じられるタイプなので、少なくともカルカよりは王に向いていた模様。

風海久美 #プロローグ 上〜

 リアルでぶくぶく茶釜が使用している、ペロロンチーノ曰くあまり普通じゃない方の芸名。ネームロンダリングしたものの彼女が一番好きな名前だったようで、昔のファンにはかぜっちと綽名を付けられており、当人もそれを気に入っていた模様。

ガゼフ・ストロノーフ #1−2〜 (声・白熊寛嗣)

 周辺国家にまで勇名を轟かせている、周辺国家最強との呼び声高い王国戦士長。年の頃は三十代で、誕生日は中土月21日。住居は王都。職業は戦士、傭兵、チャンピオン。趣味は貯金。南方からの血が流れている元傭兵で、屈強という言葉に相応しい体躯を持つ。短く切り揃えられた黒髪に日焼けした顔、鋭い剣の輝きを宿す黒い瞳をしている。立場的には王派閥だが平民出身であり、王国貴族(大貴族派閥は勿論、王派閥の貴族も含む)からはかなり嫌われているが、貴族以外からの評価は国内外問わず非常に高い。私心無く王に絶対的な忠誠を誓っている側近(王の懐刀、王の剣といわれるほど)で、国民を救うためなら命を投げ出す事も厭わない。特権階級にありながらも礼儀をきちんと弁えていて、部下たちからの信頼も厚い好人物。本来なら騎士位を与えられていてもおかしくないのだが、反対意見が多かったせいでそれは叶わず王が新たに戦士長という地位を用意した(故に彼の部下たちは戦士と呼ばれるようになる)。レエブン侯からも高評価を得ているが(貴族社会に積極的に関わろうとしない面についてだけは腹立たしく思われている)、彼の方はレエブン侯を表面的にしか見ておらず、二つの派閥を飛び回る蝙蝠として忌み嫌っている(後に誤解と分かり謝罪して和解する)。住居の館は多少金銭的に余裕のある市民が住む程度の規模だが、独身で手伝いの老夫婦と共に住むには十分。料理は全くできないので老婦に任せきりだが、薄味の健康食ばかり出されるので少々不満気味。エ・ランテル最外周部の城壁塔は彼のお気に入りの場所であり、見える景色は絶好でかなり遠くまで見渡せる。彼が思い付く人目を気にせずに済む場所は、ここを除けば王都の静かに飲める店くらいしか無い。王の命令で国境で目撃された帝国騎士たちの発見及び討伐に出向くが、全ては彼の抹殺を目論む法国と王国貴族派閥の罠であり、カルネ村を訪れたタイミングで陽光聖典の襲撃に遭う。村を守るべく戦うも装備が不完全で到底敵わず、死に掛けたところをアインズに救われる形となる。アインズとは互いに立場を超えた敬意と尊敬を抱く間柄となり、彼が王都に来た際は歓迎する旨を通達して別れた。王都に帰還後しばらくして絶望したブレインを拾い、彼が立ち直った後は酒を酌み交わして親交を深める。シャルティアの情報を得て調査を始めていたようだが、結局それが実を結ぶことは無かった。自分と同じく平民であるクライムの事を気に掛けており、一度稽古の名目で戦い方を教授している。ヤルダバオトの王都襲撃時は、当初こそ王を守る役目があって城から動けなかったが、王自ら戦場へ出向いた事で部下とともに参戦し蒼の薔薇と共闘した。かつて王国の御前試合でブレインを破り優勝した実績の持ち主(ブレインの事は今でもライバルだと思っている)で、剣の腕のみで今の地位に昇り詰めた英雄級(正確には英雄の一歩手前)の実力者。近距離戦闘に特化した武技を修めており(通常時では六つ、切り札を使った際は七つもの武技を同時発動可能)、帝国騎士100人を相手にしても勝てるといわれる王国最強の戦士。アダマンタイト級冒険者をも超えるとされるほどで、ローファンから(無理矢理に)座学や剣技を叩き込まれた事もあり、名実ともに王国の切り札と呼ぶべき存在。更には王国に伝わる五宝物の内、現存する四宝物(活力の小手、不滅の護符、守護の鎧、剃刀の刃)全ての装備を許されている。ちなみに左手薬指に嵌めている指輪は、結婚指輪ではなくかつてリグリットから譲られたマジックアイテムである。

破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード) #1−4〜

 法国が復活を危惧している、災厄の竜王とも呼ばれる竜王。占星千里が復活を予言したというが、詳細は不明。始原の魔法は使えないらしい。

カルカ・ベサーレス #12−1〜

 先代聖王と神殿から推されて即位した、聖王国を治めている清廉の聖王女。中火月26日生まれ。住居はホバンスの王城。カルマ値は高め。職業は神官、ハイプリエステス、ホーリークィーンなど。趣味は美容全般。本来は継承順位が低い上に女性という事で実質聖王候補から外れていたが、ローブルの至宝と称される美貌と15歳で第四位階魔法を習得した才能が認められ即位に至った。愛らしさと凛々しさを兼ね備えた花の顔に、天使の輪と見紛う艶やか且つ鮮やかな光沢を湛えた金糸のような長髪を持ち、柔らかに微笑む姿を見て聖女と表現する者も多い。戦場で被る兜は前面が開いており、その美貌を見せつけることで兵士たちの士気を上げている。「弱き民に幸せを、誰も泣かない国を」を信念とする真面目で善良な性格だが、王としては優しすぎるきらいがあり(綺麗過ぎて八方美人な所がジルクニフに嫌われている)火種も燻っているものの、現状では失策らしい失策もなく統治できている。それにはカストディオの天才姉妹・両翼などと称される側近二人の功績も大きいが、彼女が聖王になれたのは二人が手を回したからだという悪評も残念ながら存在する。特に聖王国南部ではそれが顕著で、彼女の即位に反発する貴族が多数派を占めている。おまけに三人とも未婚で異性との付き合いも無いので、ただならぬ関係だという噂が絶えずどれだけ否定しても根絶できずにいる。聖王国に生きる者の共通認識として亜人種への偏見は多少なりともあるが、カストディオ姉妹を始め偏見の酷過ぎる周囲の人間たちを日々見ている事で、彼女自身の偏見はある程度抑えられたものとなっている。しかしその度を越えた偏見を諫めようとまではしなかった事が戦乱を長引かせる一因になっており、結果として人間と争う気の無い亜人種まで巻き込む羽目になっている。幼い頃から聖王の座を争う兄弟たち(カスポンドを除く)の醜態を見せられて育ち、否応無しに自分もその渦中に巻き込まれていた。しかし歴代聖王の中でも上位に位置する魔法を習得したことで自信が付き、聖王位を諦めても良いと思えるようになって醜悪な呪縛から解放された経緯がある。故に疑心暗鬼・嫉妬・恐怖といったものと無縁なレメディオスの存在は、彼女にとって大きな救いとなっている。なお心中では結婚相手を早く掴まえたくて焦っており、肌年齢を維持し少しでも見目を良くしようと、信仰系の魔法を新しく作ってまでスキンケアを行っている。その自身を実験台としたノウハウの蓄積により、人間の国では最高峰と言える美容系技術を持っているが、公言していないのでそれを知る者は皆無。ちなみに結婚相手に望む条件は、糸の一切付いていない、彼女自身を愛してくれる事。

ガルガンチュア #1−2〜

 ナザリック地下大墳墓第四階層の守護者を任されている、超巨大な二足二腕の戦略級攻城ゴーレム。身長は30mを超えるが、腕も足も太くずんぐりとした可愛らしい体型をしている。分厚い胸の岩盤からは、まるで心臓の鼓動のように赤い光が漏れている。ユグドラシルというゲームのルール上に元々存在していたもので、ギルドメンバーが作ったNPCではないため自我は無い。本来はゴーレム騎兵団と戦わせる目的で制作されたという設定らしいが、ゲーム内では拠点攻略戦でしか使用できないという制限があった。異世界転移後でもその巨体と破壊力故にナザリック内での運用には適さず、地底湖の底に沈められ保管されていて、屋外での戦闘など必要時にのみ起動される。シャルティアをも上回る戦闘ステータスを持ち、単純な攻撃力・防御力では守護者最強クラス。

ガルバン #13−4〜

 聖王国に住んでいる聖騎士で、聖騎士団の一員。最近結婚したばかりだが、亜人連合軍の襲撃以後妻が行方知れずになってしまっている。ロイツの西門にて亜人たちとの戦いに挑むも、全く歯が立たず殺された。

キーノ・ファスリス・インベルン #1−5〜 (声・花守ゆみり)

 王都を拠点としているアダマンタイト級冒険者の魔法詠唱者で、蒼の薔薇の一員。青色41日生まれ。住居は王都。職業は吸血姫、妖術師、エレメンタリスト(アース)など。趣味は魔法開発や実験。たった一人で国を滅ぼした事もあり、伝説級の化け物・国堕としと呼ばれている元人間の吸血鬼王侯。言い伝えでは十三英雄に滅ぼされたことになっているが、実際は十三英雄と轡を並べて魔神と戦った英雄。しかし法国にとっては看過できない存在で、今でも命を狙われているという。それ故か普段はイビルアイという通称を名乗っており(転移後世界の翻訳による弊害であり、正しくは邪眼を意味するラージア・エレ)、本名は一部(リグリットやツアー)を除いて誰も知らない。小柄な全身を漆黒のローブで覆い、額部分に朱の宝石を嵌め込んだ異様な仮面を被っている。12歳程度で吸血鬼化して不老となり(生まれながらの異能を使い、キュアイーリムが操る始原の魔法を行使したことによる)、250年以上という長い時を過ごしてきたせいか、客観的且つ老獪な物の見方をする。時には冷酷ともいえる法国の所業を、人間という種族から見れば正しいと考えている。ほぼ同じくらいの歳のリグリットとは今でも交流があり、彼女には泣き虫だの嬢ちゃんだのと呼ばれている。リグリットが蒼の薔薇を抜ける際、勝負に負けたら代わりに入るという約束をして見事に敗北(古い仲間を殺したくなかった、舐めていた等という理由から全力ではなかったらしい)、渋々ながらも入れ替わりで蒼の薔薇に入った。八本指の施設襲撃時には、エントマに苦戦するガガーランとティアを見つけて参戦。その際にエントマを無自覚に侮辱し怒らせるが、実力と相性の良さもあってエントマを追い詰める。しかし止めを刺す寸前にヤルダバオトが現れ、ガガーランとティアを殺された上に圧倒的な実力差で絶望しかけるも、モモンの乱入により辛くも事なきを得る。以降はモモンの強さにすっかり惚れ込んでしまい、戦友としての絆で結ばれた運命の相手だと思い込む。だが実際はエントマを殺しかけた事で憤怒を買っており(すぐに殺されなかったのは、単にラキュースと面識を持つコネを潰したくなかっただけに過ぎない)、後にエントマの望みをアインズが了承している点から見ても、彼女が思い描くような関係になれる可能性は皆無である。魔導国の王都侵攻が始まった際はラキュースの意志で徹底抗戦する流れになるが、内心では他の仲間たちと同じく抗戦には反対であり、協力してラキュースに魅了を施し遙か遠方の廃王都へと脱出した。フル装備時は一目で超が付くと分かる逸品で身を飾り、伝説に恥じない戦闘力を発揮する(難度に換算すると150超)。仲間内で極大級魔力系魔法詠唱者とまで称される彼女の魔法は、大地属性の中でも水晶に特化限定しており純粋な物理攻撃に長けている。なおアンデッドとしての気配は指輪の効果で隠蔽しており、彼女の正体を知る者は少ない。ちなみに絵心は全く無く、子供の落書きの域を出ない。

キーリストラン=デンシュシュア #11−5〜

 フェオ・ベルカナの王城に居座っている霜の竜で、オラサーダルクの妻の一人。家族の中で唯一、第一位階とはいえ信仰系魔法を扱える。捻くれた性格をしているが、オラサーダルクはそこが気に入っているらしい。ヘジンマールを含め四人の子を産んでいて、その全員が100年以上を生きている。夫がアインズに瞬殺されたのを目の当たりにして即時降伏、後にシャルティアの配下として物資運搬の仕事に就く。

キュアイーリム=ロスマルヴァー #4−幕間〜

 朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)の二つ名を持つ、アンデッドの竜王。既に滅びているらしいが、詳細不明。始原の魔法の使い手。

キュウメイ #2−3〜 (声・江越彬紀)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された小鬼兵士の一人で、小鬼の騎兵の一人。レベル10。カルネ村周辺の草原を走り回り、早期警戒を行う任に就いている。トブの大森林方面の警戒を行っていた際、森の奥で何か(アインズによるグの討伐と思われる)が起こった事を察知し村に報告した。毛皮付きの皮鎧と槍で武装している。

キュクー・ズーズー #4−3〜 (声・浅科准平)

 鋭き尻尾の族長を務めている、超が付くほどの聡明さで有名な蜥蜴人。白竜の骨鎧を着ているのでかなりの知力を奪われているが、それでも言葉が少々たどたどしい程度で、頭脳の回転力は保持している。コキュートスとの戦いで死亡したものの、後にアインズによって蘇生された。その際に鎧がどうなったのかは不明だが、呪いは解けたようで元の聡明さを取り戻している。

恐怖公 #1−2〜 (声・神谷浩史)

 ナザリック五大最悪の一柱・拠点(住居)最悪で、黒棺の守護を任されている領域守護者。住居はナザリック地下大墳墓第二階層黒棺。属性は中立、カルマ値は−10。総合レベル30で、内訳は種族レベルが取得総計12(昆虫の森祭司:10など)、職業レベルが取得総計18(ハイ・ドルイド:5、召喚士:3、蟲使い:2、ミニマム(課金):3など)。公爵位を持っており、コキュートスの盟友の一人でもある。体長30cmほどの二本脚で直立するオスのゴキブリで、頭部が人間と同じように前を向く奇怪な姿をしている。豪華な金糸で縁取られた鮮やかな真紅のマントを羽織り、頭には黄金に輝く王冠をちょこんと乗せて、先端部に純白の宝石を嵌め込んだ王笏を持っている。一人称は「我輩」で、紳士的な口調で話し貴族然とした振る舞いをする。黒棺に犇めくゴキブリは全て彼が召喚した眷属であり、同属の召喚能力にはかなり長けている。ヒルマを始めとする八本指の首脳陣に対し、眷属に体内から食わせるという悍ましい洗礼を行った。請負人たちが墳墓調査の名目で侵入してきた時は、転移されてきたヘビーマッシャーの二人(グリンガムと盗賊)を眷属たちの餌とした。

グ #8−1〜 (声・松山鷹志)

 トブの大森林の東部を支配している三大の一体で、東の巨人と称されるウォー・トロール。配下に人食い大鬼や妖巨人の群れ(人食い大鬼が11体、妖巨人が6体確認されている)を従え、枯れ木の森を抜けた先の洞窟に棲んでいて、中は清潔感とは無縁で獣脂や腐敗などの悪臭が満ちている。鋼の如く鍛えられた強靭な肉体を持ち、ハムスケと同程度の実力を備えているが、傲慢な性格で知能は低い。滅びの建物を邪魔に思い(自分たちも真似ようとしてみたものの、無意味な森林破壊にしかならなかった模様)攻め込もうとするが、リュラリュースに止められて渋々ながらも思い留まり共闘を承諾。使い捨ての兵士を増やすべく森中からの強制連行を開始するも、それが災いし彼らの情報が紆余曲折を経てアインズに伝わってしまう結果となる。交渉の体で現れたアインズの実力を全く見抜けず、無謀な決闘を挑んで遊ばれた挙句に死亡。死体は動死体にされてルプスレギナへの試験に利用されたが、生前に比べて身体能力は大きく衰え再生能力も失われていた。負傷させた相手の筋力を低下させる効果があるグレートソードを愛用しており、何枚もの動物の皮を集めて作ったらしき革鎧を着用している。

クアイエッセ・ハゼイア・クインティア #14−3〜

 漆黒聖典の第五席次で、一人師団と称される魔獣使い。10本の指それぞれに指輪をしていて、柔和な雰囲気を纏っている優男。かつては妹クレマンティーヌと並び称され、クインティアの片割れと呼ばれていた。魔導国の王国侵攻が始まった際、王国の有力な冒険者たちをスカウトする命令を受け、第十席次・第十一席次・第十二席次を伴って王国を訪れる。具体的な戦闘能力は不明だが、ラキュースが見ただけで届かないと感じる程の凄味を持っている。

クアドラシル #2−3〜

 アウラが使役しているイツァムナーで、フェンと並ぶアウラのお気に入り。レベル80。なおアウラの特殊技術による強化を受けると、レベル90相当の強さになる。

クーデリカ #7−1〜 (声・木野日菜)

 アルシェの妹で、ウレイリカとは双子の姉妹。5歳ほどで、身長は100cm未満。姉によく似た面持ちで、将来の大花を容易に想像できる。両親の事をどう思っているかは不明だが、アルシェの事は大好きで心から慕っている。なお家が抱える事情についてはよく分かっておらず、アルシェと一緒に引っ越すのがどういう事なのかも深く考えていない。大好きな姉とずっと一緒にいられるようになる、大事なのはその一点のみである。

クウネル #2−2〜 (声・手塚ヒロミチ)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

グーリンダイ #2−2〜 (声・矢野正明)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された小鬼兵士の一人で、小鬼の弓兵の一人。レベル10。

グスターボ・モンタニェス #12−1〜

 聖王国に住んでいる聖騎士で、聖騎士団の副団長。誕生日は下風月27日。住居はホバンス一等地。職業は聖騎士、ホーリーナイト、カリスマ(一般)など。趣味は小動物を愛でる事。剣の腕は凡庸(といっても一般人では到底勝てない)だがそれ以外では非常に優秀で、指揮能力にも優れ解放軍では副団長と兼任で雑務の責任者も務めている。イサンドロ同様、頭の弱いレメディオスのフォローに苦労している。おかげで胃痛に慣れてしまっているが、魔法で簡単に癒える事の感動を知ってからは信仰系魔法を習得したいと思っている。バーニアというリスのような兎のような可愛いペットを2匹飼っており(名前はミルシェーとアモンナ)、それらを放し飼いにするために現在の住居を購入した。双方とも日々の疲れた心を安らげてくれる、非常に大切な存在である。ヤルダバオトが倒された後は、別部署へ配属となったレメディオスに代わり団長となる。

ク・ドゥ・グラース #8−2〜

 至高の四十一人の一人で、一般メイド41人の製作者の一人。

クファンテラ=アーゴロス #11−5〜

 死者の山に潜んでいるといわれる、伝説級のアンデッドドラゴン。精神系魔法を行使するという。

クライム #3−幕間〜 (声・逢坂良太)

 死を待つばかりだった幼少時にラナーに拾われ、そのまま彼女の側近の王国兵士となった天涯孤独の元貧民。誕生日は不明(ラナーに拾われた日)。住居はロ・レンテ城、職業は戦士とガーディアン。趣味は英雄譚集め。少年と青年のちょうど境目のような風体で、日に焼けた顔に吊り上がった三白眼と太い眉を持つ。金髪を短く切り揃えているのは動き易さを重視した結果であり、戦闘時に掴まれる愚を防ぐ意味もある。訓練のし過ぎが声帯に影響したのか、年齢に合わずしわがれた声をしている。常に鋼の如き意志が烈火の如く湧き上がっており、非常に重い空気を周囲に漂わせている。それは己の弱みや主であるラナーを貶める素振りを周囲に見せないよう、常に気を張っているからである。非番中に王都を散策していた際、セバスの神業を目撃して接触。必死に教えを請うた結果、死の恐怖を乗り越える「稽古」を課されるも、ラナーへの想いを糧にギリギリで乗り越えることに成功。直後に現れたブレインに聞かれて耐え切れた理由を話し、二人から精神力の強さを認められる。以後も成り行きで二人と2度ほど行動を共にし、セバスが行ったコッコドール経営の娼館潰しと六腕の壊滅に立ち会う(娼館ではサキュロントと戦って瀕死の重傷を負うも、後の再戦で雪辱を果たした)。ヤルダバオトの王都襲撃時はブレインやロックマイヤーと共に臣民の救出に向かい、一つの倉庫に押し込まれていた300人ほどを助け出す。ところが感謝されるどころか怒りの捌け口にされてしまい、あまりの事にさすがの彼も理不尽さを感じている。大虐殺の際にはガゼフとアインズの一騎打ちに立ち合い、ブレインと共にガゼフの死を見届ける。ガゼフの真意が分からず苦悩するブレインに対し、少しでも魔導王の手の内を暴き後を託そうとしたのではないかと説明した。魔導国の王都侵攻が始まった際もずっとラナーの傍に付いていたが、蒼の薔薇やブレインと別れた後、王国の財産を王都の倉庫街に存在する秘密の地下室に隠す命を受ける。仕事を済ませ急いでロ・レンテ城に戻るとランポッサV世が事切れており、傍に返り血を浴びてへたり込むラナーを発見。周囲にはアインズたちが揃っており、ラナーが彼らに操られて父王を斬ったと解釈する。落ちていた剃刀の刃を手にするとアインズから一騎打ちを提案されるが、当然ながら掠り傷も付けられずに殺されてしまう。彼は知る由も無かったがこの流れは全てラナーの筋書き通りであり、この芝居を以てラナーがアインズに服従を誓う理由付けが為され、それを代価に彼の蘇生が行われたという事になった。そして己の全てをラナーに捧げている彼は、共に悪魔になり魔導王に服従してほしいというラナーの願いを迷いなく受け入れる事となる。忠犬のごとく直向きな性格で、強くなることに非常に貪欲。命の恩人でもあるラナーへの忠誠心は非常に強固で、彼女のためならいつ命を投げ捨てても構わないほど(もはや信仰に近いが、彼女の本性には気付いていない)。一方でラナーへの強い恋心を自覚してもいるが、様々な理由から決して表に出さないよう封印している。王国最高の美女の横に控えている事で多くのやっかみを受けており、庶民以下の出身とも相まって友人の類は皆無。彼の立場は王派閥にとっても貴族派閥にとっても扱いに困る厄介なものであり、故にラナーの意志もさることながら隔離の意味も込めてロ・レンテ城に個室を与えられている。ただラナーが懇意にしている蒼の薔薇とはそれなりに親しく、自身の努力を認めてくれているガゼフやガガーランには尊敬の念を抱いている。剣の才能も魔法の才能も無く、身体的にも恵まれた特徴は無いが、ありとあらゆる努力をして王国兵士の中でも上位に入る実力者(冒険者で言えば金ランク)。彼の剣筋は誰かから教わったものではなく、訓練中の者たちを盗み見て得た自己流のものだが、それ故に一刀一刀にどういう意味があるのかを考えながら培っており、結果として実戦を重視した殺人剣とでも言うべきものに仕上がっている。またガガーランの教えで徹底的に磨いた上段からの一撃は、異常ともいえる領域にまで到達した。後にブレインと知り合ってからは、セバスの薦めもあって彼に師事し様々なことを教わっている。武器はごく普通のブロードソードだが、防具は一般的な盾とラナーから送られた大切な純白の全身鎧。ちなみに、寝付きと寝起きの良さは彼の自慢の一つである。

グラネロ #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる、伯爵位を持つ貴族。カリンシャ奪還が行われた後、5万の軍勢を率いてカスポンドの下に馳せ参じる。魔法的な知識に長けている。

グラント #1−2〜

 階層守護者に次ぐ高いレベルを持つ蜘蛛で、聖母と呼ばれている領域守護者。ナザリック内に幾つかの巣(守護領域)を持っており、それが第三階層や第六階層など複数の階層にある珍しい存在。なお巣の一つは源次郎が手ずから作ったらしいが、詳細は不明。巣は時々エントマに貸し与えており、エントマにとって事実上の別宅のようなものになっている。アルシェの死体の分配に参加し、頭・腕・皮膚を除く部分を子供たちの餌とした。コキュートスと親しい交流を持つ内の一人。

クリストフェル・オルソン #14−1〜

 八本指の密輸部門に所属する、王都から王国西方に掛けてそれなりの販路と力を持つ商人。40歳。八本指と関わる前は小さな商いを繰り返すだけの小物だったが、組織の力で大きな成功を収め成り上がった。ヤルダバオト襲撃の際に倉庫から多くの物を奪われた一人で、所属する密輸部門から一部の資金を借り入れて損失の回収に充てる事になった。その際に何故か最高幹部連と面会することになり、密輸部門所属の警備兵たちと共に魔導国の食料運搬を一任される。直接的な暴力沙汰とは無縁の人生を歩んできており、首や胴回りに十分な脂肪を蓄え太ってしまっていて身体能力は皆無。妻子の詳細は不明だが、将来的には子供たちに自身の商会を継がせる予定らしい。ちなみに親も商人であり、農作業に関する知識は持っていない。

グリンガム #7−1〜 (声・間宮康弘)

 帝国を拠点としている請負人の戦士で、ヘビーマッシャーのリーダー。管理運営能力に秀でており、13人ものメンバーを巧く纏め上げている。元は王国の農夫の三男坊で、兄二人と違い家では邪魔者でしかなく、食い扶持を求めて都市に出た。幸い肉体能力や友に恵まれ大成はしたが、教養や礼儀作法は全く身に付いていないので、侮られないよう尊大に聞こえる言葉遣いを意識して使っている。いちいち切り替えるのが面倒なので、周囲に仲間しかいない仕事中でもそれを心掛けているが、平静さを失うと思わず素の口調で喋ってしまう事がある。元は兄たちを見返すという一念で動いていたが、今や悠々自適の生活を送れるくらいの貯蓄があり、高まった名声のおかげで女にも不自由していない。もはや力でも財力でも兄たちに勝る、人生の勝利者になったと自負してすらいる。ヘッケランとは旧知の仲であり、素の口調で話せる程度には親しい。鋼色の全身鎧を着用しているが、全体的に丸みがあって肩の部分がやたらと大きいため、直立するカブトムシのような甲虫に近い外見である(前の空いた兜の額部分から角が出ているので、本人も狙ってやっているのは明白)。ただ足が短くて子供が無理矢理立たせたカブトムシのように見え、良く言えば山小人のようで戦士に向いた体格と言えなくもない。ガゼフとブレインが出場していた御前試合に彼も出ていたが、準々決勝でブレインに完敗したらしい。武器は斧で、範囲攻撃型の武技は保有していない。

クルシュ・ルールー #4−2〜 (声・雨宮天)

 朱の瞳の族長代理を務めている、白鱗の美女の蜥蜴人。住居は朱の瞳の家屋の一つ。属性は中立、カルマ値は50。総合レベルは17で、内訳は種族レベルが取得総計1(蜥蜴人覚醒古種:1)、職業レベルが取得総計16(森祭司:8、スピリット・シャーマン:5、召喚士:2、ドラゴニック・アデプト:1)。いわゆるアルビノであり、くすみの無い無垢で雪のように白い鱗と、紅玉の輝きを宿したような円らな真紅の瞳を持つ。全身に成人・多種の魔法習熟・未婚を示す赤と黒の紋様を描いている。かつて食料を巡る争いが起きていた頃、当時の族長に賛同者を率いて反旗を翻し死に追いやった事があるが、族長の真意を悟って長く罪の意識に苛まれ続けていた。しかし全てを聞いたザリュースに優しく諭された事で救われ、開口一番で求婚してきた彼の気持ちに応えたいと思うようになる。以降は常にザリュースたちと行動を共にし、イグヴァとの戦いでは勝利に大いに貢献した。ザリュースたちがコキュートスに殺された後、事前に取り決めてあったように全部族を取り纏めナザリックに忠誠を誓う。そしてアインズからの提案でザリュースを蘇生してもらう代わりに、蜥蜴人から裏切者が出ないよう監視する役目を言い渡される。後にザリュースと結婚して子供もでき、幸せな家庭を築いている模様。基本的に日光に当たるのは辛いため、外出時には草の塊(短冊状の布や糸を多数縫い付けて垂らした服で、所々から雑草が生えている)を被る。物心ついてすぐに祭司の道を歩み始めただけあって、森祭司としては練達の腕を持ち、その実力は蜥蜴人全部族のどの祭司頭よりも上。

クレマンティーヌ #2−1〜 (声・悠木碧)

 元漆黒聖典の第九席次・疾風走破で、ズーラーノーン十二高弟の一人。20代後半。短い金髪で整った顔立ちだが、その愛らしさは猫科の動物じみたものであり、瞬時に肉食獣へと変貌する危険性が滲んでいる。理由は不明だが漆黒聖典からの脱走時に、闇の巫女姫から叡者の額冠を奪ったせいで風花聖典の追撃を受けている。そこでカジットの起こす死の螺旋に紛れて逃げる算段を立て、額冠を手土産に協力を持ち掛ける。額冠は本来適合者にしか扱えないが、生まれながらの才能でその制限を無視できるンフィーレアに使わせるべく、薬草採取から帰ったところを奇襲・拉致した。かつては兄クアイエッセと並び称されクインティアの片割れと呼ばれていたらしいが、今はそう呼ばれる事を好まない模様。漆黒聖典を抜けた理由、ズーラーノーンに入った時期や動機などは一切不明。ただ人を殺すのが好きな淫楽殺人狂で、拷問も同じくらい大好きという人格破綻者だが、そうなった原因は判然としない(仕事で人を殺し続けたから、優秀な兄と比較されたから、親の愛情が兄にばかり向いていたから、弱かった頃に輪姦されたから、友人が目前で死んだから、ミスして捕まり熱された洋梨等で数日間拷問されたから等と列挙するも、直後に自身で嘘だと否定している)。なお殺した相手が冒険者の場合は、プレートを剥ぎ盗って自身の軽装鎧に狩猟戦利品としてぶら下げている。ミスリル製の刃をオリハルコンでコーティングした、魔法蓄積が付与された4本のスティレットを武器としている。本来であれば攻撃方法のバリエーションが少なく使い勝手の悪い武器だが、刺突による一撃必殺に特化した能力を会得し器用に使いこなす。ほかにもモーニングスターを持ってはいるが、こちらは主に拷問に使うものと思われる。天賦の才を持つ英雄級の達人で、武技を使った疾走速度はアインズをも驚かせるほど。ちなみに十二高弟の中で彼女に勝てるのは3人だけ(カジットは含まれない)で、十二高弟以外で彼女とまともに戦えるのは5人だけ(ガゼフ、ガガーラン、ルイセンベルグ、ブレイン、ヴェスチャー)らしい。

クレルヴォ・パランタイネン #10−3〜

 腐狼の異名を持つ剣闘士で、七代目武王。八代目であるゴ・ギンと戦ったことがあり、それまでで最高の相手だったと評されている。

紅蓮 #1−2〜

 ナザリック地下大墳墓におけるNPCの一人で、第七階層で溶岩流の領域守護者を務めている超巨大奈落スライム。レベル90。呼吸不要なので普段は溶岩流にその巨体を潜め、油断した相手を触腕で引きずり込み有利な戦場で戦うスタイルを得意とする。戦いに最適化されていて単純な戦闘力では最上位に入り、一部の階層守護者とも互角に渡り合えるほど。常時発動型特殊技術である炎のオーラは自身で制御できないらしく、普通に移動するだけでも周囲に甚大な被害を及ぼしてしまう。デミウルゴスが不在の間は代理を任される存在であり、その際は第七階層の転移門付近に潜む。魔導国が王国を滅ぼした際、王宮の外観のみ残して王都を焼き尽くす命を受ける。

ケイラ・ノ・セーデシュテーン #10−3〜

 帝国を拠点としているアダマンタイト級冒険者のシカケニンで、銀糸鳥の一員。あまり良くない場所の出身で、バジウッドの故郷よりも更に下層らしく言葉遣いも粗い。頭を丸刈りにした小柄な体格で、笑みを浮かべてはいても瞳は笑っていない。暗雲と称されチームの耳目としての役目を担っているほか、ティラに並ぶ実力を持つと豪語している。

ケラルト・カストディオ #12−1〜

 聖王女の両翼の一人で、神官団団長を務める聖王国最高位神官にして神殿の最高司祭。上水月11日生まれ。住居はホバンス一等地の実家。カルマ値は聖王女や姉よりは低め。職業は神官、ハイ・クレリック、教皇など。趣味は人間観察(良い意味でも悪い意味でも)。オルランドが勝てないと見ている人物の一人で、レメディオスの二つ下の妹。細く艶やかな茶髪(ネイアには輝く金髪に、藍蛆には薄い黒に見えた)で姉によく似た顔立ちではあるものの、目尻の向きや口角の形といった僅かな違いが悪巧みしている腹黒の雰囲気を醸し出している。親友であるカルカと家族を何よりも大切にしており、それらに敵対した者には苛烈で無慈悲な報復を行うなど、場合によっては姉よりも好戦的になる聖王国最恐の女性。基本的には微笑んで許しを与えているように見えても、それはあくまで演技に過ぎない外面如菩薩内心如夜叉である。故に無能で唾棄すべき王族やカルカに敵対する貴族を追い落とす事に熱心で、チャンスを虎視眈々と狙っている。周辺国家最高峰の神官でラキュースをも凌ぐ力量を持ち、信仰系第五位階魔法まで習得した英雄の領域に立つ天才だが、公的には第四位階までとされている(真実を知るのは親しい者のみ)。本来なら九色に入っていて当然なのだが、神殿勢力との権力バランスを鑑みた政治的配慮により見送られている。

源次郎 #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、エントマの製作者。九人の自殺点後続参加組の一人。宝物殿の収蔵品を用途ごとに整頓した人物だが、実際に整頓好きかというとそうでもないらしい。その証拠に宝物殿中央部の金貨や宝物の山は手付かずで放置されているし、リアルでの自室を汚部屋と呼んで憚らなかったという。

コーエン #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる、伯爵位を持つ貴族。カリンシャ奪還が行われた後、5万の軍勢を率いてカスポンドの下に馳せ参じる。ボディポ侯爵のお気に入りで、かなり目を掛けられている優秀な人物。ただそれ故に侯爵からは警戒もされており、彼の家には何人か侯爵の間者が潜り込んでいる。目的のためには手段を選ばない男で、必要とあれば亜人をコマとする事も辞さない。

コキュートス #1−2〜 (声・三宅健太)

 ナザリック地下大墳墓第五階層守護者を務めるNPCで、凍河の支配者と呼ばれる蟲王。身長250cm(尾を除く)。製作者は武人建御雷、住居はナザリック地下大墳墓第五階層大白球。属性は中立、カルマ値は50。総合レベルは100で、内訳は種族レベルが取得総計30(昆虫の戦士:10、蟲王:10など)、職業レベルが取得総計70(剣聖:10、阿修羅:5、ナイト・オブ・ニヴルヘイム:5など)。フロスト・オーラを常時周囲に放つ二足歩行の昆虫を思わせる姿をしており、悪魔が歪めきった蟷螂と蟻の融合体のような顔立ちをしている。身長の倍以上はある逞しい尾からは、氷柱のような鋭いスパイクが無数に飛び出しており、肩口や背中の辺りには氷山のような盛り上がりもある。ライトブルーの硬質な外骨格は肉体武装の外皮鎧であり、冷気を纏ってダイヤモンドダストのごとく煌めき、炎への絶対耐性を持つ(熱そのものは苦手らしい)。様々な武器を扱える鋭い鉤爪を備えた四本の腕を持つほか、人の腕など簡単に断ち切れそうな左右に開閉する力強い下顎がある。注入毒を分泌する事も可能だが、これは人間でいうところの唾のようなものらしい。人間とは発声器官が違うためか、言葉を話す際は歪んだ硬質な声となる。長らくナザリック内の警護のみで新たな任務が与えられず、手柄を上げていく同僚の守護者たちを羨んでいたが、遂にアルベド発案の蜥蜴人殲滅作戦で指揮官を任される。意気揚々と転移後世界における初任務に挑むも、蜥蜴人たちへの侮りと情報不足で敗北を喫する。その際ザリュースたちの戦闘に戦士の輝きを見出し、彼らの助命をアインズに直訴。デミウルゴスの助け舟もあり、恐怖なき統治のモデルケースとする形で承認された。ナザリックの武威が蜥蜴人たちに最高の形で見せつけられた後、自身が出向いてザリュースたちを完膚なきまでに打ち破り、以後は忠誠を誓った蜥蜴人たちの統治者として経験を積んでいく事となる。この一連の流れはアインズたちにも成長の可能性があることを証明し、今後のナザリックの展望に希望を灯す先駆けとなった。以降はそのまま蜥蜴人たちの村を含む湖一帯の管理を任され、時折村で行っている政策や状況などを記した報告書を、蜥蜴人の使者に持たせる形でアインズに提出しており、報連相の基本を忠実に守っている様子。魔導国建国後はアンデッドをメインとしつつ、多様な亜人種や少数ながら人間をも組み入れた魔導国軍を組織、その運営・管理・訓練を一手に担っている。王都侵攻時にはマーレと組んで王国軍を一掃した後、ロ・レンテ城を陥落させる役目を担う。ロ・レンテ城へ向かう際に立ち塞がっていたブレインを一騎打ちで一蹴するが、戦士としての覚悟に敬意を表し雪女郎に死体を氷漬けにさせ、彼がいた道は進まず迂回して別の道からロ・レンテ城へと向かった。性格もコンセプトデザインも生粋の武人として設定されており、いついかなる時でもアインズの役に立てるよう鍛錬を欠かさないほか、例え格下でも勇敢な戦士には敬意を表する。また主の子の養育というものに憧れを抱く一面もあり、デミウルゴスからアインズの子という例え話を聞かされた際は、爺として仕える様々な光景を幻視し陶酔するほどである。正反対の性格であるデミウルゴスと何故か仲が良いほか、恐怖公・餓食狐蟲王・グラントといった蟲系のNPCと交流がある。また製作者同士の仲が良かったナーベラルとも親しく、二人だけにするとノリでイメージと乖離した行動を取る事がある。冷気属性であるせいか水風呂が好きで、氷を抱きながら入ると心地良いらしい。ナザリックにおける肉弾戦最強レベルのNPCの一人で、守護者の中では第三位に当たり、戦士としての強さ(観察眼なども含む)はアルベドを上回る。武器を用いる戦闘では最強の攻撃能力保持者であるものの、一方でセバスを相手にすると分が悪い。主要武器は斬神刀皇だが、他にも断頭牙など全部で二十一の武器を所有している。至高の四十一人が使っていた全ての武器防具の名とその効果を知識として知っているが、直接見た事があるのはほんの一握りらしい。外的要因による恐怖の精神作用は受け付けない装備を整えているほか、一定の魔法も行使できる魔法戦士。

ゴ・ギン #7−2〜

 オスクの子飼いになっているウォー・トロールの剣闘士で、大闘技場における八代目武王。剣星、星二つ生まれ(人間とは異なる妖巨人暦によるもの)。住居は帝都一等地。種族は妖巨人とウォー・トロール、職業はチャンピオンなど。10年近く前までは帝国辺境を根城にしており、理知的で武器を捨てれば決して殺そうとしない不思議な存在として噂になっていた。興味を持って会いに来たオスクに目的を聞かれ、強くなるための武者修行と答えた結果、未来の武王として見込まれスカウトされる。歴代最強ともいえる圧倒的な強さを誇り、彼とまともに戦える者は滅多にいない。いつしか戦う相手への期待と興奮は失望に取って代わり、徐々に試合も組まれることが無くなっていた。故にアインズからの提案で実現した対戦は、本当に久し振りの試合となる。自分を育ててくれたオスクには心の底から感謝しているが、それを言葉に出したのはわずかに四度しかない。武器を与えられた時、鎧を与えられた時、腐狼と戦った後、そしてアインズとの試合に向かう時だけである。ただ時折持ち出される結婚の話にはウンザリしており、オスクが望むように子供を作る気は現状無い。人間社会で長く暮らしてきた事もあり、他の同胞のように長い名の者を見下したりはしない。それどころか、誇りを持って名乗る者の名を辱めるなど戦士の恥としている。装備品は全てオスクが大枚を叩いて揃えた逸品で、アダマンタイト級冒険者に依頼して集めさせた材料で作った魔法の鎧、魔法金属でできた棍棒、魔法の指輪に魔法のアミュレットと、隙無くマジックアイテムで固めている。

ゴコウ #2−2〜 (声・矢野正明)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

コッケイウス #8−2〜

 最古図書館で働いている司書の一人で、5人いる死の支配者の一人。マーレが外出する際、巻物作成実験への協力を代価に護衛を任された。

コディーナ #13−5〜

 聖王国に住んでいる、ネイアの弓兵隊の一員。隊員の中では優秀な方らしい。

コナー #2−3〜 (声・江越彬紀)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された小鬼兵士の一人で、小鬼の司祭。レベル10。クウネル曰く、信仰する神は悪神らしい。少々の傷の治癒程度なら問題ないが、使える呪文の数は少なく病や毒の治療はできない。

ゴルカ #13−7〜

 聖王国に住んでいる軍士。剣の腕に自信を持っており、無謀にもヤルダバオトに立ち向かうが、一瞥されただけで相手にもされなかった。直後に炎のオーラで全身を焼かれ、声なき絶叫を上げて死亡。

ゴンド・ファイアビアド #11−P〜

 フェオ・ジュラに住んでいる山小人で、国営坑道の臨時鉱夫兼ルーン技術開発家。身長140cmほど。住居はフェオ・ジュラ。属性は中立、カルマ値は45。総合レベルは11で、内訳は種族レベルが0、職業レベルが取得総計11(ウェポンスミス:4、アーマースミス:3、アイテムスミス:3、ルーンスミス:1)。優秀なルーン工匠だった父と違ってそちらの才能は皆無(父の出涸らしと自嘲している)で、まともに徒弟を務める事すらできない。ルーン文字を刻むこと自体はなんとかできるものの、あまりにも時間が掛かり過ぎるのである。しかしルーンの衰退をどうしても受け入れられず、多くのルーン工匠が諦めてしまっている中で一人足掻き続けている(具体的にはルーンに永続的な特別性を持たせるべく、製作時間の短縮や大量生産を可能とする方法などを暗中模索し続けている)。父や祖父の技術書を熟読し可能と判断した上での挑戦であり、病床の父も肯定してくれたことなので止めるという選択肢は有り得ない。ただそちらに没頭するあまり人付き合いは疎かになっていて、山小人には珍しく酒を好まない事もあり、同僚からの評判は芳しくない。鉱夫としては経験豊富で班長を任せても良いと管理者から言われているが、あくまでも長期旅行の資金貯蓄が目的のアルバイトなので本業とする気は無い。フェオ・ライゾに現れたアインズと遭遇して当初は腰を抜かすが、徐々に落ち着きを取り戻しルーンの現在について伝えた結果、ルーン復興の援助をしてくれるというアインズの話に飛びつく。以降はアインズたちをフェオ・ジュラへ案内し、王国の内情についても知る限りを伝えるなど積極的に協力する。元々夢を叶えるためなら他の全てを犠牲にしても構わないと考えており、ルーンをほぼ見限っている故国にも未練は無い。フェオ・ベルカナ奪還に向かうアインズたちに同行し道案内を務めた際も、宝物庫の宝をアインズたちがどうしようが黙認する事を約束している。故国と魔導国の国交が樹立されてからは他の工匠たちと共に魔導国へ赴き、カルネ村においてルーンの復興・発展に努めている。

サキュロント #5−2〜 (声・伊丸岡篤)

 八本指警備部門の構成員で、幻魔の異名を持つ六腕の一人。腐肉を漁る猛禽類を思わせる鋭い目付きをしており、痩せこけた頬と光に全く当たっていないような青白い肌を持つ。コッコドールの依頼で、セバスを脅しに行くスタッファンの護衛(コッコドールの代理人も兼ねる)を請け負う。その後コッコドール自身の護衛も請け負い、娼館で遭遇したクライムは退けたものの、駆け付けたブレインには敵わず敗北。後にゼロの手で保釈され、再度クライムと対峙する。幻術師と軽戦士の職業を修めており、幻術を絡めた戦法で戦士としての力不足を補っている。武器はマジックアイテムでもあるミスリル製の剣で、他にもキャッツエレガンス、リング・オブ・エナジーブースター、フード・オブ・スピアブロックを装備している。更に衣服やブーツに至るまで、全身をマジックアイテムで固めている。とはいえ残念ながら六腕の中では最弱で、幻術を見破られると戦闘能力は格段に下がる。はっきりとした力量差がある相手なら問題ないが、同程度か若干劣る程度の相手には敗北は必至。

ザック #3−1〜 (声・利根健太朗)

 エ・ランテルで獲物を物色・誘導する役目を担う、死を撒く剣団の下っ端。元は王国内にある村の貧しい農夫で、3度目の徴兵を終えた時に武具を持って逃げ出し、ちょうど人員補充したがっていた死を撒く剣団に拾われた。品性も貫禄も無い容姿で、立派な服を着ても全く似合わない。ソリュシャンとセバスを獲物と定めて接近するが、自分こそが蜘蛛の巣に引っかかった哀れな餌だとは欠片も気付かないまま、シャルティアたちを案内する羽目になる。幼い頃に可愛がっていた妹・リリアが両親に売り飛ばされて以降、娼婦を見ると思わず顔を直視するようになった。行軍の際の僅かな訓練を受けた以外、優れた肉体能力も特殊な才能も一切無い凡人。

ザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフ #3−幕間〜 (声・藤吉浩二)

 ランポッサV世の次男で、第二位の王位継承権を持つ王国の第二王子。下水月14日生まれ。住居はロ・レンテ城、総合レベル(人間種なので種族レベル無し、職業レベルのみ)は8で、内訳は王(一般):1、王子(一般):4、カリスマ(一般):2、戦士:1。趣味は食べること、寝ること、ぼんやりすること。小太りで顔の肉が弛んでいる程度のパッとしない容姿で、目を引くような特徴は無い。父王からは優秀には程遠いと思われているが(兄バルブロに敵視されないよう猫を被っているため)、実際はそこそこ有能でレエブン侯からも評価されている(レエブン侯の真実に気付いたのはラナー以外では彼のみ)。バルブロが王になるのはほぼ確実で、後援者も近親者もいないという立場に置かれながら、王家の将来を考えて自分にできることをすべく努力してきた才人。身体能力は皆無だが思慮には富んでいるほか、受けてきた後継者教育がきちんと身に付いていて儀礼にも長じている。レエブン侯と同じく妹の本性に気付いており、化け物と呼んで憚らないのでクライムからは嫌われている。なお妹を政略の道具と考えているのは事実だが、自分に協力するなら即位後は廃嫡して辺境に領地を与えても良いという、兄としての気持ちも持ち合わせてはいる。また人間を捨て駒とするようなやり方には難色を示すなど、人としての良識も普通に備えている。父のような人徳も兄のような威風も妹のような知恵も無い自分が、王の器ではない事は元より自覚しているが、王国をより良い国にして長く存続させたいという愛国心は非常に強い。ヤルダバオトの王都襲撃時にレエブン侯の兵と共に王都を見回って、王族も民を心配しているというパフォーマンスを大々的に行う。そして同時にバルブロがロ・レンテ城に籠っていた事実を世間に流し、自身の評価を上げつつ兄の評判を下げる事に成功している。後に帝国との戦争直前にバルブロが行方不明となったことで、王位継承はほぼ確定しその意味での懸念は払拭された。しかしレエブン侯が大虐殺で心折れて自領に引き籠り、実質的な後ろ盾を失ってからは下手に貴族を刺激するような言動は慎んでいる。またオリハルコン級冒険者やミスリル級冒険者に接触し、個人的な繋がりを持つ事に腐心している。これは表立った野心は無いと思われるラナーが、王都内で最も大きな武力(クライムにブレイン、そして蒼の薔薇)を持っているせいで警戒せざるを得ないという事情による。魔導国の王国への侵攻が始まってからは、平和的交渉を諦め切れない父王に見切りをつけて軟禁し、実質上のヴァイセルフ王家最後の王として務めを果たすべく行動する。仮定としてもしナザリックが出現せずバルブロが王になる前に死んだ場合、ラナー・レエブン侯・ガゼフの3人と本心から協力できたなら、帝国の侵攻を撥ね除けて強い王国が取り戻せていたという。

サビカス #13−4〜

 聖王国に住んでいる聖騎士で、聖騎士団の一員。亜人に関する知識はそれなりにあるようで、白老・氷炎雷・魔爪の二つ名を持つ者たちを知っていた。ロイツの西門にてハリシャとの戦いに挑むも、全く歯が立たず殺された。

ザリュース・シャシャ #4−1〜 (声・東地宏樹)

 緑爪に所属する黒鱗の蜥蜴人で、族長であるシャースーリューの弟。住居は緑爪の家屋の一つ。属性は善〜中立、カルマ値は100。総合レベルは20で、内訳は種族レベルが取得総計1(蜥蜴人:1)、職業レベルが取得総計19(戦士:10、ソードマスター:6、野伏:1、賢人:2)。凍牙の苦痛を所有する元旅人であり(旅に出たのは食料を巡る戦争が終結した後)、幾つもの部族が存在する蜥蜴人の中でも最強の戦士。部族を想う使命感から決意と覚悟を抱いて旅に出て、主に森の人(森妖精と思われる)のところに行っていたというが詳細は不明。ただ持ち帰った知識で養殖場たる生け簀を完成させた功績は大きく、兄を始め多くの者に称賛されている英雄である(ナザリックの宣戦布告を皮切りに、他の部族へも養殖方法を伝授して回る事となる)。若い頃は幾分か思慮が浅く感情論に走りがちで、戦争で誰一人犠牲を出さないと喚くようなタイプだったらしい。ナザリックの宣戦布告を受け、大湿地の蜥蜴人全部族で同盟締結し立ち向かう事を提案し行動に移す。ただしそれは口減らしのための戦いであり、戦いに参加しない者は別の土地に避難させようと考えている。そうすれば勝敗に関わらず部族の存続は可能だし、同盟を結んでいたことで仲間意識が芽生え、部族間で争う可能性は低くなるという公算である。最初に赴いた朱の瞳でクルシュに出会い一目惚れし、思わず勢いで求婚してしまう。返事は一時保留されたものの協力は得られ、兄やゼンベルの働きもあって同盟は無事締結。侵攻してきたイグヴァの一団を辛くも撃退するが、コキュートスとの決戦で善戦空しく死亡。後にアインズの手で蘇生されて神と見紛う力に衝撃を受け、他の仲間たちと共に忠誠を誓う。以降はゼンベルたちとハムスケの指導をしつつ、戦士として更に腕を上げるべく鍛錬に励んでいる(実践訓練と負傷時の治癒、支援魔法を受けての格上との本気戦闘など、嫌でも死を意識させられる地獄の訓練らしい)。なおクルシュとは無事に結婚して子供もでき、幸せな家庭を築いている模様。歴戦の戦士ではあるが体躯は平均的な蜥蜴人のそれで、兄に比べると小さく見えてしまう。かつての食料を巡る戦争では鋭剣の族長を討ち取り、この時に凍牙の苦痛の新たな所有者となった。なお宣戦布告に来たアンデッドとは一度遭遇したことがあり、その時は勝てないと悟って逃げ出したという。

三吉君 #8−2〜

 アインズの入浴に際し、彼の体の洗浄を任されている蒼玉の粘体。当初はごく普通に入浴していたのだが、骨の体は洗うのが大変で(特に肋骨や背骨など)洗うのに30分以上も掛かってしまうため、紆余曲折(石鹸水を入れた風呂でグルグル回転してみたり、柄付きの掃除用ブラシで擦ってみたりしたものの、綺麗になった手応えが無かったり、本当に全身を磨けているのか分からなかったりで、結局は満足できなかった)を経て彼に一任する事を思い付いたのである。自分の体を綺麗にしてくれる三助として、アインズにはペット的な愛着すら抱かれている。ただそれを知ったソリュシャンに、同じ粘体なのに彼(?)だけアインズと入浴できる事に嫉妬され、ソリュシャンの体内に一時軟禁されてしまったことがある。結果としてアインズは同士討ちに関する様々な実験の必要性に気付き、それはソリュシャンの暴走のおかげだとして不問に付された(元より罰する気は無かったのだが)。

サンツ #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる、子爵位を持つ貴族。カリンシャ奪還が行われた後、5万の軍勢を率いてカスポンドの下に馳せ参じる。顔色が悪い。

シーゼットニイチニハチ・デルタ(CZ2128・Δ) #1−1〜 (声・瀬戸麻沙美)

 六連星の五女(もしくは六女)で、本性は自動人形。略称はシズ・デルタ。身長145cm。製作者はガーネット、住居はナザリック地下大墳墓第九階層使用人室(戦闘メイド用)及び別階層の部屋(詳細は不明)。属性は中立〜善、カルマ値は100。総合レベル46で、内訳は種族レベルが取得総計5(自動人形:5)、職業レベルが取得総計41(ガンナー:10、狙撃手:3、暗殺者:3、ストーカー:3など)。顔立ちは非常に整っているが、能面のように作り物めいていて感情が読み取れない(無感情なのではなく、基本的に感情を表に出さない設定)。髪は赤金のストレートで、翠玉の瞳には宝石のように冷たい輝きが宿っており、片目をアイパッチで覆っている。何故か彼女の体からは紅茶のような香りがするらしいが、詳細は不明。メイドが本業なせいかファッションセンスは良く、服装のコーディネイトには自信を持っている。ナザリックにおける全てのギミックと解除方法を熟知しているが、万が一外に出た時に敵に捕縛される等の事態を憂慮され、アインズの記憶操作で少し知識を弄られている(正しい知識は本に転写済み)。もこもこしたものに代表される可愛いものが好きで、時折第六階層を訪れてはスピアニードルに触れて(埋もれて)いる。ゲヘナの際はヤルダバオト配下のメイド悪魔「デルタ」と名乗り、ユリと組んでイビルアイと戦闘を行い終始圧倒する。請負人がナザリックに入ってきた時は竜狩りの担当となり、他の姉妹たち(ナーベラル以外)と共に彼らの戦闘を見届けて後始末まで行った。聖王国ではアインズが死を演じた際、代わりの協力者として聖王国解放軍に接触し(名目上はヤルダバオトから彼女の支配権を奪ったアインズの命令となっている)、結果としてネイアと行動を共にすることになる。会話する内にアインズを崇拝する同志としてネイアを気に入り、後にネイアから先輩と呼ばれるほどの信頼を寄せられるに至った。当初額に一円シールを貼ったら嫌がられたが(嫌がったのはネイアが初めてらしい)、貼る場所を変えた事で妥協される。そしてカリンシャ奪還でもネイアと行動を共にし、彼女もネイア同様に聖王国の人々から尊崇される存在となっている。腰に下げている魔導銃を主な武器とし、狙撃や後方支援を得意とする急襲突撃メイド。防御力がさほど高くないので、複数人に接近戦をさせられると危なくなるが、接近戦用のナイフも持っており戦えないわけではない。基本的にはナーベラルやユリと同じメイド服を纏っているが、それに加えて都市迷彩色の小物やマフラーを着用しているほか、スカートの裾には一円シールが貼られている。なおガーネットは彼女の同型機?を複数用意していたようだが、詳細は不明(アインズはギミックだと思っていたが、時が来たら動くモノらしい)。

シクスス #8−2〜 (声・千本木彩花)

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。金髪。他グループの者とお喋りしたいタイプで、フォアイルやリュミエールと仲が良い。柔らかベーコンは邪道派で、カリカリのベーコンを好む。食事の際は、フォアイルとリュミエールの中間といえる食べ方をする。アインズの魅力は一大組織を維持管理運営していた智謀にあり、彼を比類なき英傑と考えている。

死獣天朱雀 #1−1〜

 至高の四十一人の一人。リアルでは大学教授を務めており、メンバーの中では最年長者だった。

司書J #8−2〜

 最古図書館で働いている司書の一人で、ティトゥス司書長の部下でもある死者の大魔法使い。レベル30。顔は屍蠟化したように白色で、手は骨と皮だけであり、声は掠れて聞き取り辛い。闇に溶け込むような漆黒のフード付きローブを纏い、腰のベルトには宝石が先端に嵌められた杖と複数の宝珠を装着している。単なるシモベの個体と違って、左手上腕に役職と名前が記されたバンドを嵌めている。

ジネディーヌ・デラン・グェルフィ #10−幕間〜 (声・櫻井トオル)

 法国の最高執行機関の一員で、水神を崇める水の神官長。年齢が不明なほどに年老いた枯れ枝のような老人で、肌は土気色をしている。どう見ても健康には見えないが、知識と知恵で彼に敵う者はいない。

シャースーリュー・シャシャ #4−1〜

 緑爪の族長を務めている黒鱗の蜥蜴人で、立派な体躯を持つザリュースの兄。二度に亘って族長選抜を勝ち抜き、三期目は戦わずして地位を維持している猛者。全身の鱗には古傷が白いものとなって走り、背中には族長の証でもある巨大剣を背負っている。元旅人である弟に肩入れできない立場ではあるが、影ながら様々な形で援助や補佐を行い、遂に生け簀を完成させた弟を誇りに思っている。寧ろ弟が旅に出る前は、弟こそが族長に相応しいとまで考えていた。尻尾の動きが感情に素直すぎて嘘が下手なほか、唸り声が口癖になっているらしい。侵攻してきたイグヴァの一団を辛くも撃退するが、コキュートスとの決戦で善戦空しく死亡。全部族がナザリックの支配下となった後に蘇生され、部族連合村が出来てからは連合長を任されている。強化魔法や攻撃魔法を操る祭司の才能も持ち合わせており、戦いの時はその使用時間が長ければ長いほど強くなる。凍牙の苦痛を持っていなかった頃のザリュースでは、相手にもならなかった。ちなみに既婚者だが、しっかりと尻に敷かれている模様。

ジャイムス #7−1〜

 フルト家の執事。家が借金塗れになっている実情を憂えているが、強く換言する事もできず苦悩の日々を送っている。アルシェが家を出るつもりと悟って自分も覚悟を決め、自分も含む使用人の解雇に必要な金額の算出に取り掛かる。

ジャジャン #13−4〜

 アベリオン丘陵に住んでいる石喰猿で、ラゴン族の一員。奪還されたロイツに攻め込んだ際、ネイアたちが陣取る西門の指揮官だった聖騎士を討ち取った。しかしその直後、戦意を取り戻したネイアに討ち取られる。

シャルティア・ブラッドフォールン #1−2〜 (声・上坂すみれ)

 ナザリック地下大墳墓第一〜第三階層守護者を務めるNPCで、14歳(もしくはそれ以下)程度の外見を持つ真祖。身長140cm。製作者はペロロンチーノ、住居はナザリック地下大墳墓第二階層死蝋玄室。属性は邪悪〜極悪、カルマ値は−450。総合レベルは100で、内訳は種族レベルが取得総計20(吸血鬼:10、真祖:10)、職業レベルが取得総計80(ワルキューレ/ランス:5、カースドナイト:5、神官:10、ブラッドドリンカーなど)。神祖カインアベルを信仰する信仰系魔法詠唱者だが、アンデッドなので通常の回復魔法は使えない。絶世の美という言葉が相応しい端正な顔をしており、真紅の瞳と白蠟じみた白さの肌を晒している。長い銀色の髪は片方に集め持ち上げてから流しているので、顔には一切掛かっていない。全体的に幼さが完全には抜け切っていないが、可愛らしさと美しさが交じり合った美の結晶といえる。なお外見には不釣り合いなほどに胸が大きく盛り上がっているが、パッドを重ねて大きく見せているに過ぎない(ペロロンチーノの構想では巨乳だったものの、上がってきたデザインがほぼ無乳だったので無理やり辻褄を合わせた事による)。よって走るなどすると激しくズレてブラごとどこかへ行ってしまうため(鎧着用時は固定される模様)、転移門を上手く使って体を大きく動かす運動を避けている。アンデッドなので体臭は一切無いが、香水を纏って周囲に良い香りを振り撒いている。アインズより武技や魔法を使える犯罪者の捕縛を言い渡され、セバスと合流して王都へと赴く。セバスたちに接触してきたザックから死を撒く剣団の存在を知り、目当ての人材を探すべくセバスたちと別れてアジトを急襲。しかし挑戦してきたブレインを武技の使い手と認識できなかったばかりか、情報収集不足と血の狂乱による油断が原因でまんまと取り逃がしてしまう。更に直後に接触した冒険者の一団を蹂躙するものの、別動隊に情報を持ち帰られた挙句、アインズと関わった形跡のあるブリタを殺せず渋々放置する羽目になる。そして極めつけに任務中の漆黒聖典と偶然遭遇し、短い攻防の末に傾城傾国による精神支配を受けてしまった。支配されきる前にカイレに致命傷を負わせたことで命令はされなかったが、自身へ接近及び攻撃した者を敵と認識し自動迎撃する棒立ち状態となる。冒険者組合を中心にエ・ランテルが強大な吸血鬼の出現で騒然とする中、事態打開のため素早く行動を起こして正面から挑んできたアインズに敗北し消滅。ナザリックにて洗脳が解除された状態で正常に復活するも、記憶が五日前の時点で途切れていてブレインや漆黒聖典の情報を伝えることはできなかった。記憶の無い間の出来事をデミウルゴスに教えられ、自己嫌悪ですっかり意気消沈し長く落ち込む事になる。アインズが皆の前で彼女に罪は一切無いと公言し、建前的な意味で一応の懲罰も与えられて表面的には収束したが、心情的にはとてもそれで終わりになどできなかったのである。ゲヘナの際は参加メンバーにこそ選ばれたものの、軽挙妄動や血の狂乱を憂慮したデミウルゴスの指示で、転移門による物資運搬以外では遊軍とされる。銀の刺繍が施された純白のドレスに黄金の髪を持った少女に変装し、仮面を付けた姿で暇を持て余すことになったが、そこで侵入してきたブレインに発見される。自分を一方的に覚えていたブレインに一目で変装を見破られてしまい、短い会話の後に戦いへ突入。ブレインの秘技・爪切りで小指の爪を数mm斬られ、隙を突いて逃げるブレインを追おうとしたところでクライムを見掛け追跡を断念した。請負人がナザリックに入ってきた時はVIP席で見物していたが、アインズからアルシェの追跡と始末を命じられて無難に役目を果たす。魔導国建国後は、転移門を使っての移動関係の仕事とナザリックの警備を担当。アインズが山小人の王国へ行く際は指名を受けて同行し、護衛任務のみならず下された幾つかの命令も自分なりに熟考して最高の形で完遂。アインズより心からの賞賛を贈られた事で、先の汚名を自ら雪げた事実に感極まり号泣した。帰還後はヘジンマールを除く霜の竜たちを始め、他の飛行系モンスターも利用して様々な物資の空輸便を組織。魔導国・帝国・山小人の王国・アベリオン丘陵を繋ぐネットワークを構築・管理しているほか、陸送関係の交通網を確立する作業も並行して行っている。王国への侵攻作戦では都市一つを落とすにあたり、フロストドラゴンたちを使って500m上空から魂喰らい四体を投下、住民を皆殺しにするという作戦を立案・実行した。落下のダメージは魂を喰えば回復するので問題ないという考えだったが、一体は尖った屋根に当たって目算と違う場所へ弾き飛ばされ、一体は屋根を突き破って家屋内に挟まりしばらく動けなくなった。この結果はアインズにとって面白く印象深いものであり、空挺の良いデータが取れるとして以後も繰り返し実験を行うよう指示されている。本格的に王都への侵攻が始まった際は、八本指所有の邸宅に使者として赴き、魔導国に尽くした八本指関係者千人を安全な場所へ連れ出した。製作者同士が姉弟であるためか、アウラとの仲は悪いと設定されているらしいが、表面上の事に過ぎず実際はそれほど悪いわけではない。エロゲーにありがちのアブノーマルな設定をてんこ盛りにされており、加虐趣味・死体愛好癖(腐っているのはさすがに嫌らしいが)・同性愛を始めとした歪んだ性癖を数多く持っていて、異性経験こそ無いが同性経験ならかなりある。服はペロロンチーノがかなりマニアックなものを含めて取り揃えており(ドレス、ナース、メイド、バニー、セーラー、レオタード、スクール水着、体操服、ブレザー、尻尾や耳といった飾り、ビキニアーマー、ハイレグアーマー等)、普段着も含めて相当数を保有している。彼女にとってアインズは世界一の美の結晶であり、更に唯一支配できない愛しの君主でもある。いずれは正妃となって彼の役に立ちたいと願っており、同様に正妃を狙うアルベドとは事あるごとに言い争っている。ちなみに普段の仕事は担当階層の巡回や警備状況の確認・領域守護者の意見の取り纏め等で、時間が余れば入浴したり身支度を整えたりしている。基本的な一人称は「わたし」だが、一日一回は「わらわ」を意識して使う(これも設定に起因するもののようだが、詳細な制約などは不明)。平常時は間違いだらけの廓言葉で話すが、感情的になったり過度に落胆して投げ遣りになったりすると、素が出て標準語の言葉遣いになる。アンデッドなので大きな感情変化は抑制されるはずなのだが、彼女はなぜか抑制されない稀有な存在である。鮮血の戦乙女と称される階層守護者最強の総合戦闘能力を持ち、ユグドラシルのプレイヤーでいえば上の下に位置するほどで、特にアインズのようなアンデッドにとっては天敵とも言える相性最悪の存在。ただ実力への過信から軽挙妄動が目立つ(洗脳される大失態を犯してからは考えて行動する事を心掛けている)ほか、血の狂乱で制御が効かなくなる危うさも秘めている。また知覚系の能力や捜索系魔法は使えない上、魔法耐性も相手の能力に左右される(相手が弱い魔法詠唱者なら第十位階でも無効にできるが、レベル100ともなれば無効化できるのは第一位階が限界)など欠点も多い。故に矢のように敵陣へ飛び込んで暴れまわり、敵のリソースを削る事が彼女のスペックを最大限活用できる戦法となる。しかし転移後世界で自我を得た彼女にとっては必ずしもそうではないことを、山小人の王国へ赴いた際に自ら証明して見せた。主な武器はスポイトランスだが、彼女の場合は真珠のように白い2cmほどの爪や牙も肉体武装に相当する。柔らかそうな漆黒のボールガウンで全身を包み、スカート部分は大きく膨らんでかなりのボリューム感を出している。更にフリルとリボンの付いたボレロカーディガンを羽織り、レース付きのフィンガーレスグローブを付けていて素肌はほとんど見えない。

ジャン・シャルル #7−1〜

 高名な芸術家。彼の作品は高級品特有の取り澄ました雰囲気を纏っており、気位の高い貴族に人気がある模様。アルシェの父親が金貨15枚で買ったガラス細工も彼の作品で、細やかに彫刻が施された杯の形をしている。

獣王メコン川 #プロローグ 上〜

 至高の四十一人の一人で、ルプスレギナの製作者。九人の自殺点後続参加組の一人。アーベラージのプレイヤーでもあるが、機体構成やランクなどは不明。

シューリンガン #2−2〜 (声・手塚ヒロミチ)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された小鬼兵士の一人で、小鬼の弓兵の一人。レベル10。

ジュゲム・ジュゲーム #2−3〜 (声・浜添伸也)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された小鬼兵士の一人で、小鬼の指揮官。レベル12。小鬼とは思えないほどに筋骨隆々の長躯で、実用第一主義の無骨な胸当てを着け、背中には使い込まれたグレートソードを担いでいる。普段は少し砕けた調子で話すものの、彼が仕事と判断した状況下では硬めの口調に変えている。面倒見が良く人情に溢れる性格で、日頃から村人の戦闘訓練や防衛線の管理を行っており、有事の際には戦うだけでなく指揮官としての役目もこなす。故に村人からの信頼は厚く、何らかの襲撃があった場合に自分たちだけでは村を守り切れないと、カルネ村を要塞化する計画を提案した時もすぐに受け入れられた。5千の小鬼軍団が現れてからは、先任隊長として大人数に膨れ上がった小鬼たちの纏め役の一人として働いている。なおグの動死体を撃退してからは、グが使っていたマジックアイテムのグレートソードを武器としている。

ジュゲム・ジュゲーム #8−1〜

 物語に出てくるという、小鬼の勇者。エンリが召喚した小鬼の指揮官は、彼に因んでエンリに名づけられた。なお彼と共に戦ったという騎士たちも特別な名前(ゴコウ、ノスリ、カイジャリ、スイギョ、マツ、ウンライ、ライマツ、クウネル、ロニス、ヤブラ、ノブラ、パイポ、シューリンガン、グーリンダイ、ダイノ、コナー、キュウメイ、チョウスケ)を貰っており、それらが他の小鬼兵士たちの名前として与えられている。

シリアコ・ナランホ #13−5〜

 聖王国に住んでいる司祭で、生き残っている解放軍の神官たちの纏め役。髭に白が混じり始めている中年で、信仰系魔法を第三位階まで行使できる。

ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス #3−幕間〜 (声・櫻井孝宏)

 バハルス帝国を治めている青年で、歴代最高と称される皇帝。上風月1日生まれの22歳。住居は帝国皇城(帝城とも)、職業は皇帝(一般)、ハイエンペラー(一般)、カリスマ(一般)など。趣味は他国の情報を収集し自国の状況と比較検討する事。光を反射して星々の輝きを浮かべるような金髪に、アメジストの如く切れ長の濃い紫の瞳を持つ。眉目秀麗と言って遜色ない容姿であり、生まれながらに絶対的上位者のオーラを持つ支配者である。尊敬すべき父親である前皇帝を不慮の事故(母が毒を盛り暗殺した線が濃厚)で喪って10代前半で即位後、すぐに母方の実家だった五大貴族の一つを皇帝暗殺容疑で断絶。兄弟たちを次々と葬っていき、その頃に母親も事故死する。皇太子時代に掌握していた騎士たちの力で反対勢力の貴族たちを掃討していった結果、(本心はともかく)彼に忠誠を誓う者だけが残り中央集権が実現、絶対王政を築き上げるに至った。更に無能な貴族は次々と貴族位を剥奪する一方で、有能であれば平民でも取り立てる政策を実行し、権力を盤石なものとしていったのである。特筆すべきは改革の全てが神がかり的な手際の良さで行われ、一切国力を低下させなかった事である。こうして両手を数多の血で染めた事から鮮血帝と呼ばれており、国内の貴族のみならず近隣諸国からも恐れられているが、臣民からは尊敬の念を抱かれている。未だ結婚はしていないが愛妾は何人かおり、子供もそれなりに産まれている(両親の死や兄弟を粛正した事で心の一部が壊れており、愛情はさほど無い)。後に誕生するであろう正統な皇太子が優秀でなかった場合、愛妾の子が優秀であれば挿げ替える事も考慮している。ただ将来的には、皇帝にある程度の能力さえあれば運営を問題なく行える、そんな帝国を形作っていきたいと考えている。ガゼフの力量を高く評価しており、戦場で出会った際に部下に誘った事がある。密かに裏切ったフールーダに乗せられる形でナザリックに手を出してしまい、アインズ・ウール・ゴウンの圧倒的な武力・財力・知力を見せ付けられたことで、人間種や亜人種全体の存続が危ぶまれるレベルの存在だと認識する。表向きは魔導国の建国を提案し協力しつつ、裏では周辺国家で大連合を組んでの討伐を目論んでいたが、全てはデミウルゴスの想定範囲内で動いているに過ぎなかった。更には幾つもの偶然が絶妙なタイミングで重なってアインズに全て看破されたと思い込み、心が折れ抵抗する気も失って属国になる事を願い出る。王国との戦争でアインズが大虐殺を行ってから、ストレスが増大し胃痛に脱毛症まで患ってかなり精神的に追い込まれていたが、属国化してからは過度のストレスから解放され体調も完全復帰。しかも後に魔導国へ拝謁に赴いた際、似たような境遇にあったリユロと出会う。一度目は特に話したりはしなかったが、二度目の時に情報を引き出そうとして話す内にすっかり意気投合。マジックアイテムのペンダントを贈ったり、皇城に招待したりと、種族の壁を超えた生涯初の大親友となる。幼い頃から叩き込まれたおかげで腹芸に秀でているほか、相手の一挙一動から様々な情報を読み取る感覚もずば抜けている。皇帝は弱味を見せてはならないという父の教えを守り、人前では常に意識して薄い笑みを浮かべ多くの者に強い皇帝であると印象付けている。何故か腹話術の特技を持っており、口を動かさずに喋ることができる。誕生時からずっと世話になっているフールーダは父親同然であり、最も信頼できる者の一人として重用していたが、彼の裏切りを悟った際は内心取り乱しつつも冷静に対処。フールーダに仕事を一切回さないよう手配し、徐々に閑職に追い込みつつある。実は時々アインズに王としての暮らしを盗み見られていて、彼自身もその視線には感付いているのだが、痕跡が皆無で誰に言っても信じてもらえず諦めている(被害妄想とまで言われる始末)。

シルバーゴーレム・コックローチ #14−4〜

 るし★ふぁーが希少金属スターシルバーをちょろまかして製作した、ゴキブリ型のゴーレム。レベル70。恐怖公に騎乗ゴーレムとして預けられたため、黒棺に常駐している。白金で全身がコーティングされており、中の金属の正体が隠蔽されている。

ズ #11−3〜

 大古の英雄プと競い合ったとされる土堀獣人。詳細は不明。

スイギョ #2−2〜 (声・手塚ヒロミチ)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

水神 #5−1〜

 元ユグドラシルのプレイヤーで、六大神の一角。水属性を振られている。

スヴェリアー=マイロンシルク #11−5〜

 青空の竜王の二つ名を持つ、評議国永久評議員の一人。森祭司の力を持っており、信仰系第五位階魔法を使える。

スーキュ・ジュジュ #4−3〜 (声・櫻井トオル)

 小さき牙の族長を務めている蜥蜴人。小柄な肢体ではあるが、四肢は鋼のように研ぎ澄まされている。元は狩猟班の所属で、飛び道具の腕は全部族一。族長を決める際も、全て投石の一撃で終わらせたという。ナザリックの宣戦布告による他部族との同盟締結後、全狩猟班を総動員して敵戦力の探索と偵察を行った。

スーラータン #8−2〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。ペロロンチーノと一緒に、ナザリック学園を作って学園ラブコメをやろうと主張していたことがある。

スカマ・エルベロ #14−2〜

 エ・ナイウルを拠点としているミスリル級冒険者の戦士で、四武器のリーダー。元は金髪だったが黒をチームカラーにしようと黒に染め、目立つ外見でチームの宣伝を行っていた。しかし漆黒が台頭してから黒は彼らを連想させる色になってしまったので、改めてチームカラーを白に変え髪も白に染め直している。ちなみにチーム名は彼女の発案で、当初は色名も入れようと考えていたらしいが、今では入れなくて良かったと思っている。魔導国の王国侵攻を受けてナイウーア伯爵が出した都市防衛への参加要請に応え、更には魔法詠唱者だけで作られた部隊の指揮を任される。火神を信仰していて、武器はマジックアイテムのトマホーク。

鈴木悟 #1−4〜 (声・日野聡)

 モモンガという名でユグドラシルをプレイしていた、小卒でごく普通の営業サラリーマン。両親は既に他界しており、家族・親戚・親しい友人・恋人などもいない。父親については詳細不明だが、母親は過労死だった。朝起きたら台所で倒れていたとの事で(既に冷たくなっていたらしい)、疲れた体で無理して彼の好物を作ろうとしたのだろうと思っているが、もうかなり朧げな記憶になっている。薄給で貧しいボロアパートの一人暮らしだが、生活に困るほどではなく口座残高にも余裕はある。ただ何らかの使い道があって貯金しているわけではなく、単に無駄遣いは良くないという強迫観念めいた思いがあるだけだった。脳内には演算器が埋め込まれており、首の後ろにあるジャックにプラグを差し込むと電脳世界に接続できる。すると視界内に幾つものウィンドウがポップアップし、手の動きとリンクした思考による操作で表示する情報を変化させられるため、テレビを見たりゲームをしたりと様々な事ができるようになる。ユグドラシルに嵌まってからは課金に給料の三分の一を費やすようになり、その総額はサーバー全体で見ても上位に入る。彼にとってはユグドラシルこそが友達との交流の場であり、アインズ・ウール・ゴウンはその輝かしい時間の結晶である。プレゼンテーションの際は十分な資料を作成し、その通りに進める程に非常に慎重な性格。故に想定外の事態には弱く、臨機応変さが求められる状況は苦手を通り越して嫌いな部類である。残念ながら教養を身に付ける機会には恵まれなかったので、他者との交流で得た知識は見事に偏ってしまっている。特に人見知りという事は無いので、飲み会には参加しないが仕事上で必要な最低限の付き合いはできている。

スタッファン・ヘーウィッシュ #5−3〜 (声・青山穣)

 王都で巡回使を務めている、恰幅の良い(太った)役人。年齢は中年を大きく越えた頃。そこそこ身綺麗で仕立ての良い服を着ているが、たっぷり肉が付いた血色の良い顔には脂ぎった光沢が浮かんでいる。元々が平均すれすれだった顔立ちは、たるんだ贅肉が付着した事で下劣な豚を思わせる上に、多少トーンの外れた甲高い声で喋る。コッコドールが経営する娼館の常連で、過度の暴力を振るってボロボロになった美女を抱く事で満たされる、特殊且つ歪んだ異常性癖の持ち主。だがその割には臆病な小心者でもあり、無力で絶対に抵抗できない相手しか怖くて殴れない。既に何人も殴り殺しているものの、その都度処分代を払う事で不問となっている。奴隷がいた頃は己の奴隷を痛めつけて満足していたが、ラナーが奴隷制度を廃止してからは欲望の捌け口を失い、八本指の裏家業に手を貸すことを条件に娼館を紹介された。そのおかげで表立っては罪を犯さずに生活できているため、娼館を紹介してくれた貴族には深い感謝の念を抱いている。一方でラナーのことは心底憎んでおり、いつか自分の手で彼女の顔を殴り潰す事を夢見ている。世話になっているコッコドールの依頼で、法律を盾にセバスが引き取ったツアレを連れ戻し、更に大金を脅し取ろうと画策する。

スルシャーナ #10−幕間〜

 元ユグドラシルのプレイヤーで、六大神の一角。闇属性を振られており、闇の神・死の神とも称される。アインズに似た姿だったというが、詳細は不明。口伝では八欲王に弑されたという。

セドラン #3−2〜

 漆黒聖典の第八席次で、通称は巨盾万壁。殴打攻撃も可能な、巨大な鏡のような盾を両手に装備している。シャルティアの清浄投擲槍からカイレを守ろうとしたが、盾ごと貫かれ殉職。

セバス・チャン #1−1〜 (声・千葉繁)

 ナザリック地下大墳墓家令兼執事の地位にあるNPCで、第十階層の広間を持ち場としている竜人。身長179cm。製作者はたっち・みー、住居はナザリック地下大墳墓第九階層の使用人室の一つ。属性は極善、カルマ値は300。総合レベルは100で、内訳は種族レベルが取得総計25、職業レベルが取得総計75(修行僧:10、武王:10、ストライカー:5、ナイキ・マスター:15、ガイキ・マスター:5など)。最終一歩手前の護り手として侵入者を迎撃するのが役目だが、第十階層まで来るような敵を撃退するのは実質的に困難であり、時間稼ぎの意味合いが強い。平時はオーソドックスな執事服を見事に着こなす老人で、六連星を始めエクレアや男性使用人たちの直属の上司。髪も髭も白一色だが背筋はしっかりと伸びていて、鋼の剣を彷彿とさせる堂々とした佇まいをしている。白人のような彫りの深い整った顔立ちには皺が目立ち、温厚そうな雰囲気とは裏腹に獲物を狙う鷹のごとく鋭い目を持つ。声は多少しわがれてはいるものの、凛とした生気に満ちている。見ているだけで惚れ惚れしてしまうような存在であり、漂わせる気品はすれ違った女性の9割が年齢に関わらず振り返る程。アインズより武技や魔法を使える犯罪者の捕縛と王都での情報収集を任され、ソリュシャン扮する我儘令嬢に仕える執事として行動する。王都散策中にコッコドール経営の娼館前でツアレと遭遇、厄介ごとを抱え込むべきではないと分かっていながらも、どうしても見捨てられず助けてしまう。ソリュシャンから追及される都度それらしい理屈を並べて躱していたが、スタッファンの来訪でとうとう早急な対処を迫られる。対策を考えながら歩いていた時、騒ぎを見掛けて人助けをしたことでクライムやブレインと知り合う(クライムの願いで死の恐怖をイメージさせる「稽古」を付け、それを見ていたブレインには誰かのために戦う事の重要性を説いた)。ここでサキュロントの部下の襲撃を受けた事で、元凶である娼館を潰すのが一番と考え実行に移す。事後処理をクライムたちに任せて帰ったところ、ソリュシャンから連絡を受けたアインズ(実はパンドラズ・アクターの変身)一行が来ていて尋問を受けるが、揺るぎなき忠誠心を示して不問にされる。そしてアインズ(本物)との面接でツアレの保護が決まるが、ナザリックに帰還する準備中にツアレが拉致された。今度はきちんとアインズに指示を仰いだ上で救出に向かうも、そこでクライムとブレインに再会し協力する事になる。とはいえ彼らはほぼ陽動に近く、六腕壊滅とツアレ救出はほとんど彼一人で容易く成し遂げた(サキュロントだけはクライムが倒している)。その後はゲヘナに参加する事無くナザリックへ帰還、ツアレの教育をペストーニャに任せ執事として本業に復帰している。魔導国建国後はエ・ランテルに詰めており、ツアレを副官として管理補佐を行っている。またある程度の自由裁量を与えられており、好きな時にナザリックに帰還して良いという許可も貰っている。誰に対しても物腰が柔らかく温厚な性格で、ナザリックでは珍しい善良な人物だが、製作者に似て怒らせると怖い。また製作者の考えに共感を持ってはいるが、自分に比べて弱者でも下劣な品性を持つ輩には嫌悪感を抱く。彼の善良さは優しさではなく甘さであり、情に流されて浅慮な行動を取ってしまう事もある。製作者がウルベルトと仲が悪かったせいなのか、不思議とデミウルゴスを毛嫌いしてしまう傾向にある。ナザリックにおける肉弾戦最強レベルのNPCの一人で、守護者の中では第三位に当たり、純粋な肉弾格闘戦では最強を誇る修行僧にして鋼の執事。故に絡め手無しの真っ向勝負ではコキュートスを上回るほどの無類の強さを誇るが、アルベドを相手にすると分が悪い(真の姿を取ればアルベドをも凌ぐという)。相手の気の大きさで大体の力を測ることができるが、特殊技術や魔法などで隠蔽されると判断が難しくなる。装備に関しては詳しい描写が無く詳細不明だが、耐酸・耐火などの属性ダメージを軽減する手袋を身に付けている。

セラブレイト #7−2〜

 竜王国を拠点としているアダマンタイト級冒険者のホーリーロードで、クリスタル・ティアのリーダー。重度のロリコンで、幼女形態のドラウディロンを見る目は粘度を帯びる。閃烈の二つ名を持つ凄腕の聖騎士だが、純粋な剣技のみで言えばガゼフには多少劣る。

ゼロ #5−2〜 (声・西凛太朗)

 八本指の幹部の一人で、警備部門の長にして六腕のリーダー。職業は修行僧、シャーマニック・アデプトなど。顔の半分を含む全身に獣の入れ墨を彫り込んだ禿頭の巨漢で、服の上からでも隆起が分かる程筋肉が盛り上がっている。入れ墨は全部で5つあり(足の豹、背中の隼、腕の犀、胸の野牛、頭の獅子)、各々を特殊技術で起動させることで各獣の力を行使できる。刃のように細く冷たい戦士の瞳を持ち、戦闘力は組織中最強で闘鬼の異名を持つ。コッコドールに付けたサキュロントの敗北を受け、六腕の名誉回復のためにセバスの暗殺を画策する。ツァレを誘拐してセバスを呼び出すが、公開処刑は部下たちに任せて自分はブレインと対峙する。無手による戦闘を得意とする格闘家で、その拳はミスリルやオリハルコン並みの強度を誇る。特に特殊技術で全ての入れ墨を起動させた際の右正拳突きは、多数の修行僧系職業の特殊技術や複数のマジックアイテムの強化により、圧倒的な速度と破壊力を持つ最高の切り札である。あまりに速すぎるため当人ですら制御が難しく、正拳突きという単純極まる攻撃手段に特化したからこそ、何とか技と言える一撃になっている。前述のように武器の類は必要としないが、モンクズ・ブラックベルト、アームバンド・オブ・ビーストキング、ブーツ・オブ・スピードといったマジックアイテムを身に付けている。

ゼンベル・ググー #4−2〜 (声・石井康嗣)

 竜牙の族長を務めている、元旅人の蜥蜴人。住居は竜牙族長館。属性は中立、カルマ値は50。総合レベルは18で、内訳は種族レベルが取得総計5(蜥蜴人:5)、職業レベルが取得総計13(戦士:1、修行僧:10、シングルブロウ:1、キ・マスター:1)。好物は泥蟹。身長は230cmを超えるほどで、筋肉が異常に発達した太く大きい右腕を持つ巨腕の暴れん坊。左腕の薬指と小指は根元から無くなっており(鋭剣の族長と戦った時に斬られた)、口は何かに切り裂かれたらしく後ろの方まで裂けている。尻尾は潰したように平べったく、蜥蜴人というよりはワニのそれに近い。族長に相応しいだけの武力と、並々ならぬ求心力を持ち合わせた好漢である。5年ほど前に鋭剣の族長に負けたのがショックで、強くなろうと思い立ち旅人になった。旅先は山小人の王国で、一ヶ月ほど彷徨って諦めかけた頃に山小人と遭遇。外見から当初は中々信用されなかったが、腹を割って話し合う内に信頼され、フェオ・ライゾへ案内してもらった。そこで様々な武術を習ったほか、酒を酌み交わすことで親友になれると教わり、自信が付いた辺りで下山し帰郷したという。ナザリックの宣戦布告後に乗り込んできたザリュースと決闘し敗北した事で、同盟を全面的に受け入れ協力体制を取る。侵攻してきたイグヴァの一団を辛くも撃退するが、コキュートスとの決戦で善戦空しく死亡。後にアインズの手で蘇生され、以降はザリュースたちとハムスケの指導をしつつ、戦士として更に腕を上げるべく鍛錬に励んでいる(実践訓練と負傷時の治癒、支援魔法を受けての格上との本気戦闘など、嫌でも死を意識させられる地獄の訓練らしい)。アインズたちが山小人の国に赴く際は案内役を務めるが、恩を仇で返す様な真似は心底嫌っており、もし山小人に危害を加えるのなら反逆すると事前に宣言している。表向きの武器は3m近い鋼のハルバードだが、本当の武器は硬化させた己の肉体そのもの。自分を戦士だと思わせて油断を誘い、鍛え上げた修行僧の技で一気に決める戦法を得意とする。

ソリュシャン・イプシロン #1−1〜 (声・佐倉綾音)

 六連星の三女で、本性は捕食型粘体(スライム)。身長166cm。製作者はヘロヘロ、住居はナザリック地下大墳墓第九階層使用人室(戦闘メイド用)。属性は邪悪、カルマ値は−400。総合レベル57で、内訳は種族レベルが取得総計45(不定形の粘液:10、始まりの混沌:10など)、職業レベルが取得総計12(暗殺者:2、ポイズンメーカー:4、マスターアサシン:1など)。ラナーに匹敵する美貌の持ち主で、髪は金髪の縦ロールヘア。一挙手一投足の全てが気品に富み優雅で、確実に高位貴族の令嬢を思わせるが、普段は表情に乏しく感情を読み取り難いタイプ。人間を下等生物と見下しながらも食材としては好むほか、人間に限らず何かが自らの酸で溶けていく様子を観察するのが好きな溶解の檻。体内で分泌する酸は強弱を選択可能なので、獲物を即死させるのも生きたまま苦しめるのも自由であり、自分の器官の一部を獲物に挿入すれば窒息や臭い漏れも防げる。粘体としての生物的特性と特殊な魔法の効果により中身が空のため、人間を数人丸呑みにしても外見には全く変化が出ない上、そのままの状態で移動も可能(ただし暴れられると不都合が生じるらしい)。また酸の分泌は場所も選択可能で、巻物・下級治療薬・武器防具といった収納アイテムを巻き込む恐れは無い。同じ嗜虐趣味のシャルティアとは気が合う事もあり、アインズの妃にはシャルティアが相応しいと考えている。逆にニューロニストの芸術には付いていけないらしいが、理由は不明。アインズより武技や魔法を使える犯罪者の捕縛と王都での情報収集を任され、セバスが仕える癇癪持ちの我儘令嬢として行動する。セバスがツァレを連れ帰った際は指示に従いつつも不信感を露わにし、セバスの行いに裏切りの可能性を感じてアインズに報告している。ゲヘナの際はセバスのツァレ救出を補佐し、セバスが殺される様を見物しようとしていた観客たちを捕縛。その後はヤルダバオト配下のメイド悪魔「イプシロン」と名乗り、ルプスレギナやエントマと組んでナーベラルと戦うフリをした。請負人がナザリックに入ってきた時は竜狩りの担当となり、他の姉妹たち(ナーベラル以外)と共に彼らの戦闘を見届けて後始末まで行っている。種族特性として物理攻撃に対する耐性を持つほか、暗殺者として罠の発見など盗賊系の特殊技術も有している。ただし、火力等に乏しいという弱点がある。

第一席次 #2−1〜 (声・利根健太朗)

 漆黒聖典の隊長で、部隊名そのままの漆黒聖典と称される神人。10代。中性的な容姿で身長は低く顔立ちも幼いが、大地に届くほどの長い射干玉の髪を持つ。法国内に3人しかいない神人の一人として、上層部から子供を多く残せと婉曲に命じられており、複数の相手との見合いなどが多数予定されているらしい。少なくともソリュシャンを遙かに凌駕する強さであり、シャルティアの本気の殴打を受けて吹き飛ぶだけで済んでいる。武器は槍。

第三席次

 漆黒聖典の一員。魔法詠唱者。

第十一席次 #4−幕間〜

 漆黒聖典の一員で、通称は占星千里。だらっとした服装で気怠そうにしており、歩くのも面倒といった雰囲気を醸し出している。更に異様に大きな帽子を被っているため、顔の大部分が隠れている。戦場の監視のほかに知識面も担当しており、叩き込まれた様々なモンスターに関する情報は全て覚えている。彼女が土の巫女姫の爆死を破滅の竜王復活の予兆と誤認した事で、漆黒聖典がカイレを伴って出撃し偶然シャルティアと遭遇する事になった。大虐殺時は戦争の監視を行っていたが、アインズの起こした大虐殺を目の当たりにして絶望、自室に閉じ籠ってしばらくの間出て来なかったという。魔導国の王国侵攻が始まった際は、クアイエッセのチームメンバーに加えられ、王国の有力な冒険者たちをスカウトする任務に同行する。自分が責任を負うのが嫌いで、命令に従っておけば何かあっても責任は上が取ってくれるという考えであり、同僚には仲間に責任を押し付けるのが上手いと皮肉られている(本人は褒められているつもり)。具体的な戦闘能力は不明だが、ラキュースが見ただけで届かないと感じる程の凄味を持っている。

第十席次 #14−3〜

 漆黒聖典の一員で、通称は人間最強。周囲の景色が歪んでいると錯覚するほどの強烈な威圧感を持つ、巨大な斧を背負った逸脱者の蛮人。魔導国の王国侵攻が始まった際、クアイエッセのチームメンバーに加えられ、王国の有力な冒険者たちをスカウトする任務に同行する。

第十二席次 #14−3〜

 漆黒聖典の一員で、通称は天上天下。金属板のようなもので補強されたぴったりとした服で、顔も手も含め文字通り全身を覆い尽くしている。魔導国の王国侵攻が始まった際、クアイエッセのチームメンバーに加えられ、王国の有力な冒険者たちをスカウトする任務に同行する。具体的な戦闘能力は不明だが、ティアとティナが自分たちよりかなり上と断言するほど(事実、彼が自ら姿を現すまで二人は彼の存在に気付かなかった)。

第七席次

 漆黒聖典の一員。

第二席次

 漆黒聖典の一員で、通称は時間乱流。剣士。

ダイノ #2−3〜 (声・小若和郁那)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された小鬼兵士の一人で、小鬼の魔法使い。レベル10。人型生物の髑髏を被っており、己の身長よりも長いくねったような木の杖を持っている。どこかの部族が付けそうな、奇妙な装飾品で全身を飾っている。召喚された小鬼兵士の紅一点であり、よく見ると男より若干表情が柔和。

第四席次

 漆黒聖典の一員で、通称は神聖呪歌。

第六席次

 漆黒聖典の一員。戦士。

ダイン・ウッドワンダー #2−1〜 (声・竹内良太)

 エ・ランテルを拠点としている銀級冒険者の森祭司で、漆黒の剣の一員。20代。口周りにはぼさぼさの髭を生やし、がっしりとした体格で野蛮人じみた印象を持つ。「〜である」が口癖。治癒魔法や自然を操る魔法を得意とし、薬草知識にも長けていて一定量が入った袋を常備している。武器は鎚矛。

たっち・みー #1−1〜 (声・置鮎龍太郎)

 至高の四十一人の一人で、セバスの製作者。ユグドラシルでの職業はワールド・チャンピオンで、昆虫系の異形種ながら全プレイヤー中でも3本の指に入るゲーム史上最高の戦士の一人。アインズ・ウール・ゴウン最強の存在であり、階層守護者全員を相手にしても勝てる程で、怒らせると怖い人だったらしい。ギルド中で最も“正義”という言葉に拘っており、誰かが困っていたら助けるのは当たり前と豪語し、弱者を救わずして強者は名乗れないという考えを持つ純銀の聖騎士。無類の変身ヒーロー好きで、特に150年前に放映されていた仮面のヒーローの大ファンであり、話題を振ると熱心に語り出す。彼がポーズを決めると背後で無意味な爆発が起き(爆発エフェクト)、更に正義降臨という文字まで飛び出す(降臨エフェクト)ようになっていて、ペロロンチーノに羨ましがられていた。「勝って兜の緒を締めよ」をそのまま体現しており、敗北など皆無に近いのに努力を怠らず一層強くなっていく上、職業の組み合わせなど性能面の追及にも貪欲だった。異形種狩りと称したPKに遭っていたモモンガを救ったことがあり、これが九人の自殺点を彼が発起するきっかけとなった。故にモモンガにとっては正に恩人であり、その恩に報いようという思いがカルネ村を救う事に繋がった。竹を割ったような性格でそれに相応しい言動を好むが、リアルでウルベルトに嫉妬されてから急激に仲が悪くなり、以降は事あるごとに対立し喧嘩していたという(幼馴染で美人の妻と子供がいる金持ちながら良き警察官で、その恵まれた環境も仲違いの原因の一つとなってしまった)。弐式炎雷からナザリック地下墳墓発見の報告が上がった定例連絡会で、九人の自殺点の解散と新たなギルドの創設を提案。ギルド長にはモモンガを推薦して全会一致で承認され、以降はモモンガを支えながら一メンバーとして活動していた。武器は剣で、防具はコンプライアンス・ウィズ・ローとマフラーのような赤いマント(風も無いのにほぼ真横にはためく)。文字通り、空間を切り裂く一撃を切り札としている。

タブラ・スマラグディナ #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、アルベド・ニグレド・ルベドの三姉妹の製作者。九人の自殺点後続参加組の一人で、ユグドラシルでの種族はブレインイーター。単純な火力ではモモンガを上回る程の魔法詠唱者で、同時に頭脳派の大錬金術師でもあった。人の体に歪んだ蛸のような頭部を持ち、頭部の右半分は刺青で刻まれた何らかの崩し文字で覆い尽くされている。口脇からは太腿の辺りまでありそうな六本の長い触手が生えていて、青白く濁った目には瞳が無い。紫色が僅かに混じった死体の如き白い皮膚は、粘液に覆われているような異様な光沢を持つ。四本ずつ生えているほっそりとした指の間には、水かきがついている。アインズ・ウール・ゴウンにおけるギミック考案担当者の一人でもあり、ナザリック地下大墳墓内の細かなギミックの二割は彼の手による。凝り性なせいか異様に細かく作り込んでしまい、自由設定データ量を相当量食い潰して他のメンバーからブーイングが上がる程だった。その時は責任を取る形で課金アイテムを搔き集め、データ量を増やして事なきを得たらしい。普通に話していると賢くまともな人物なのだが、隠秘学的な事について造詣が深く、モモンガ相手に神話関係の無駄な雑学を垂れ流すなど、深く突っ込んでみると色々と濃い部分が表に出る人だったという。設定好き(趣味の一つであるTRPGに由来する)な上にギャップ萌えを信条としており、その要素がアルベドにふんだんに盛り込まれている。それだけにモモンガはアルベドの設定を弄った事を申し訳なく思っているが、彼女によればその程度の事は娘を嫁にやる気分で許すだろうとのこと。またホラー映画愛好者という面もあり(古典から最新まで幅広く見ている)、こちらはニグレドに強く反映されている。なおモモンガがギルド長に推薦された時は、逡巡する彼を後押しする個人メールを送っている。体にぴったりと合った革の光沢を持つ服は、黒一色に銀の装飾が施され、幾つものベルトがぶら下がっている。また、黒いマントを羽織るかのように前で合わせている。拷問道具を彷彿とさせる装備で身を包む悍ましい姿だが、これこそが彼の努力の結晶なのである。

ダンねー #13−4〜

 聖王国に住んでいると思われる、ネイアの数少ない友人の一人。詳細は不明。

チエネイコ #9−2〜 (声・中國卓郎)

 貴族派閥に所属する下級貴族で、上位者の腰巾着くらいしか能の無い男爵。キンキン響いて人を不快にさせる甲高い声をしており、バルブロにさえ使えない男と評されている。それでも一応は貴族の端くれとして領地を持っており、個人の兵力もそれなりにはあるらしい。アインズについて漆黒に意見を聞きに行くことを提案し任されるが、愚かにもナーベに手を出そうとして叩き出される醜態を晒す。

チグリス・ユーフラテス #8−2〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。迷宮探索を行う際、常に先頭を進んでいたらしい。

チャックモール #2−幕間

 ナザリック五大最悪の一柱・性格最悪で、騒がしい楽士。製作者はテンパランス。エーリッヒ擦弦楽団を率いているほか、玩具用(具体的には食用、拷問用など)の人間を欲しているらしい。

チョウスケ #2−3〜 (声・伊原正明)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された小鬼兵士の一人で、小鬼の騎兵の一人。レベル10。カルネ村周辺の草原を走り回り、早期警戒を行う任に就いている。毛皮付きの皮鎧と槍で武装している。

ツァインドルクス=ヴァイシオン #6−9〜 (声・山野井仁)

 白金の竜王(プラチナム・ドラゴンロード)の二つ名を持つ、評議国永久評議員の一人にして十三英雄の一人。通称ツアー。星の降る夜生まれ。職業はプリミティブ・キャスター、ワールド・コネクター、オーバード・ドラゴン、ソウル・アドラーなど。趣味は世界の観察。竜帝の子供であり、現存する最強の竜王の一人。十三英雄の仲間と旅をしていたのは彼が遠方から操っていた空の全身鎧で、正体を明かした時は全員が騙されたと憤慨したらしい。鎧を操ってギルド武器もしくはそれに匹敵するユグドラシルのアイテムの情報を探していたところ、洗脳を受け棒立ち状態だったシャルティアに遭遇し一戦交えた。これにより新たなプレイヤーの来訪を知った彼は、偶々遊びに来たリグリットに情報収集を依頼する。魔導国が王国への侵攻を開始した事を受けて、アズスから魔導王討伐を提案され了承。王都侵攻でアインズの周囲が手薄になった時を狙い、空の全身鎧を送り込み戦闘へ突入する。リク・アガネイアと名乗り(リクは十三英雄リーダーの名だが、アガネイアは特に意味は無い)アインズを土下座させるまでに追い込むが、それはパンドラズ・アクターの変身した影武者に過ぎず、全てアインズが用意した茶番に過ぎなかった。しかし彼は真実に気付くことなく多くの情報を与えてしまい、しかもアルベドの乱入で撤退せざるを得なくなる。その後もアインズが偽者だった事には思い至っていないようで、魔導王の底を見られたとして本体なら問題なく勝てると踏んでいる。ただアンデッドであるアインズやシャルティアはともかく、アルベドについては強く警戒している模様。温厚で慈悲深い性格だが大局を見据える冷徹な面もあり、必要なら知己の切り捨てや流血も辞さず、プレイヤーの殺害経験もある。ある竜王のグループとは概ね目的が一致しており協力する事もあるが、最終目標は異なるため仲はあまり良くない。幾つもの拠点を作り、それぞれで組織作りの実験を行っている(評議国もその一つ)。最も力を持っているのは東方であり、そこは腹心の竜王が経営している。空の全身鎧と浮遊武器(槍・刀・ハンマー・大剣)を使っての戦い方は超近距離戦特化型の戦士で、アインズたちの分析では攻撃よりも防御に優れたレベル80〜90程度の防御役職と推定されている。今や数えられるほどに少なくなった始原の魔法の使い手で、八欲王の遺したギルド武器の剣を守る役目に縛られていなければ、少なくとも転移後世界では最強と呼ばれる存在である(自分ではそこまでとは思っていない)。父や慈母たちの行いを間違っていると考え、自分が世界を守ると決めているようだが詳細は不明。法国、特に漆黒聖典の事はあまり快く思っていない。

ツアレニーニャ・ベイロン #2−1〜 (声・嶋村侑)

 非常に悪い噂しかない貴族に妾として連れ去られた元村娘で、ニニャの姉。下風月14日生まれ、年齢は十代後半。総合レベル(人間種なので種族レベル無し、職業レベルのみ)は3で、内訳はメイド(一般):1、奴隷(一般):2。趣味は無し(昔は綺麗な花冠の制作だった)。綺麗な艶やかさを湛えた金髪に青い瞳を持ち、全体的に愛嬌のある外見をしている。貴族に飽きられ八本指の管理する娼館に売られてからは、性奴隷というのも生温い生き地獄を味わう羽目になった。ほとんど正体を失いボロ雑巾のようになったため、布袋に入れられ神殿前に打ち捨てられる直前にセバスに遭遇。枯れ枝のような指で必死にセバスのスラックスを掴んだことで、彼女の運命は劇的な変化を遂げる事になる。まずソリュシャンの手で患っていた病(梅毒を含む3種類の性病、薬物中毒、臓器不全)と怪我(肋骨数本と指の骨にヒビ、両足の腱切断、上下前歯欠損、裂肛、多数の打ち身や裂傷)は全て治癒され、気付かず孕まされていた赤子も食われて処女に戻された。そしてセバスの元でメイド見習いをする内に少しずつトラウマを克服していき、当初はたどたどしかった言葉遣いも正常に戻っていく。彼女の今後を決めるに当たりアインズが面接を行った際、世話になったニニャの実姉だという事実に気付き、明言はされないが恩を返すという形でナザリック預かりとなる(人間の世界に戻りたくないという彼女の意志も尊重された)。以後は住居としてナザリック地下大墳墓第九階層の使用人室の一つを与えられ、セバス直轄の仮メイドとしてペストーニャの指導を受けており、ナザリックで料理ができる希少な人材の一人となる。魔導国首都となったエ・ランテルではセバスの副官として動き、行く行くは現地雇用のメイドたちを指揮・監督するナザリック外メイド長となる予定。自分を助けてくれたセバスには深い恩義と好意を抱いており、彼になら殺されても構わないと考える程。幸せの絶頂を満喫中なので笑顔を絶やす事が無いが、卑屈な態度で許しを請う生活が長かったせいで、他人とコミュニケーションを取る感覚が中々取り戻せずにいる。妹の事は少し気になるものの、思い出すと嫌な記憶まで芋蔓式に蘇ってくるので考えないようにしている。なお彼女自身が気付いているかは不明だが、一般メイドたちからは尊い仕事を奪いに来た部外者と見做されている。アインズの命が下っているので表立って態度には示さないが、たまに内心が微かに顔を覗かせる時があるという。エ・ランテルに常駐するようになってからは、アインズの傍まで来れたのに仕えられなかった哀れな女と言われている。着用しているメイド服は一般メイドと同じものだが、涙を拭ってもらった白いハンカチを結び付けており、セバスから渡された彼と同じ白い手袋を身に付けてもいる。

ティア #5−1〜 (声・石上静香)

 王都を拠点としているアダマンタイト級冒険者の盗賊で、蒼の薔薇の一員。住居は王都。職業は盗賊、暗殺者、忍者など。趣味はストーキング。双子のティナと共に影に潜めし双殺と称される、元イジャニーヤの頭領三姉妹の一人。ティナとは当然ながらそっくりで髪の長さもほとんど同じだが、同性愛者と思われる描写がある。狙われれば確実に殺されると評判の凄腕暗殺者であり、命の喪失に心動かされることは滅多に無い。ラキュースの暗殺を果たそうとして返り討ちに遭い、説得を受け入れて冒険者となった。当初こそ隙を突いて殺す腹積もりだったが、次第に冒険者の生活も悪くないと考えを改めていき、本当の意味で暗殺家業から足を洗った。今では仲間のためならば、死ぬ事さえも惜しくないと思っている。盗賊系の特殊技術に長けた熟練の暗殺者であり、指のみを使う特殊な手話もお手の物。特に姉妹間では速度も語彙も他者の追随を許さず、しかもそれを日常会話レベルで扱えるので秘密の雑談などによく使用している。八本指の施設襲撃時にエントマと交戦するガガーランを発見し合流するが、終始劣勢で次第に追い詰められていく。しかしイビルアイが参戦した事で形勢が逆転、今度はエントマを追い詰める。しかし止めを刺す寸前にヤルダバオトが現れ、エントマを逃がされた上にガガーランと共に焼き殺されてしまった。ラキュースに蘇生はされたもののレベルダウンしてしまい、王都での戦い終結後はレベルを元に戻すべく奮闘する。魔導国の王都侵攻が始まるとラキュースの意志で徹底抗戦する流れになるが、内心では他の仲間たちと同じく抗戦には反対であり、協力してラキュースに魅了を施し遙か遠方の廃王都へと脱出した。フル装備時は忍者装束に似る黒いローブを脱ぎ、一目で超が付くと分かる逸品で身を飾る。野生の獣を思わせる、まるで音のしない滑らかな動きが自然と身に付いている。

常闇の竜王(ディープダークネス・ドラゴンロード) #7−幕間〜

 八欲王との戦いに参加せず、現在も生き残っている竜王の一人。300年前にプレイヤーを殺害したことがある。二十の一つである世界級アイテムを保持しているほか、非常に強力な独自の始原の魔法を操る。現在は巨大地下洞窟にずっと引き籠っており、何をしているのか全く分からない。

ディエル・ガン・ズー #12−3〜

 アベリオン丘陵に住んでいる豚鬼で、ガン・ズー部族の長。ヤルダバオトに生き地獄を味わわされた事で心が折れているが、長としての判断力までは鈍っていない。

ティトゥス・アンナエウス・セクンドゥス #3−3〜

 最古図書館を管理しているNPCで、司書長を務めている骸骨の魔法使い。身長150cmほど。製作系に特化して作り出された存在で、レベル的には死者の大魔法使いである司書たちよりも上である。サフラン色のヒマティオンを三枚身に付け(一枚は全身に纏い、一枚はフードのように被り、一枚は腰に巻き付けている)、腰には帯剣するように複数の巻物をぶら下げている。他にも七色の宝石の嵌った白銀のブレスレット、黄金のアンク十字付きネックレス、指に巻き付くような複数の異様な指輪、腰のヒマティオンに付いている宝石といった、中々の魔力を持つマジックアイテムを装備している。巻物の材料であるユグドラシル製羊皮紙の代用品候補をデミウルゴスから渡され、それぞれで巻物作成の実験を行っている。

ティナ #5−1〜 (声・富田美憂)

 王都を拠点としているアダマンタイト級冒険者の盗賊で、蒼の薔薇の一員。住居は王都。職業は盗賊、暗殺者、忍者など。趣味はストーキング。双子のティアと共に影に潜めし双殺と称される、元イジャニーヤの頭領三姉妹の一人。ティアとは当然ながらそっくりで髪の長さもほとんど同じだが、ショタコンと思われる描写がある。。狙われれば確実に殺されると評判の凄腕暗殺者であり、命の喪失に心動かされることは滅多に無い。ラキュースの暗殺を果たそうとして返り討ちに遭い、説得を受け入れて冒険者となった。当初こそ隙を突いて殺す腹積もりだったが、次第に冒険者の生活も悪くないと考えを改めていき、本当の意味で暗殺家業から足を洗った。今では仲間のためならば、死ぬ事さえも惜しくないと思っている。盗賊系の特殊技術に長けた熟練の暗殺者であり、指のみを使う特殊な手話もお手の物。特に姉妹間では速度も語彙も他者の追随を許さず、しかもそれを日常会話レベルで扱えるので秘密の雑談などによく使用している。ヤルダバオトの王都襲撃時は、ラキュースと共に冒険者たちの先頭に立ってモモンたちの支援を行った。魔導国の王都侵攻が始まるとラキュースの意志で徹底抗戦する流れになるが、内心では他の仲間たちと同じく抗戦には反対であり、協力してラキュースに魅了を施し遙か遠方の廃王都へと脱出した。フル装備時は忍者装束に似る黒いローブを脱ぎ、一目で超が付くと分かる逸品で身を飾る。野生の獣を思わせる、まるで音のしない滑らかな動きが自然と身に付いている。

デイバーノック #5−2〜 (声・真木駿一)

 八本指警備部門の構成員で、不死王の異名を持つ六腕の一人。自然発生した死者の大魔法使いで、その目的は魔法をより使いこなし、生来備わっている以外の技術を習得する事。誰かに技術を教わる対価となる金銭を、旅人を襲ったり傭兵団に紛れ込んだりして稼ごうとするが、どちらも軌道に乗る前に頓挫。途方に暮れていたところでゼロに声を掛けられ、八本指の一員となった。技術を教えてくれる人物を紹介してもらい報酬も払ってもらう代わりに、組織のために力を使うという契約を結んだのである。サキュロントの敗北で傷付いた六腕の名誉回復を目論むゼロの命で、他のメンバーと共にセバスの公開処刑を担当する。クローク・オブ・ファイヤープロテクションを纏っているほか、オーブ・オブ・マジックブースターと逸れる指輪を所持している。

ティラ #3−2〜

 暗殺者組織イジャニーヤを纏める頭領で、ティアとティナの姉。妹たちと同様に忍術の使い手で、かつては三姉妹で頭領を務めていた。経緯や時期は不明だが魔導国の傘下に入ったようで、貸し出されたハンゾウにメインで鍛えられている模様。

テオ・ラケシル #3−3〜 (声・櫻井トオル)

 元冒険者の魔法詠唱者で、エ・ランテルの魔術師組合長。非常に痩せぎすで、神経質そうな線の細い容貌をしている。カジットたちが起こした事件を解決したモモンの実力を正当に評価し、アダマンタイト級でも遜色なしと判断していた。更に個人的に町の住人として感謝を示すなど、一団体の長に相応しい度量を持った好人物。モモンが吸血鬼への切り札として取り出した、第八位階魔法入りの魔封じの水晶に狂乱するほどの興味を抱き、親友のアインザックをも怒らせるほどの執着を見せる。以前にブリタが証言した下級治療薬についてリイジーに聞き取りを行った際、赤い下級治療薬について熱く語る彼女を若干冷ややかに見ていたが、自身が醜態を演じてからはそれを恥ずかしく思うようになった。エ・ランテルが魔導国首都となって以降、ほとんどの所属組合員たちやマジックアイテムを他国へ送り出すなどしたが、彼自身は残って親友のアインザックと数々の予測される難題への対処を相談していた。しかしアインザックの元にアインズが訪れ魔導国が目指す未来について語ったことで、アインザック同様に彼も大いに魅了されてしまう。以後はアインズに協力するアインザックに彼も同調し、将来的にはアインザックと二人で冒険者に復帰し、未知の探求に旅立ちたいと思うまでになる。

デクリメント #11−1〜

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。製作者はヘロヘロ。活発そうな顔付きで、マニッシュなショートカットがよく似合っている。無邪気そうな目をキラキラさせて日々動き回っている姿は小動物的な可愛らしさがあり、ユリは彼女を見掛けるとつい微笑んでしまう。インクリメントが読書する背中に張り付いている事もあり、その様は非常に温かいものを見る者に感じさせる。

デズン #1−3〜

 法国に仕える兵士で、陽光聖典の作戦に参加した部隊の一員。バハルス帝国騎士に扮して村々を襲撃し、ガゼフを誘き出す囮役を務める。突如現れた死の騎士の恐ろしさにパニックになりかけたが、ロンデスの指示で正気に返り撤退の準備に入る。モーレットと共に従者の動死体になりつつある同僚の首を刎ねようとするが、その前に死の騎士の攻撃であっけなく殺された。

デミウルゴス #1−2〜 (声・加藤将之)

 ナザリック地下大墳墓第七階層守護者を務めるNPCで、炎獄の造物主と呼ばれる最上位悪魔。身長181cm。製作者はウルベルト・アレイン・オードル、住居はナザリック地下大墳墓第七階層赤熱神殿。属性は極悪、カルマ値は−500。総合レベルは100で、内訳は種族レベルが取得総計35(小悪魔:10、最上位悪魔:5など)、職業レベルが取得総計65(カオス:10、闇の貴公子:10、シェイプシフター:10など)。日に焼けたような色の肌を持つ東洋系の顔立ちで、漆黒の髪はオールバックに纏め丸眼鏡をかけている。糸目というより閉ざしたような目をしているが、眼窩には輝くような無数の小さい辺を持つ宝石が嵌っている。細マッチョともいえる筋肉が引き締まった肉体を持ち、後ろからは銀のプレートで包んだ尻尾が伸び、先端には棘が六本生えている。また悪魔として複数の形態を有しているようで、第二段階と思われる半悪魔形態は蛙じみた顔と濡れたような皮膜の大きな黒翼を持つ。第三段階の完全異形形態はアインズ・ウール・ゴウンにおいて最もおぞましい悪魔の姿らしく、漢の浪漫最強と言われているが詳細は不明。人の心に滑り込むような深みと引き込まれるような張りのある声をしており、これには支配の呪言が込められている。慇懃な口調も相まって一見紳士然としているが、その邪悪さは歴然であり常時周囲に揺らめくような浅黒い炎を撒き散らしている。異世界転移後間もない頃にアインズが呟いた世界征服という言葉を真に受け、それをアインズの真意としてナザリック全体に広めてしまった張本人。防衛時におけるNPC指揮官という設定があり、アルベドと並んでナザリック最高峰の頭脳を持つ切れ者だが、自分ではどちらかというと器用貧乏タイプだと思っている。他人の思考を見抜く優れた観察眼も持っており、それが通じないのは彼が知る限りアインズとアルベドのみ。各階層の情報共有システム(異世界転移前は存在していなかった)の総責任者でもあり、アルベドとも協力してより完璧なものを構築するよう命を受ける。他にも巻物用羊皮紙の調達及び量産方法確立、治癒魔法の実験に魔王(ヤルダバオト)作成など、幾つもの重要任務を任されていて守護者中最も多忙な身。後の魔導国建国に際しても、そこに至る最も効果的な道筋を立案し見事に実現させている。そして聖王国にて入念な下準備を行い、ヤルダバオトを利用してアインズの名声を更に高めつつ、聖王国を事実上乗っ取る事に成功している(第一段階でアベリオン丘陵と亜人たちを完全支配し、邪魔になり得る種族は殲滅しつつ、聖王国に南北対立の火種も仕込んでおく。第二段階で南北の明確な対立と抗争を起こし、第三段階で魔導国による完全統治達成)。そうした関係でナザリック外で活動していることが多く、ナザリック内にいる事の方が珍しい(連絡は可能らしいが)。聖王国の件が落ち着いた後は諜報・情報機関の設立に向けて尽力しており、一方でエ・ランテルに潜入してくる法国・王国・都市国家連合の諜報員への対処、評議国・法国・都市国家連合に関する謀略のプランニング等も担当している。創造主たるウルベルトは勿論、至高の四十一人への忠誠心はNPCたちの中でも人一倍高い。またアインズを自分を超える神算鬼謀の主だと信じきっており、時折起こる偶然の作用もあってその思いは天井知らずの上昇を続けている。自分の考える事は全てアインズも承知しているという前提で物事を進めるので、彼の理想を裏切りたくないアインズとしては気苦労が絶えない。自分と同じ至高の四十一人に生み出されたNPCたち(一応はナザリック所属のシモベも含む)に限り、共に忠義を捧げる大切な仲間として優しく接する(創造主のウルベルトとたっち・みーの仲が悪かったためか、セバスだけはやや毛嫌いしてしまう傾向がある)が、ナザリック外の存在に対しては情の欠片も抱く事は無い。それどころか捕らえた生物(種族は問わない)を精神的にも肉体的にも徹底的に嬲り、残虐な人体実験や拷問で地獄の苦しみを味わわせ、仲間同士で裏切り殺し合うさまを見て楽しむ。人間種と亜人種による交配実験の最中には、家族に子供を差し出させ丸焼きにして目の前で別家族に食わせるなど、その悪逆非道さは正に悪魔そのもの。故に武士道を重んじるコキュートスとは相反しそうなものだが、何故か不思議と馬が合い守護者の中では最も親しくしている。それと意外にも大工の真似事が好きで、様々な細工品から家具まで幅広く拵えており(骨だけで組み上げた玉座、溶岩を流し込めるアインズの銅像、様々な種類の椅子、万力など)、その腕前は最早日曜大工の範疇には収まらない。世界征服が成った暁には空を所望するとしているが、その真意は不明。直接的な戦闘力は守護者の中で最下位(実質的には第六位でアウラと並ぶ)で、第十位階魔法も二つしか使えないが、彼の真価は特殊技術にある。それに命令でもなければ、必勝の土台を用意できない時は戦うべきではないとしており、彼が戦うのは確実に勝利できる絶対の自信がある場合のみ。本気で戦闘を行う際の武装に付いては不明だが、普段は三つ揃えのスーツを着用しネクタイまで締めていて、やり手のビジネスマンや弁護士を思わせる切れ者の雰囲気がある(スーツ以外の服は持っていない)。ちなみに、副料理長がマスターを務めるショットバーの数少ない常連の一人。

テンパランス #プロローグ 下〜

 至高の四十一人の一人で、チャックモールの製作者。九人の自殺点後続参加組の一人。自身の外見を評してかこっそり「暗闇の調べ」と自称していたらしいが、これを知っていたのはチャックモール及びエーリッヒ擦弦楽団のメンバーだけである(モモンガでさえ知らなかった)。

トーケル・カラン・デイル・ビョルケンヘイム #ドラマCD2〜 (声・山下誠一郎)

 ビョルケンヘイム伯爵家の嫡男で、次代の跡継ぎ。アンドレ曰く、顔立ちは母親に似て美形である。成人の儀に臨むに当たり、幼い頃から父に武勇伝をよく聞かされていたアンドレをお供に指名した。冒険者に護衛を依頼すべくエ・ランテルに立ち寄るが、偶然ナーベを見掛けて一目惚れしてしまう(彼女に惚れた男としては4人目であり、1人目はモモンに殴り掛かって勝手に拳を痛めたらしい)。速攻で告白し即座に断られるが、諦めきれず漆黒に護衛を依頼して悪足掻きを試みる。ナーベのパートナーであるモモンに嫉妬し刺々しい態度を取るも、道中でナーベの覚悟を聞かされて衝撃を受けた上、ギガント・バジリスクに単身立ち向かうモモンを見て、自分の卑小さを思い知り悔い改めた。後に家を継いで子供たちが生まれてからは、モモンの偉大さや素晴らしさを彼らに語って聞かせている。自分たちが使う金が領民の血税である事を承知しており、余ったら必ず返還し無駄遣いしないと公言するなど性根は悪くない。

土神 #5−1〜

 元ユグドラシルのプレイヤーで、六大神の一角。土属性を振られている。

世界の頂点(トップ・オブ・ザ・ワールド) #8−2〜

 戦用双角獣王(ウォーバイコーンロード)とも言うべき存在で、アルベドの専用騎獣。レベル100。普通の双角獣に比べて角が立派で、身体も全体的に引き締まっている。馬用の全身鎧を着用しており、鞍や手綱も着けているほか、移動速度向上のマジックアイテムも装備している。アルベドの能力に合わせて体力・筋力・敏捷性が強大化されているが、基本的な能力は普通の双角獣と何も変わらず、特殊能力が増えているといった事も無い。当然ながら騎乗できるのは召喚者たるアルベドだけであり、他人が無理に乗ろうとすると強制帰還してしまう。だがアルベドに異性経験が無いのが災いし、双角獣の性質から彼女を乗せられなくなってしまっている。なお個体名は当初は無かった(必要性を感じていなかった)のだが、アウラの提案でアルベドの気持ちを込めた名前を付けられた(アインズの許可が得られればと話していたが、その後許可を貰えたかどうかは不明)。

ドミニク・イーレ・パルトゥーシュ #10−幕間〜 (声・浜添伸也)

 法国の最高執行機関の一員で、風神を崇める風の神官長。温厚そうな老人然とした風体とは裏腹に、陽光聖典に所属して数多の異種族を滅ぼした聖戦士。その憤怒は烈火のごとく、その殺意は氷雪の如しといわれる。

ドミンゲス #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる、伯爵位を持つ貴族。カリンシャ奪還が行われた後、5万の軍勢を率いてカスポンドの下に馳せ参じる。

ドラウディロン・オーリウクルス #9−1〜

 黒鱗の竜王(ブラックスケイル・ドラゴンロード)と称される、竜王国を治めている女王。始原の魔法を行使できるので竜王と呼ばれているが、それ以外は一般人と何ら変わりなく、真にして偽りの竜王ともいわれる。老若男女問わず保護欲を刺激できるという理由で、臣下の前では幼女形態で演技している(発案が彼女自身なのか宰相なのかは不明)。しかし本当の姿は列記とした大人であり(男受けは良いが女受けは悪いらしい)、幼女でいるのは多大な精神的疲労を伴う。そんな彼女の本心を知ってか知らずか、ジルクニフの脳内嫌いな女ランキング第二位に位置しており、若作り婆と揶揄されている。近隣のビーストマンの国に攻められている自国の現状に悩まされており、今のままでは地獄しか待っていない未来に絶望しかけている。また竜王国唯一のアダマンタイト級冒険者であるセラブレイトがロリコンなせいで、遠からず自分自身で彼の欲望を満たさねばならなくなることに辟易してもいる。

トランジェリット #11−5〜

 フェオ・ベルカナの王城に居座っている霜の竜の一体で、オラサーダルクとムンウィニアの子。オラサーダルクの子供の中では最も肉体的に強いが、頭の出来が良くないらしい。

ドンバス #12−3〜

 アベリオン丘陵に住んでいる豚鬼で、ガン・ズー部族の一員。ディエルに対等に意見している事から、長に近い立場にいると思われる。

ナイウーア #14−2〜

 エ・ナイウルを治めている、伯爵位を持つ王国貴族の一人。年齢は40歳超。日に焼けた体は引き締まっているが、磯の香りを漂わせる海の男という風体をしている。前髪と頭頂部の髪は殆ど残っていないが、左右と後ろには豊かだった頃の名残があり、それらで頭頂部の地肌を少しでも隠そうとしている。普段は威厳皆無な口振りで話すので、上級貴族の服を纏った見た目には全くそぐわない。しかし公式の場では口調を改め爵位に相応しい威厳と自信を纏える上、頭の回転もかなり速く冷静な状況判断能力を持っている。正妻と側室がおり、長男と12歳の三男は正妻の、次男と長女は側室の子供である。あと5年ほどしたら長男に家督を譲って隠居する予定だが、長男には彼ほどの優秀さが無いので不安視されている(経験を積めば父に勝ると見ている者もいる)。魔導国の侵攻が迫っていることを知ると、都市内の全魔法詠唱者に都市防衛への参加を要請し、傘下に魔法詠唱者だけの部隊を作り上げた。その中では冒険者の魔法詠唱者が最も多く、特に経験豊富で都市内最高位のチームでもある四武器に部隊の指揮を任せている。ちなみに大虐殺の際は自身や家族は参加しておらず、信頼できる家臣に兵を預けて送ったので辛くも死を免れている。

ナーベラル・ガンマ #1−1〜 (声・沼倉愛美)

 六連星の三女で、本性は二重の影。身長164cm。製作者は弐式炎雷、住居はナザリック地下大墳墓第九階層使用人室(戦闘メイド用)。属性は邪悪、カルマ値は−400。総合レベル63で、内訳は種族レベルが取得総計1(二重の影:1)、職業レベルが取得総計62(戦士:1、ウォー・ウィザード:10、エレメンタリスト{エア}:10、アーマード・メイジ:10など)。普段は十代後半から二十代くらいの外見で、お淑やかそうな雰囲気に異国情緒漂う人間離れした美貌を持つ(ラナーに匹敵するといわれる)。すっと線を引いたような切れ長の瞳は黒曜石のような光を放ち、豊か且つ濡れたような黒髪をポニーテールにしている。きめ細かい色白の肌は、真珠のような艶と輝きを持つ。ただ気を抜いた状態だと目は力なく垂れ下がり、ポニーテールもへにょりとなってどことなく本性を彷彿とさせる、まんまる卵の戦闘メイド。アインズの命でモモンの唯一の仲間・ナーベ(アダマンタイト級昇格後は美姫と称される)として行動する事になるが、かなり意識して注意しないとすぐに敬語を交え「アインズ様」「モモン様」と呼んでしまう(当初は逐一咎められていたがしばらくして諦められた)。またアインズに失礼な態度は一瞬でも見せられない上、アインズに無礼を働いた者をどうするかの判断や周辺への警戒等、常に全神経を総動員して任務に当たっている。よって留守番時やたまに自室に帰った時は気が抜けるのか、ソファーに座って口を半開きにしたまま、中空をじっと見つめる形でぼーっとしている。基本的にはアインズに随行する形で表立った活躍はしていないが、エ・ランテルの墓地ではカジットと骨の竜2体を容易く葬り格の違いを見せつけている(ゲヘナの際にもヤルダバオト配下のメイド悪魔3体と互角に戦っているが、これは身内同士の茶番に過ぎず戦うフリをしていただけ)。アインズ不在時は主に黄金の輝き亭で囮兼留守番をしていたが、魔導国建国後はナザリック地下大墳墓に戻りアインズの命令を実行している(たまに元都市長屋敷別宅で留守番をすることも)。人間を何の価値も無いゴミ同然の下等生物と断じており、必要に応じて呼ぶ時も色々な虫の名で冷たく呼び捨てる。そもそも下等生物の個人名を覚える必要はないと考えていたせいだが、ゲヘナの際に姉妹たちが関わる人間の名をきちんと把握している事実を知って衝撃を受け、少し考えを改めるべきかと思い直している。ナンパしてきた男に大怪我を負わせたりスリの手を潰したりと、無意味に関わってくる人間には全く容赦が無いが、積極的に甚振る趣味は無く基本的には無視する。アインズの妃にはアルベドが相応しいと考えているほか、製作者同士の仲が良かったためかコキュートスと親しく、二人だけにするとノリでイメージと乖離した行動を取る事がある。第八位階魔法まで使用できる(ナーベの時は第三位階までという設定にしている)が、習得している魔法の大半が雷特化の戦闘用であり、汎用性を落とした分だけ威力を上げる職業構成になっている。武器はケラウノスMk−Vで、銀・金・黒色の金属製の手甲や足甲、漫画のようなメイド服をモチーフにした防護優先の鎧を纏い、頭にはホワイトブリムを乗せている。ちなみにナーベとして行動する際は、何の変哲もない深い茶色のローブ(速攻着替え仕込み)を纏う。

ナザミ・エネック #7−2〜

 帝国四騎士の一人で、不動の二つ名を持つ戦士。防衛戦においては四騎士最強と言われ、多種のエネルギー系攻撃にも耐えられる最硬の騎士。左右の手に持った盾で戦う防御重視の戦闘スタイルだが、これは昔見た事がある戦士の真似をしているだけだという。

ナスレネ・ベルト・キュール #12−1〜

 氷炎雷の二つ名を持つ魔現人の女王で、亜人連合軍では十指に入る強者の一人。属性は悪(聖剣サファルリシアの切り札で目が眩んでいた事から)。ヴィジャーの見立てでは寿命の半分くらいには至っており、肌年齢や加齢臭を化粧や香水で誤魔化しているきらいがある。自身が女性であることを利用し、チャンスがあればヤルダバオトに取り入って子供を孕み恩寵を得たいと考えている。強者故にこれまでの人生で命の危険を感じるような窮地に陥ったことは無く、特に逃走用の魔法は習得していない。ちなみに彼女の二つ名は、氷・炎・雷の三属性を同時に操れる事に由来すると思われる。アームバンド・オブ・デスガードを含む、幾つかのマジックアイテムを保有・装備している。

ナテル・イニエム・デイル・カーベイン #9−2〜 (声・田島章寛)

 帝国の第二騎士団を率いる将軍で、アインズ参戦時の王国との戦争における最高指揮官。髪が完全に白く染まっている壮年の男性で、穏やかな雰囲気を醸し出している。品の良い貴族というイメージが強く、騎士の鎧もあまり似合わない。事実日陰者の貴族だったのだが、先代皇帝に才を認められ出世した。個人としての武勇は無きに等しいものの指揮能力は高く、戦えば決して負けないと言われている。故に第二軍の士気は非常に高く、所属の騎士たちの行動には彼への敬意が滲み出ている。

ニグレド #2−幕間〜

 氷結牢獄の一室に住んでいるNPCで、アルベドやルベドの姉。製作者はタブラ・スマラグディナ。身長170cm。100に近い高レベルの魔法詠唱者で、情報収集などの調査系に特化した職業構成となっている。長い黒髪を持つ黒の喪服を着た女性だが、素顔は皮膚が無く筋肉剥き出しで当然唇も瞼も無い。よって真珠のように綺麗な歯も煌めく瞳も、全体として気持ち悪さを助長するだけとなっている。氷結牢獄の地上部分を管理する領域守護者で(基本的に氷結牢獄の外に出ることは許されていない)、彼女の住む部屋には赤ん坊用の揺り籠以外何も無いが、床や壁に無数の腐肉赤子が潜み彼らの泣き声が常に響き渡っている。部屋の入口には扉を中心に優しげな母親が赤ん坊を抱くフレスコ画が描かれているが、漆喰が所々剥がれ落ちて無惨な姿になっており、赤ん坊の姿は僅かに残骸のようなものがあるのみ。なお誰かが彼女の部屋に入ってしばらくすると狂乱が始まり、敵味方問わず自分の子供を攫った犯人として襲い掛かる設定になっている(初見時はアインズのみならずギルドメンバー達も悲鳴を上げた程で、全員で全力攻撃を仕掛けたらしい)ので、鎮めるための人形が必須となる。部屋の少し手前で壁に手を差し出すと、白く透明な手が突き出され人形を渡してくれる仕様になっている(侵入者などの敵の場合でも渡してもらえるかどうかは不明)。ちなみに人形は赤ん坊のカリカチュアだが、キューピッド人形を大きく歪めたもので、大きなぎょろ目が気持ち悪い。設定のせいもあってか赤ん坊には無条件で優しいが、二歳を超えた辺りで愛情は消え失せ処理すべき肉塊と見る性質がある。ゲヘナにおいて捕らえた人間の内、幼子を殺すことにはペストーニャと共に強硬に反対し、願いを聞き入れられた代わりにしばらく自領で謹慎処分となった。謹慎が解けた後は、魔導国で設立する孤児院の運営に協力する事となる。魔導国の王国侵攻時には町村の住民を皆殺しにしていく作戦を看過できず、ペストーニャと共にアインズに直談判を試みた結果、エ・ナイウルにおいてのみ皆殺しを免れた。アルベドとの姉妹仲は良好だが、ルベドの事はスピネルと蔑称で呼ぶほどに嫌っており、必ずナザリックに災厄を齎すと考えている。武器は巨大な鋏で、歩幅の異常に大きく開いた走り方をする。製作者の設定により、ナザリック外の者に対しても慈悲を持つ数少ない例外の一人。

ニグン・グリッド・ルーイン #1−2〜 (声・子安武人)

 法国に仕えている魔法詠唱者で、陽光聖典を率いる隊長。人込みに埋没しそうな平凡な顔立ちだが、感情を一切感じさせない人工物のような瞳をしている。頬には傷が一つ走っており、これはかつて蒼の薔薇との交戦でラキュースに付けられたもの。治癒魔法で傷跡を消す事もできたが、己の敗北を忘れないようあえて残している。上層部よりガゼフ抹殺の任務を受け、部隊を率いて密かに王国に潜入。帝国騎士に扮した囮部隊に村々を襲撃させ、誘き出されたガゼフが村に入ったところで村ごと始末しようとする。人間種救済という大義を掲げてはいるものの、自身の信仰と目的のためならいかなる手段も厭わない無慈悲で冷酷な性格。幾多の死線を潜り抜けた強者で、英雄の領域にこそ入れていないものの、無数の命を奪ってきた歴戦の殺戮者である。だが常に命を奪う側であったため、奪われる側に回る可能性など考えた事も無い。召喚モンスターの強力化という生まれながらの異能を持つ。

弐式炎雷 #2−2〜

 至高の四十一人の一人で、ナーベラルの製作者。ユグドラシルでの種族はハーフゴーレム。九人の自殺点初期メンバーの1人で、武人武御雷と仲が良かったザ・ニンジャ。職業は二刀忍者で常に忍者装束に身を包み、異様な覆面をしている。故に素の姿を見た者は、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーでも少数。その肉体はさほど頑張って作ったわけではないので、全体的につるりとしている。ナザリック地下墳墓を発見した功労者で、ギルド創設が決まる直前に連絡会でそれを報告した。探知系には一歩譲るものの、彼の目を誤魔化せるほどの隠密系特化はそうはいない。愛刀は天照と月読だが、切り札として素戔嗚も持っている。ギルド内でも屈指の攻撃力を誇り、隠密と併用すれば一撃に限り武人建御雷を上回る攻撃力を発揮する。とはいえ隠密と攻撃に特化したドリームビルダーで、カットスロートによるダメージ倍増もあって防御力はゴミ。紙装甲高速機体の火力特化に魅力を感じる変人で、察知されたら一瞬で死ぬギリギリ感がたまらないらしい。ちなみにアーベラージのプレイヤーでもあり、紙装甲・高機動(速度増加目的でレーダーも排除)・高火力で肉眼視界オンリーの機体ながら、紫色の称号を持つ上位ランカーで超上級者である。

ニニャ #2−1〜 (声・田村睦心)

 エ・ランテルを拠点としている銀級冒険者の魔力系魔法詠唱者で、漆黒の剣の一員。チームの頭脳であり、チーム名の発案者でもある。濃い茶色の髪に、青い瞳と白い肌を持つ美人(冒険者チームに異性がいると揉める事があるので、男装して隠している)。チーム内では最年少だがエ・ランテルでは天才と言われるほどに有名で、「術師(スペルキャスター)」の二つ名を持つ(ペテルの命名らしいが、当人は恥ずかしく思っている)。元は単なる村娘で両親を早くに亡くし、姉のツアレと貧しくも助け合って暮らしていた。しかし姉が非常に悪い噂しかない貴族に妾として連れ去られ、姉を救う手段を求めて村を出奔。幸いにも魔法適性という生まれながらの異能のおかげで、その才能を看破の魔眼を有する師匠に見出され魔法詠唱者となった。冒険者になったのはツアレを探し出して救出するためであり、彼女の名前は姉の名を一部捩ったもので本名ではない。またツアレを貴族に攫われて以降、心から笑う事が出来ないでいる。ンフィーレアの依頼をアインズ経由で引き受け、無事に完了させてエ・ランテルに帰還するが、ンフィーレアを拉致しに来たクレマンティーヌに拷問され嬲り殺されてしまう(他の仲間はすぐに殺され、カジットに動死体にされた)。カルネ村への道中ではアインズに親しみと敬意を抱くようになり、アインズに魔法・武技・冒険者・周辺国家・文明といった様々な転移後世界の常識を教えた。また日頃から書き溜めていた日記は彼女の死後アインズの手に渡り、アインズが一般常識を学ぶのに大いに役立った。よってアインズは彼女に大きな恩義を感じており、後にツアレへの厚遇という形で恩返しが為される事となる。スタッフやダガーを武器に皮の服を着ているくらいの軽装だが、ベルトには奇妙な形の瓶や変わった形の木工細工など、様々な奇怪なものをぶら下げている。

ニューロニスト・ペインキル #1−E〜 (声・玄田哲章)

 ナザリック五大最悪の一柱・役職最悪で、特別情報収集官(拷問官)を務める脳食い。住居はナザリック地下大墳墓第五階層氷結牢獄内真実の部屋。属性は邪悪、カルマ値は−425。総合レベル23で、内訳は種族レベルが取得総計7(脳食い:7)、職業レベルが取得総計16(司祭:3、医師:10、ゴッドハンド:3など)。氷結牢獄の地下部分を管理する領域守護者で、人のような体ではあるが溺死体のように膨れ上がっており、皮膚も溺死体のような濁った灰色(白色)の悍ましい化け物。頭部は歪んだ蛸にも酷似した何かで、太腿の辺りまである六本の長い触手がうねっている。触手の根元には鋭く尖った牙が並ぶ口があり、中にはストローを思わせる一本の管が舌のように収納されている。この管は産卵管も兼ねており、生物の脳に突き刺して卵を産み付ける。卵からは線虫のような子供が孵化し、特殊な溶液を分泌しつつ脳を食い荒らすので、宿主にされた生物は動死体のような動きをする。やがて頭蓋骨いっぱいの大きさになったら、骨を溶かして外へ出てくる。それからは親の庇護の下で暮らすか、樹上に潜んで下を通る生物に襲い掛かり脳を食べる生活を送る事になる。なおこの線虫はさほど強くなく退治自体は容易であるほか、大人になると特殊な溶液は出せなくなる。ほっそりした四本の指には水掻きが付いていて、長い爪にはマニキュアが綺麗に塗られ奇怪なネイルアートが施されている。全身がやたらと冷たくぬるりとしているが、香水でもつけているのか花の良い香りを漂わせている。青白く瞳の無い濁った目で、男とも女ともつかない濁声で喋る。女性を思わせる甘ったるい言葉遣いで、アインズを愛しアルベドやシャルティアをライバル視しているが性別は無い。氷結牢獄送りとなったニグンたち陽光聖典からの情報収集、及び彼らの管理を行っている。またヒルマを始めとする八本指の首脳陣に対し、尋問もしくは何らかの洗礼を行ったと思われるが詳細は不明。請負人たちが墳墓調査の名目で侵入してきた時は、転移されてきたヘビーマッシャーの魔術師を拷問し、他の仲間(ヘビーマッシャーの戦士や神官と思われるが、具体的な描写は無い)と一緒にアインズを讃える聖歌隊の一員とした。魔導国が王国へ侵攻した際は、ザナックの首を持ってきた貴族たちとその家族の対処を任されている(自ら死を望むまで絶対に殺さないように、また死を望んでもしばらく殺さないように、と言付けられた)。アインズからは少し話が長いと言われているほか、玩具用(具体的には食用、拷問用など)の人間を常に欲しているらしい。黒い革で出来た帯を服のように纏っているが、肉料理に使う糸の如く肌に食い込んでおり、その様は悍ましい限りで吐き気を催すほど。

ニンブル・アーク・デイル・アノック #7−2〜 (声・笠間淳)

 帝国四騎士の一人で、激風の二つ名を持つ戦士。中火月8日生まれ。住居は帝都一等地。職業は貴族戦士、ライダー、司祭など。趣味は茶会の開催、美味しいお茶の探索。騎士の典型ともいえる端正な顔立ちで、引き締まった唇は屈強な意志を感じさせる。微かな風に戦ぐ金髪に、深海を思わせる青の瞳を持ち、容姿に似合った清廉な声をしている。男爵家の次男で兄・姉・妹が一人ずつおり、家族仲は良好。兄が彼の地位を築くために活動していたおかげで優秀さがジルクニフの目に留まり、四騎士となっただけでなく伯爵位を与えられてもいる。妹の嫁ぎ先が決まらずに悩んでおり、その妹や姉から早く結婚しろとせっつかれてもいる苦労人。アインズの監視を兼ねて戦場に赴くが、アインズの引き起こした大虐殺を間近で見せられ心に傷を負ってしまう。彼の全身鎧はアダマンタイト製であり、強力な魔法により魔化が行われている。

ぬーぼー #6−6〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。熱素石をメインコアにした最強ゴーレムを作ろうと主張していた。探知系に特化したビルドを行っており、九人の自殺点の目と称されていた。

ヌルヌルくん #7−1〜

 アインズが声を偽装する必要を感じ、状況に応じて装備するようになった口唇蟲。ニューロニストが50人の中から選んだ声を食べており、アインズ的には何とも言えない魅力がある渋くて良い声だと感じている。魔導国建国後はアインズの執務室に飼育用のガラス箱が置かれ、森の一部が再現された箱の中で日差しを避けながら暮らしている。

音改 #4−P〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。商人系の特殊技術を持っていた。

ネイア・バラハ #12−1〜

 聖王国に住んでいる聖騎士見習いで、パベルの娘。上風月1日生まれ。住居はホバンス一等地の実家。職業は従者、射手。趣味は自室の掃除など、一人でコツコツできるもの。母に憧れて聖騎士を目指しているが剣の才能は無く、代わりに父譲りの鋭敏な感覚や弓の才能を受け継いでいるので、かつての父のように自然と共に生きる野伏の方が向いている。黒目の小さい吊り上がった切れ長の目も父譲りだが、そのせいで常に睨みつけているかのような犯罪者瞳となっており、目の下にあるクマが面相の凶悪さに拍車をかけている。おかげで人混みを歩く時には便利だが、都市門などでは念入りに持ち物を検査されてしまう。幼い頃は芋虫が怖いと泣くような繊細で弱い子供だった上、初対面で忌避されがちで友人はほぼおらず良い人間関係の構築も不得意。北部聖王国でヤルダバオトが暴れ父母が戦死した後、敗残兵として解放軍に加わり、王国へ支援依頼に向かう使節団の従者に抜擢される。といっても道中の安全を鋭敏な感覚で確保するという名目であり、皆無に近い対外交渉能力ではなく隠密行動・気配察知・斥候の技術などを見込まれたに過ぎない。なのに団長であるレメディオスに使い走りをさせられ、更にはストレスの捌け口にまでされる始末である。挙句にアインズが個人的な協力を持ちかけてきた時、彼を巧くおだてて利用しろと魔導王付きを命じられてしまう。当初こそ戸惑いと恐れがあったが、共に行動し為人を知る内に彼こそ王の中の王だと感銘を受け、アンデッドへの嫌悪など吹き飛んで急速に認識を改めていく。道中でアインズからアルティメイト・シューティングスター・スーパーを貸し与えられるも、周囲に宣伝してほしいという意図は全く伝わる事なく、国宝に近い代物と思い込んで決して誰にも触らせず大事に扱ってしまう。ロイツ奪還後は更に亀の甲羅・精神防壁の冠・射手の小手・重傷治癒が宿るネックレスを貸し与えられ、亜人連合軍への戦力として西門に配置されるが、バザーの鎧を着用していたことで却って敵の注目を集めてしまいあえなく討ち死にする(彼女自身は死んだことに気付いていない)。しかし直後にアインズの手で蘇生され、アインズこそが正義そのものと直感、アインズを心から讃える凶眼の狂信者となる。この時にレベルダウンとレベルアップが同時に起こり、職業と趣味も変化した(総合レベル11、職業の内訳は聖騎士:2、セイクリッド・アーチャー:3、エヴァンジェリスト:2、ファウンダー:4。趣味は魔導王の素晴らしさを語り合う事)。更にアインズと共に幾つかの捕虜収容所を襲撃し解放して回った事で、アインズのみならずネイアの人望も鰻登りになっており、功績を認められて弓兵隊の隊長を任される(最終的に隊員は2千名にもなる)。アインズがヤルダバオトとの一騎打ち後に失踪した際は平静ではいられなかったが、支配権を奪い取ったメイド悪魔(という設定の)シズにアインズの無事を断言されて落ち着く。シズとは協力してカリンシャにおけるビービーゼー救出任務を果たす内に打ち解け、いつしか先輩後輩と呼び合う親しい仲にまで発展する。カリンシャ解放後は本格的にアインズの考えと素晴らしさを広める教祖と化し、支援者たちを集めて魔導王救出部隊という一支援団体まで設立、直接アインズと関わりの無い者まで取り込む影響力を得る(彼女の持つ特殊技術による、心に傷を持つ者の思考誘導と洗脳も一役買っているが、彼女自身は特殊技術の行使に気付いていない)。教義の主軸は「努力しない弱者は悪であり、強者になるべく努力するべき」というもので、四大神信仰を中心とする聖王国の国民性とは無関係なので宗教論争にはなり得ない。なお布教の際は凶悪な目つきを隠すべく、アインズから借りた必中の眼鏡を付けるので、いつしか顔なしの伝道師と呼ばれるようになる(アインズに眼鏡を返却してからは普通の仮面を被っている模様)。北部聖王国で絶大な支持を得た彼女の存在は、デミウルゴスをして素晴らしい駒と言わしめ、聖王国乗っ取りの計画を年単位で縮められると言われている。程なくして彼女は聖王と並ぶ発言力を持つまでに至っており、聖王国においては神殿勢力をも上回る権力を有している(その証拠に、聖王国の国璽の横に押される印章が神官長の物から彼女の物に変わっている)。父と同じく訓練によって闇を見通せる目を得たらしいが、闇視と同等とまではいかない模様。

ネム・エモット #1−P〜 (声・高野麻里佳)

 カルネ村に住んでいる、ごく普通の農家の娘。10歳。薪集めや畑仕事の手伝いを日課とし、両親や姉のエンリと共に平和な10年を過ごしてきたが、帝国兵に扮した法国兵の襲来で日常は崩れる事となった。両親を殺され彼女たちも殺されかけたところで、突如現れたアインズに救われる。かつては快活でよく我儘を言う天真爛漫な子供だったが、両親を失ってからは言い付けをよく守り、駄々をこねず騒ぎも燥ぎもしない「いい子」になってしまっている。それだけ彼女が受けた心の傷は大きく、夜は必ず姉と一緒に寝ているが、それでも悪夢に魘され飛び起きる事があるという。ナザリックにエンリたちと共に招待された際、あまりの絢爛豪華さに心からの賞賛を口にした事でアインズに気に入られ、彼女も絶対に守るべき庇護対象の一人となる。エンリとンフィーレアが結婚し一緒に住むようになってからは、リイジーの説得だけでなく男女の営みについて何か感じ取ったようで、バレアレ家で寝起きするようになっている(エモット家やバレアレ家の改築はしないと結論されたのも一因)。

ノア・ズィデーン #5−2〜

 八本指の幹部の一人で、賭博部門の長。かつて王都内の広い土地を購入して違法賭博場を開く計画を立てていたが、大邸宅こそ建てたものの色々あって計画は頓挫。以降その邸宅はずっと残っており、幹部たちが時々使っている模様。他の幹部たち同様にナザリックの洗礼を受けさせられ、病的なまでに痩せ細って固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている。

ノスリ #2−2〜 (声・江越彬紀)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

ノブラ #2−2〜

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

バイク #9−3〜

 バルブロのカルネ村での情報収集任務に同行した、ボウロロープ侯の精鋭兵団に所属している兵士の一人。レベルは10〜11。選民思想や特権意識に染まっておらず、辺境の地に住む民の事情を慮る事もできる良識人。それだけにバルブロの言動には終始辟易しており、カルネ村を攻める決定が下された時は真っ向から反対した。同僚と共にジュゲムと戦い、村民たちと小鬼たちの確かな絆を感じ取るも、小鬼の一撃を受けて重傷を負う。

パイポ #2−2〜 (声・加藤将之)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

バグネン #12−3〜

 聖王国に住んでいる、男爵位を持つ貴族。カスポンドを守りつつヤルダバオトから逃げ延びようとしていたが、結局は二人とも捕まりバザーが管理する収容所に囚われていた。幸い怪我は軽く命に別状は無いが、劣悪な環境による肉体疲労が酷い模様。

バザー #12−1〜

 豪王・破壊王などと呼ばれる山羊人の王で、亜人連合軍では十指に入る強者の一人。黄金の角10つ生まれ。住居はアベリオン丘陵。属性は善ではないが、カルマ値はプラス。職業はバフォルクロード、ウェポンマスター、テクニカルマスターなど。趣味は破壊した武器の収集。威風堂々たる戦士の勇壮さを体現した立派な体格に銀の体毛を持ち、捻じ曲がった山羊のような角が生えている。ヤルダバオトの出現でその力に屈服したが、恐怖ではなくプラスの感情でもって服従を誓い、数ある捕虜収容所の一つ・ロイツを管理している。武器破壊武技に長けており、相手の爪・牙・角などをへし折る事を主軸とした戦闘方法を確立している。大きな獲物を狩る時は先陣を切って戦いに出向き、参加した者たちを誰一人怪我させずに帰還させる絶対王者として、少なくとも支配下に置いている部族内では大いに尊敬されている。聖王国にとっては名のある戦士たちを数多く打ち負かした仇敵で、オルランドも武器を全て破壊され実質的な敗北を喫している(援軍が来るまで持ち堪えたともいえるが、オルランドとしては自分はリスクを冒してまで討つ相手ではなかったという敗北感を刻まれた)。オルランドの見立てでは、彼に勝つには英雄級にならないと難しいとのこと。角の先には迷いなき突撃が嵌まっており、亀の甲羅や防護のマントを着用、ランザの勲しと砂の射手を装備している。ほかにも第二の眼の指輪・疾走の指輪・首から胸を完全に覆う首飾りといったマジックアイテムを身に付けているが、腰の左右に下げている人間の赤子の頭蓋骨を三つ連ねた物は単なる装飾品である。ちなみに既婚者であり、妻が4人と子供が7人いる。

バジウッド・ペシュメル #7−2〜 (声・永野善一)

 帝国四騎士の一人で、雷光の二つ名を持つ戦士。上水月19日生まれ、汚い裏路地出身。住居は帝都一等地。職業は戦士、インペリアル・ナイト、ガーディアンなど。趣味は強いて言えば妻たちの尻に敷かれる事。四騎士筆頭と言われる優秀な人物で、その裏表の無い明るい性格をジルクニフに気に入られており、ジルクニフに対して軽口を叩くことを許されている。路地裏で野垂れ死ぬのが嫌で騎士を目指し、頭角を現し始めた頃にジルクニフの目に留まった。当初はさほど忠誠心を持っていなかったが、側近としてジルクニフを見続ける内に心境が変化。今ではジルクニフを心より尊敬する、帝国最高とすら言える忠誠心を持つに至っている。娼館上がりの妻や愛人が5人ほどおり(彼女らの仲は良好)、全員と同じ家で暮らしている。かつてモンスター退治に赴いた際に死に掛けた事があり、信仰系魔法の重要性が身に染みている。

パティシエ #2−番外編〜

 ナザリック地下大墳墓内の厨房で働く菓子職人。料理長配下と思われるが、詳細は不明。

パナソレイ・グルーゼ・デイ・レッテンマイア #3−3〜

 エ・ランテル都市長を務める、恐らくは王派閥に属する貴族。明らかな肥満体で、腹部にも顎の下にもたっぷりと肉や脂肪が付いている。冴えない肥満型ブルドッグという表現そのままの顔で、白くなった髪は薄く頭が光を反射するほど。会話する際は鼻詰まりしているかのような「ぷひー」という息が漏れる上、抑揚のほとんどない平仮名棒読み口調で話す。ただこれらは全て話し相手を油断させる演技であり、実際は何の澱みも無く普通に会話することが可能。その時は目付きも鋭くなり、野生の獰猛な猪を思わせる雰囲気となる。ガゼフたちがカルネ村から負傷して帰還した際、部下たちの治療に協力した。またランポッサV世とは気心の知れた間柄であり、レエブン侯から譲られた資料を基に試算した王国の暗雲渦巻く先行きを報告している。エ・ランテルが魔導国に譲渡されてからは屋敷を放棄して王都へ帰還、ザナック配下の内務官として働いている。

パベル・バラハ #12−1〜

 聖王国に住んでいる軍士の弓兵で、夜の番人と称され九色の一色・黒を与えられている兵士長。ネイアの父。城壁で警邏を行う中隊を率いると同時に統括も任されており、主に夜番を務めている。鍛えに鍛え無駄を完全に削ぎ落とした鋼のごとき痩身で、目付きが異常に悪く(黒目が小さいのも相まって)暗殺者か殺人鬼にしか見えないが、実像は家族を大切にするごく普通の人間である(ただし恐妻家)。元は森に近い小さな村の出身で、人の世に生きる事の厄介さが身に染みており、妻がいなければ今でも自然の恵みを得ながら生活していただろうと述懐している。酒席ですら全く表情を崩さないほどの鉄面皮だが、溺愛している妻子(特に娘)に関して話す時だけは相好が崩れ、自慢気に同じ話を何度でも繰り返す悪癖がある。ただ娘が聖騎士を目指しているのは納得しておらず、せっかく才能がある弓の腕を鍛えるか、ごく普通に良い男と巡り合い結ばれてくれればと思っている。聖騎士に向いていないというのもあるが、そのトップがレメディオスである事も大きな不安要素なのである。娘が6歳の頃に作ってくれた人形(丸に棒が4本飛び出たような異形だが、父を象って作ったモノで、カッコよいモンスターと褒めたら泣かれて妻に蹴られた)をお守りとして常に持っており、これに口付けするのが験担ぎの儀式になっている。何度も撫でたおかげで磨り減ってしまい、目や口が彫られていた箇所はかなり薄くなっているので、新作が欲しいと思っているがその気配は微塵も無い。それどころか最近は砦での勤務が長く妻子に逢う機会が減り続ける一方で、日に日に広がっていく娘との距離に心を痛めている。かつては会うとすぐに抱き着いてくるほど懐かれており、家族でキャンプした時などは野伏の知識を教えたら感心と尊敬の眼差しを向けてくれていたが、今は聖騎士を目指す関係で家にはあまりおらず会えても抱き着いてはこないのが現状である。オルランドが戦って敗北した現状では唯一の人物で(しかもオルランドに有利な近距離戦で)、少なくともその他大勢の人間よりは敬意を向けられている。武器は対亜人用特化魔法が込められた合成長弓と善の矢で、百発百中の腕前を誇る超名手。武技や特殊技術も行使しての一射は大上段から振り下ろす重戦士の一撃にも匹敵し、全身鎧の男が吹き飛ばされて大地に転がるほどの威力を持つ。彼の勇名は亜人たちの中にも轟いており、「狂眼の射手」などと呼ばれ恐れられている。着用している軽装革鎧にも魔法が込められており、左右の胸部分にそれぞれ聖王国と梟の紋章が刻み込まれている。他にも影のマント、無音の靴、抵抗の上着、逸れる指輪といった数々のマジックアイテムを支給されている。訓練によって闇を見通せる目を得たらしいが、闇視と同等かどうかは不明。更に鋭敏な感覚も持ち合わせているが、それは後天的ではなく生来のものと思われる。かつて自然と共に生きていた経験によるものか、日頃から「獣であれば外見に出る。しかし、外見に出ない強敵は恐ろしい」と繰り返していた模様。

ハムスケ #1−4〜 (声・渡辺明乃)

 トブの大森林の南部を支配している三大の一体で、伝説の魔獣といわれる南の大魔獣。服従後の住居はアインズの自室?(魔導国建国後はエ・ランテル都市長屋敷の馬小屋)。属性は中立、カルマ値は0。レベル30強(アインズの物理的攻撃能力から推定)。馬ほどの体躯がある超巨大ジャンガリアンハムスター(またはジャイアントハムスター)で、一人きりで数百年生きているとされるが、少なくともリグリットが200年前に森へ赴いた際は見かけなかったという。活動時間は昼夜関係無しで、餌を摂って満腹したら腹が減るまで寝る暮らしをしていた。性別は雌だが一人称は「それがし」で、「〜でござる」が口癖。パールホワイト(もしくはスノーホワイト)の体毛(普段は柔らかいが、衝撃に対して硬化する)に鋭い鉤爪、高速伸縮及び軌道変更自在の蛇の尾を持ち、その全てが金属以上の硬度を誇る。まん丸い大福のような姿で体高は低く、英知を感じさせる黒く円らな瞳(可愛らしく見えるのはアインズのみ)をしている。推定で8つ程の魔法を習得しており、使用時は体中の奇怪な文字に似た模様が輝く。森の奥で生活していたため目撃情報はほぼ皆無に等しく(僅かに真実に近い情報も存在する)、縄張りに入る者は全て殺されるともいわれ、魔法も使える恐ろしい魔獣として昔から語り継がれてきた。実際に転移後世界では破格の強さで、彼に勝てる人間は(アインズの知る限りでは)クレマンティーヌかガゼフくらいである。特に尻尾による一撃は強力な殴打ダメージを齎し、鱗を立てれば追加で斬撃ダメージも加わるので、銀級冒険者程度なら即死させられる。興味を持って接触してきたアインズと戦うが、その姿と名前負けしている知能にアインズが失望して本気を出した事であっさり降伏、以後は忠実なシモベとなり騎獣として重宝されるようになる(当初アインズは羞恥プレイとしか思えなかったが、周囲からは大好評で時と共に慣れていき、言葉が通じて命令もできる分タクシーのようで気に入っている)。かつて挑んできた冒険者が付けた呼称「森の賢王」を気に入り、アインズに命名されるまではそう名乗っていた(それ以前の名は無かったらしい)。ナザリックでは一体の死の騎士と共に、第一階層でザリュースやゼンベルの指導を受けながら戦士としての鍛錬を行っている(実践訓練と負傷時の治癒、支援魔法を受けての格上との本気戦闘など、嫌でも死を意識させられる地獄の訓練らしい)。この死の騎士とは共に過ごす内に友情が芽生えたようで、後にエ・ランテル都市長屋敷の馬小屋に引っ越す際も同道している。墳墓調査依頼を受けた天武が部屋に入ってきた時はエルヤーと戦い、武技の発動に成功して確かな成長の片鱗が見られた。以後は鎧着用訓練を行って装備時の違和感を少しずつ消していき、立派な戦士として認められるよう精進を続けていく(1〜2ヶ月程度で到達できるとザリュースは見ていたが、事実その通りになった模様)。

ばりあぶる・たりすまん #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しよう、と冗談で言っていた内の一人。防御に関しては超が付く一級品の防御役で、憎しみ管理に長けていた。

ハリシャ・アンカーラ #13−4〜

 白老の二つ名を持つ石喰猿の王で、亜人連合軍では十指に入る強者の一人。属性は悪(聖剣サファルリシアの切り札で目が眩んでいた事から)。通常原石を食って得られる特殊能力のストック上限は3つだが、彼はその上限を遙かに超えてストックが可能であり変異種と呼ばれている。レメディオスの見立てによればモンク系の職業を修めているようだが、詳細は不明。マジックアイテムである黄金の装身具を多数身に付けている。

バルデム #13−5〜

 聖王国に住んでいる元軍士の狩人で、ネイアの弓兵隊の一員。弓の扱いに長けた初老の男性。

バルド・ロフーレ #3−1〜

 エ・ランテルにおける食料取引の大半を掌握している、大権力者の一人に数えられる商人。歳は四十後半。加齢と飽食による脂肪が目立つものの、派手さと高い地位のバランスが取れた品の良い身だしなみをしている。富豪との繋がりを作りたい打算を含みつつ、確かな親切心からセバスに幾度も接触する。

パルパトラ・オグリオン #7−2〜 (声・チョー)

 帝国を拠点としている請負人の戦士で、竜狩りのリーダー。80歳。着用している鎧が朝露に濡れた緑葉のごとき輝きを放っている事から、緑葉(グリーンリーフ)の異名を持つ。前歯の殆どが抜け落ちているため、濁音や半濁音が発音できない。元々は冒険者だったのだが、所属していた当時の冒険者組合長(よほど酷い人物だったらしく、最悪とまで言われている)をぶん殴った事で追放された模様。その経緯は非常に有名で彼自身もよく酒の肴に話すので、帝都の同業者で知らない者はいないという。高齢にも関わらず未だに現役であり続ける稀有な存在だが、それ故に多くの冒険者や請負人から敬意を抱かれ「老公」と呼ばれている。飄々とした雰囲気ながら非常に用心深い性格で、例え利益を得るチャンスを失っても未知の危険は極力避け、他者を犠牲にしてでも自分たちのチームが生き残ることを最優先に考えている。そのおかげで現在まで誰一人仲間を失っておらず、緑竜討伐を始め様々な冒険を乗り越えて来られた事もあり、仲間たちから大きな信頼を寄せられている。若かりし全盛期の頃はオリハルコン級とまで言われ、武技・竜牙突きを自ら編み出すほどだったが、さすがに現在の戦闘力はかなり落ちてしまっている。装備品は全てマジックアイテムで、その総額はアダマンタイト級冒険者が持つものを凌ぐともいわれる。武器は竜の牙を削って作ったスピア。

バルブロ・アンドレアン・イエルド・ライル・ヴァイセルフ #3−幕間〜 (声・楠大典)

 ランポッサV世の長男で、第一位の王位継承権を持つ王国の第一王子。立派な体躯を持ち、髭も綺麗に切り揃えている。権力志向が強いだけの典型的な無能で(頭の出来の悪さを自覚してはいる)、自分が敬われるのは当然と考えており国民への配慮は皆無。しかもボウロロープ侯の娘を妻に迎えた事により、既に貴族派閥に取り込まれてしまっている。故に貴族派閥から次期国王に推されているが、人望があるわけではなく操り易い人形と思われているに過ぎない。権威を笠に着た言動が目立つ短気な性格で、父王からさえ即位したら大貴族の傀儡にされると断じられている。おまけに八本指の麻薬部門から金を受け取っており、叩けば埃がいくらでも出る状態である。未だ領地を与えられておらず統治の経験が無い事もあり、冒険者の存在意義をまるで理解できていない。ヤルダバオトの王都襲撃時は王宮に引っ込んでいたせいで(手駒といえる戦力が無く出られなかった)、まんまとザナックにしてやられ国内での評判は急降下、ザナックに鞍替えする貴族まで出始めている。故に帝国との戦争に参加し、何とか手柄を上げて名誉挽回したいと考えるが、ボウロロープ侯の提案をランポッサV世が(危険から遠ざけたいという親心から)了承し、カルネ村における情報収集任務に出されてしまう。王族にしては珍しくそこそこ腕は立つが、クライムにすら劣る程度でしかない。

番外席次 #2−1〜 (声・田村ゆかり)

 六大神の血を引く先祖返りで、絶死絶命と称される漆黒聖典最強の神人。法国の聖域である、五柱の神の装備が眠る場所の守護役を務めている。十代前半に見えるほど幼い容姿だが、実年齢は現最高執行機関の神官長たちより上(詳細は不明)。長めの髪は左右で色が違っており、片側が目の覚めるような白銀で、もう片側は全てを飲み込むような漆黒となっている。髪と同様に瞳の色も左右で違うほか、耳を見られるのを嫌い髪で覆い隠している。実は森妖精の王が法国の女性を強姦して産ませた混血児だが、神人となったのは有り得ない程に低い確率が齎した奇跡らしい。神官長たちは彼女に復讐を遂げさせたいと考えているが、彼女自身がどう思っているかは不明。人類の守り手というに相応しい強大な力の持ち主で敗北を知らず、敗北を知りたがっている節も見受けられる。自分を倒せるほどの男なら(人でなくても構わないから)結婚してもいいとは言っているが、上辺だけでそのつもりはない模様。彼女の武装は全てが六大神の遺したものらしいが、唯一判明している十字槍に似た戦鎌を含め詳細は不明。大陸でも十指に入るほどに強力な生まれながらの異能を持っているらしい。

パンドラズ・アクター #2−1〜 (声・宮野真守)

 ナザリック宝物殿及び霊廟の領域守護者を務めるNPCで、守護者に匹敵する力を持つ上位二重の影。身長177cm。製作者はアインズ(モモンガ)、住居はナザリック地下大墳墓宝物殿管理責任者室。属性は中立、カルマ値は−50。総合レベル100で、内訳は種族レベルが取得総計45(二重の影:15、上位二重の影:10など)、職業レベルが取得総計55(エキスパート:10、クラフトマン:10、ロード・オブ・ア・キャッスル:15など)。ナザリック内の防衛網発動の際、消費する金貨などを準備する財政面の責任者でもある。顔は一切の隆起が無いのっぺりとしたもので、目と口の部分には黒々とした穴が開いている。ピンク色の卵を彷彿とさせる頭部はつるりと輝き、産毛の一本も生えていない。衣服は欧州アーコロジー戦争で話題になったネオナチ親衛隊の制服に酷似しているものの、制帽の帽章はアインズ・ウール・ゴウンのギルドサインになっている。服装のみならず彼の芝居がかった話し方やその際のオーバーアクションは、全て製作時のアインズが格好良いと思って入力した設定に基づいているが、今となってはどう見てもダサいとしか思えず文字通りの生きた黒歴史である。マジックアイテムの管理が大好きで、マジックアイテム磨きやデータクリスタルの仕分けこそ生き甲斐。これは好きなものに囲まれて天国のような仕事に就いている、というアインズ自身の脳内設定の反映による。至高の四十一人を含む45の外装をコピーし、80%ほどではあるがコピーした相手の能力を行使できる千変万化の顔無し(召喚したモンスターには能力値低下は起こらない)。またアルベドやデミウルゴスに比肩する頭脳と知略の持ち主で、応用の利く能力とも相まって切り札ともいえる存在。ただアインズが彼を製作した本来の目的は戦闘や組織運営ではなく、仲間の姿とアインズ・ウール・ゴウンの形を残すためである。時折アインズをコピーしてモモンや影武者を演じつつ、既にアインズの日課となっているアンデッド作成も共同で行っている。彼が作ったアンデッドはアインズの作ったものに比べて少し弱いが、誤差の範囲内に収まる程度なので問題はない。ただ彼がアインズに変身していないと単なる案山子になってしまう難点があり、その解決方法は未発見のままである。ちなみに作られた当初は別の名前だったらしいが、あまりにもセンスの無い酷いものだったようで名付け親が出たとのこと。

ビービーゼー #13−6〜

 煌めく紫水晶ボディを持つ、藍蛆の若き王子。誕生日は冬の98、身長は90cm程。住居はアベリオン丘陵北部にある千の陥没穴の一つ。職業はゼルンロード(種族)、五行使い、陰マスターなど。趣味は物語を聞くこと。ずっとちやほやされてきたため、自分のボディに自信を持っていて少しナルシスト気味。ヤルダバオトに人質として囚われカリンシャの城の尖塔に幽閉されていたが、ベーベーベの依頼を受けたネイアとシズの手で無事に救出された。頭冠の悪魔が初恋のメスだった国母の頭を飾っている事が不愉快だった事もあり、ネイアとシズに協力して頭冠の悪魔を討伐する。動きは鈍いものの陰の五行を操る力を持つ第四位階の精神操作系魔法詠唱者であり、将来的には英雄級の実力を持つ可能性がある。ただシズから位階魔法の最高位が第十位階と知らされ、第四位階を操れることを誇っていた自尊心は萎んでしまった模様。

ピニスン・ポール・ペルリア #ドラマCD1〜 (声・藤村歩)

 枯れ木の森付近にある木を本体とする、樹齢200年以上にもなる森精霊。かつてザイトルクワエの一部が復活した際、十三英雄の内7人に討伐を依頼した事がある。最近になってザイトルクワエの本体が復活の兆候を見せ始めた事で、本体が復活したらまた倒しに来ると約束してくれた彼らを待っていた。しかし約束は果たされないまま時は過ぎ、薬草を探しに来たアインズたちと出会って、身の安全を確保すべく彼の部下となる。直後にザイトルクワエ復活を目の当たりにして取り乱すも、ザイトルクワエを軽く蹂躙するアインズたちの規格外さに驚愕。以後はアウラとマーレのシモベとして第六階層に移住し、果樹園で転移後世界のリンゴを始め、様々な果実や野菜を育てて暮らしている。かつてトブの大森林で暮らしていた闇妖精とは面識があり、それなりに仲良くやっていたらしい。

ビビアナ #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる信仰系魔法詠唱者。長い金髪をしていて、普通の人間よりは脚力に優れている。ヤルダバオトの炎のオーラで全身を焼かれ、死にたくないという思いと共に焼死した。

ヒルマ・シュグネウス #5−2〜 (声・行成とあ)

 八本指の幹部の一人で、麻薬取引部門の長。肌は病んでいるように白く、着ている薄い衣装も白い。紫のアイシャドウに紫の口紅と、元高級娼婦の退廃的な雰囲気を醸し出している。両手から肩口まで昇る蛇の刺青があるが、これは非常時の切り札となる毒蛇の刺青である。既に引退した身とはいえプロポーションには自信があり、破格の値段で抱かれていた頃の体を努力して維持し続けている。本拠地である王都の館には、時折コネクション作りのために貴族の嫡男を招き遊ばせている。酒・女・麻薬などを宛がって自尊心を擽り、似た立場の者たちと引き合わせて親近感を抱かせ、楽しませて友好関係を築く。そして嫡男が家を継いだ時、縁を切ろうとすれば制裁を加え、恭順するのであれば飴を与えて支援する。そうすることで、着実に貴族社会に潜り込んでいくのである。動くべき時に動かない者は餌として食われるという信念を持っており、今の地位にまで上り詰められたのはその信念に依るところが大きい。また予感を何よりも重要視しており、それに一度も裏切られた事がない事もあって、常識よりも予感を信じてこれまで生き延びてきた。ヤルダバオトの王都襲撃が始まる直前、マーレとエントマの襲撃を受けて拉致され、恐怖公の眷属に体内から食われるという悍ましい洗礼を体験する。以降は完全に心が折れてナザリックの忠実な奴隷と化し、ナザリックが八本指を掌握する手引きを行った。その後も自分同様奴隷と化した首脳陣と一致団結し、アルベドを始めとする化け物たちの不興を買わないように必死で役目を果たしている。フィリップに新興派閥(所属貴族の大多数が愚者ばかりで、ヴィアネ曰く掃き溜め)を作らせて王国をナザリックが呑み込む手筈を整えていたが、フィリップの暴走で当初の計画が完全に破綻。アルベドに監督不行き届きを咎められ死を覚悟するが、アインズの常識的な取り成しで助命され彼を心から尊崇するようになる。なお洗礼の影響で病的なまでに痩せ細り、固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている(これは彼女に限ったことではなく、洗礼を受けた八本指の幹部全員に当てはまる)。元娼婦としての経験から観察眼はかなり優れており、マーレが女装した少年だと短時間で看破しているほか、声の抑揚・表情・癖などから相手の心理を読み取るのも得意。ちなみに就寝時は全裸であり、老人のように早寝早起きする習慣がある。

プ #11−3〜

 大古の英雄と呼ばれる土堀獣人。詳細は不明。

ファン・ロングー #10−3〜

 帝国を拠点としているアダマンタイト級冒険者のビーストロードで、銀糸鳥の一員。身長170cmほどの体に白い動物の毛皮でできた鎧らしきものを纏い、左右の腰にはかなり使い込んだバトルアックスを下げている。猿の力を宿す猿猴の戦士として折り紙付きの強さを持ち、その力は帝国四騎士最強のバジウッドを上回る。

フィース #10−1〜

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。アインズの激しい力を広く知らしめたいと考えているようで、その意味でもアインズには赤が似合うと思っている。

フィリップ・ディドン・リイル・モチャラス #10−2〜

 王国に住んでいる下級貴族で、モチャラス男爵家の三男。本来なら家督を継ぐなど夢物語でしかなかったのだが、次兄が成人前に病死(金が無くて神官に掛かれず薬草で対処していた)した上に、長兄が家督を継ぐ前に帝国との戦争で戦死してしまった。よって彼は次の領主となることがほぼ確定し、自分を王国で上から何番目かに幸運だと思い込むようになる。しかし元々予備の予備という立場で全く期待されていなかったためか、貴族としての基礎知識すらロクに把握しておらず、属している派閥の長の伯爵に対してさえ礼儀を欠く有様である。にも拘わらず自分は兄や父親より頭の出来がいいと信じ込んでいて、根拠の無い自信に満ち溢れている。特産品の一つすら無い領地を富ませて周囲を見返す事に執着しており、そこをヒルマに付け込まれ大いに魔導国の捨て駒として利用される事になるが、彼自身はそのことに全く気付いていない(父親と執事に指摘されても頭から否定して信じなかった)。寧ろ自分の力で優れたコネを作れたと喜び、挙句にはアルベドを妻に迎えたいと言い出す始末で、あまりの知性の無さと馬鹿さ加減に当のヒルマですら辟易している。アインズ死亡の虚報が流れた際は、今アルベドと結婚すれば魔導国が手に入るのではなどと本気で宣ったらしい。八本指では彼の存在を知ってしまったが故に、迂闊に馬鹿という言葉を使えなくなってしまった。当然ながら机上の空論で現実が好転するわけもなく、彼の計画は領内の食料事情を益々悪化させており、しかもそれを領民を始め他人のせいと考え愚痴を零す日々を送る。そんな中でヴィアネとイーグから魔導国が行っている食料支援の話を聞き、魔導国の食料を奪って王国上層部への覚えを良くした上で、自領の農作物と奪った農作物を売却し利益を上げようと考える。彼自身はそれによって何が起こるか想像すらしていなかったが、その短絡的行動を周囲が深読みした事で襲撃が成功してしまい事態は深刻化。魔導国から王国へ宣戦布告が行われるに至り、王国は一気に滅びの道を歩むこととなる。一応は王派閥・貴族派閥・無所属派閥に続く新興派閥の長に収まっているが、軽く内情を探ったザナックからは王国の膿と断じられ、所属しているイーグやヴィアネからさえ軽蔑されている始末である。魔導国が王国へ侵攻を開始してからは、本家の屋敷に籠ってヒルマから贈られたメイドに世話されながら、自分は悪くないと愚痴り続ける酒浸りの孤独な日々を送るようになる。

風神 #9−2〜

 元ユグドラシルのプレイヤーで、六大神の一角。風属性を振られている。

ブーちゃん #13−4〜

 聖王国に住んでいると思われる、ネイアの数少ない友人の一人。詳細は不明。

ブーベーベ #12−1〜

 アベリオン丘陵に住んでいる藍蛆の一体で、勇者と呼ばれる地位の高い若者。ヤルダバオトに率いられ聖王国に侵攻する際、参集が遅かったという理由で見せしめに肩の肉を毟り取られた。

フールーダ・パラダイン #1−2〜 (声・土師孝也)

 バハルス帝国史上最高位の魔力系魔法詠唱者で、大賢者ともいわれる帝国主席宮廷魔術師。268歳(誕生日は昔過ぎて記憶に無い)。住居は大魔法詠唱者の塔、職業は魔術師、禁術師、司祭など。趣味は魔法に関する全て。看破の魔眼という生まれながらの異能を持ち、十三英雄に並ぶとも上回るともされる逸脱者の一人。一人で帝国全軍に匹敵する三重魔法詠唱者としても有名で、三本の杖が交差する彼個人の紋章はそこから来ている。帝国の安全を脅かすモンスターを相手にして、単騎で何度も勝利を収めている偉人。法国にとっても貴重且つ魅力的な人材であり、実行されてはいないが彼を引き込むプランが存在するほど。薄くは無いが雪のように真っ白な髪をしていて、身長の半分ほどもある白髭を蓄えている。200年以上を生きてきた証が皺となって現れている顔は聖者を思わせ、鋭い瞳には歴然たる叡智の輝きが宿る。非常に柔らかい布で作られた、ゆったりとした純白のローブを纏い、小さな水晶球を無数に繋げたネックレスを首から下げ、枯れた指には幾つもの無骨な指輪をしている。老人然とした外見には似つかわしくない、若さの残る声をしている。帝国には6代前の皇帝の時代に招聘されてからずっと仕えており、当時の皇帝とは不仲だったが上位の宮廷魔術師として働いていた。5代前の皇帝とは少し親密になり、その子である4代前の皇帝には魔法の教育係として携わり、3代前の皇帝からは教師として様々な知識を与え政治にも関わってきた。よって現皇帝のジルクニフを我が子同然に愛しており、ジルクニフも自分を父親同然に思ってくれていると確信している。帝国で皇帝に次ぐ高い地位にいるものの、彼にとっては魔法の研究が全てで政治や社交には殆ど無関心。初めて魔法に触れたのは故郷ベルモウス村にいた呪師の扱うものだったが、それがのめり込むきっかけだったかどうかは不明。普段こそ威厳と温かさに溢れ誰からも尊敬される人物だが、魔法が絡むと隠しきれない好奇心・探求心が顔を出し、少し駄目な人間になってしまう事がある(その際にはジルクニフですら苛立ちを感じる)。しかし彼も己の立場というものは重々弁えており、自分のせいで帝国の威信に傷が付くのは望ましくないので自重している。魔法の深淵を覗く事こそが彼の生涯を賭けた夢であり、自分を超える存在に師事したいとずっと願い続けている。というのも自分一人では研究が遅々として進まない上、長年試みている死の騎士の支配も上手くいかず、夢への道が閉ざされつつあることに焦りを感じているのである。禁呪で老化を止めたのもそのためだが、オリジナル儀式魔法との融合で無理矢理発動させたものであり、僅かずつながら老化は進んでしまっている。幾人も弟子を取って育成しているのも、いつか自分を超える者が生まれ引っ張り上げてくれるかもしれないという思いによる。そんな中でブルムラシュー侯が流してきた情報を元に、ジルクニフの命でアインズについて調査を開始。彼を価値ある存在と目して友好的関係を築こうとしていたが、唐突なモモンとナーベの来訪で知った真実に驚愕、即座に自分の全てを代価としてナザリックの配下となる。あっさりと帝国を売り渡し愛しいジルクニフをも思考誘導して罠に嵌めるが、ナザリック訪問後に感付いたジルクニフの手で閑職扱いとされた。以降はナザリックに帝国の情報を提供しつつ、後に下賜された死者の書の研究に取り組んでいる。将来的には帝国を出て完全に魔導国の一員となり、魔法開発事業に携わる予定になっている。

フェメール #7−1〜

 ジルクニフが流した墳墓の噂に飛び付き、複数の請負人チームに合同調査を依頼した帝国貴族。無論そうするように仕向けられたのだが、当人には誘導された自覚は無い。伯爵位を持ってはいるがジルクニフ曰く毒にも薬にもならない役立たずで、使い捨てにする目的で飼われているに過ぎない。なお依頼の報酬は前金が200で後金が150、調査結果によっては追加報酬もあり。発見されたマジックアイテムは全て彼のものとなるが、発見者には市場価格の半額で購入権が与えられる。宝石・貴金属・美術品などは価格査定の後、半分に分ける。日数は最長で三日、遺跡についての多角的な調査には棲息モンスターの調査も含まれる。行き帰りの足と食料は彼が負担し、道中及び仮拠点の護衛は別に雇った冒険者チームに委託する。また事前調査自体は特に制限しないが、墳墓の場所が王国領なので目立つような真似は極力避けるよう厳命している。

フェン #2−3〜

 アウラが使役している神狩狼で、クアドラシルと並ぶアウラのお気に入り。レベル80。仮にも狼であるためか、縄張りを示すのに尿を使う習性がある。なおアウラの特殊技術による強化を受けると、レベル90相当の強さになる。

フォアイル #8−2〜 (声・岡咲美保)

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。緑髪が短く切り揃えられたショートボブの活発そうな外見で、メイド服を少し弄って裾を若干短めにしている。他グループの者とお喋りしたいタイプで、シクススやリュミエールと仲が良い。嘘を吐くのが非常に下手な割に、よく嘘を吐きたがる悪癖がある。食事の際は、大きく頬を膨らませながらもぐもぐと食べる。アインズの魅力は死の支配者としての偉大な力にあると考えている。

フォス #10−1〜

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。アインズ当番の際は(他の同僚と同じように)ベッドで本を読むアインズを一晩中眺め、満足してフィースと交代した。

ぶくぶく茶釜 #1−1〜 (声・後藤邑子)

 至高の四十一人の一人で、アウラとマーレの製作者。九人の自殺点後続参加組の一人で、ユグドラシルでの種族は粘体。三人しかいない女性メンバーの一人でもあり、ペロロンチーノの実姉。たまに二人で仲の良い姉弟喧嘩をしていたほか、事あるごとに愚弟が面倒をかけていないかとモモンガに聞いていた。リアルでは売れっ子の実力派声優(芸名は風海久美など)で、エロゲー(ロリ系キャラが多かった)にも声を当てている。普段は若干高めの声で話すが、それさえも演技的意味合いが強く、本来はもっと低い声をしている模様(弟に苛立っている時に出る声が近いらしい)。また本気で感情を込めると、非常に情感のある声となる。人の声とほとんど変わらない電子音声については、自分の職を脅かす存在として憎悪していた。弟曰く胸が無いのを気にしているようで、特に男胸と言われると急激に機嫌が悪くなる。ゲーム開始時はピンク色の粘体という外見(異形種だらけのギルド内でも一際異彩を放つ姿だが、自分ではキモ可愛いと言っていた)が災いして仲間を見つけられずにいたが、たっち・みーに声を掛けられ九人の自殺点に後続参加組として参入。ちなみに外見に反して移動速度が遅いという事は無く、普通に2本の足で歩いている感覚であるらしい(長いスカートを履いているような煩わしさはあるとの事)。弟の友人であるモモンガにはそれなりに親しみを抱いているが、モモンガにとって彼女は一つの憧れだった。なおアウラとマーレが性別と逆の格好をしているのは、単に彼女の趣味による。数少ない女性同士という事もあってか、餡ころもっちもちややまいことは仲が良く、度々ナザリック地下大墳墓第六階層に集まっていた。不沈と称される超一級品の防御役で、憎しみ操作系特殊技術と憎しみ管理に優れる粘液盾。数々の属性耐性も含めた防御特化の構成で攻撃など他の性能は非常に低いが、深いゲーム知識によりプレイヤースキルが非常に高い。的確な判断はトップクラスで指揮官役もこなせるので、ギルド全体が動く時は彼女が1チームを纏めることもあった。戦闘時は武器は装備せず、両手に盾を持って堅実に防御役を熟す。モモンガの印象では、自分の作ったNPCが自我を持って生きていると知った場合、敢えて避けそうな人物の一人。

副料理長 #4−1〜 (声・佐藤拓也)

 ナザリック地下大墳墓内の従業員食堂に常駐するNPCで、料理長をサポートする立場の茸生物。見た目がある茸に似ているという事で、エクレアにはピッキーという綽名で呼ばれている。実際に存在する茸をモチーフとしていて、それは毒々しい見た目にも関わらず毒を持たない種類らしい。ナザリックでは料理ができる希少な人材の一人で、普段は料理長と共に食堂で腕を振るっているが、曜日と時間によってはショットバーをイメージした部屋でマスターを務めている。落ち着いた照明が静かに室内を照らすものの、酒が並ぶ棚と椅子が8つ併設されたカウンターしかない部屋だが、静かに酒を楽しむには十分な部屋だと彼は確信している。常連と呼べる者が片手で足りる程度であっても、彼はそこに己の城のような満足感と充実感を抱いているのである。なおアインズから直々に、転移後世界の食材で能力が上昇する料理が作れるか確認するよう言われている。第六階層の畑や果樹園に時々足を運んでおり、食材の調達だけでなく栽培も手掛けている。もっとも特別な効果を齎す野菜を育てる特殊技術は保有していないので、栽培しているのはあくまでもごく普通の食材になる野菜だけである。

武人建御雷 #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、コキュートスの製作者。ユグドラシルでの種族は半魔巨人、職業は刀使いや剣聖など。たっち・みーの強さに惚れ込んで参加した、九人の自殺点初期メンバーの1人。ギルド結成時にナザリック地下墳墓の一発攻略を提案したモモンガに最初に賛成し、無茶で馬鹿なダンジョン探索を敢えてやりたいと表明した。何か黒歴史にしたい過去があるようで、記憶を消したくなるほど悶絶した経験を持つ。二本の大太刀(斬神刀皇と建御雷八式)を所持しており、状況に応じて使い分けていたザ・サムライで、防御力こそ低いが物理攻撃力はギルド中トップ。たっち・みーを倒す武器の完成を目指していた(仲間には武器作りが趣味と思われていた)が、完成前にたっち・みーがゲームを辞めてしまい目標を見失う。その究極の一振りは未完成のまま、宝物殿の霊廟で彼の化身が装備している。ギルド名「アインズ・ウール・ゴウン」の内、「アインズ」部分の発案者。九人の自殺点のナインズが「N」で始まり、Nはひらがなで言えば終わりの「ん」なので、始まりの字である「あ」を「A」に置き換え、「N」と入れ替えて「アインズ」とした。

仏神 #10−3〜

 かなり南方の地で信仰されている、非常にマイナーな神。四大神の従属神ともいわれている。

ぷにっと萌え #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。ユグドラシルでの職業はヴァイン・デス。「戦闘は始める前に終わっている」と言い切る程に知略に優れる重度のゲーマーで、指揮官系統の職業を修めてアインズ・ウール・ゴウンの諸葛孔明と呼ばれていた。ダンジョン攻略時は指揮官を担うことが多いようで、ナザリック地下墳墓初挑戦の時も指揮官を務め、見事な采配でチーム分けを行った。リアルでは拘束時間は長いが暇な時間も多い仕事に就いているので、就業時間中にもゲーム動画閲覧や種々のサイト巡回で情報収集を行っている。「焦りは失敗の種であり、冷静な論理思考こそ常に必要。心を静めて視野を広げ、考えに囚われること無く回転させるべき」という持論を、モモンガは幾度も聞かされていた。また、「言う事を聞かせるために一発殴るのは悪い手ではない」とも言っていたらしい(ただしモモンガの記憶が曖昧なので、武人建御雷だった可能性もある)。モモンガ曰くギルド一のえげつないさんであり、ハムラビ法典の「目には目を、歯には歯を」は過剰報復を抑止する言葉なので、過剰すぎる報復を行う際には相応しくないとして好まなかったようである。誰でも楽々PK術の考案者で様々な戦略ゲームにも詳しく、戦争に勝って奪った土地で起こること(住民の気持ち的なパラメータの急激な下降、パルチザンの蜂起)をモモンガに教えている。ナッシュ均衡や囚人のジレンマについても詳しいが、聞かされたモモンガはほとんど理解できなかった。自分では慎重というより臆病者だと思っているが、モモンガによればそうとも思えない一面がある模様(彼自身はその事に触れてほしくないらしい)。なおモモンガがギルド長に推薦された時、逡巡する彼を後押しする個人メールを送った内の一人である。ちなみにアーベラージのプレイヤーでもあり、中速中装甲の平均値機体で全対応可能を目指しているが、下位と思われる緑色の称号しか持っていない。ギルド名「アインズ・ウール・ゴウン」の内、「ウール・ゴウン」部分の発案者。九人の自殺点の「オウン・ゴール(OWN・GOAL)」を「ウール・ゴウン(OOAL・GOWN)」に、アナグラムに近い形でOを一つ増やし語呂良く纏めて見せた。

七彩の竜王(ブライトネス・ドラゴンロード) #4−P〜

 八欲王との戦いに参加せず、現在も生き残っている強大な竜王の一人。竜王国を建国し人との間に子を成した変わり者で、真なる竜王たちからは変態ドラゴンと呼ばれ恐れられている。同胞の理解を得られないためなのか、大陸中央の山頂で孤独な時を過ごしている。頭の良い学者肌であり、始原の魔法を操れる。

フラットフット #2−2〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点初期メンバーの1人。ユグドラシルでの職業は暗殺者。探知系には一歩譲るものの、彼の目を誤魔化せるほどの隠密系特化はそうはいない。名前通り貧乳好きだが、別にロリコンではないらしい。リアルでは勤務先の部長を怖がっているようだが、怒ったぶくぶく茶釜にはそれ以上の恐怖を感じていた。武器はつるりんぺたん。

フランコ #13−4〜

 聖王国に住んでいる聖騎士で、聖騎士団の一員。聖騎士としての力はそれほど高くないが、調和を重んじる性格で皆に好かれている。グスターボからの信頼も厚く、ロイツ防衛戦では民たちを纏める役目を任される。西門にて亜人たちとの戦いに挑むも、全く歯が立たず殺された。

フランセーン #6−8〜

 レエブン侯お抱えの親衛隊の一人で、元オリハルコン級冒険者チームの一員。39歳。踊る武器を駆使して、四刀流を可能としている戦士。鎧をガチガチに着込んでいる。

フランセスク #13−7〜

 聖王国に住んでいる、大商人の息子。大店の後継ぎとして将来を約束されているとはいえ、徴兵制からは逃れられず民兵とならざるを得なかった。父親の寄付金のおかげで比較的楽な部隊に配属されたが、身体能力の低い彼に軍人としての生活は苦痛そのもので、毎日のように自分の不幸を嘆いている。金が大好きで、それを増やすのが仕事である家業には喜びを感じている。ヤルダバオトの炎のオーラに焼かれ、悲鳴を上げる余裕すら無く即死した。

プリアン・ポルソン #5−2〜

 八本指の幹部の一人で、(暗殺・密輸・窃盗・金融のいずれか)部門の長。他の幹部たち同様にナザリックの洗礼を受けさせられ、病的なまでに痩せ細って固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている。

ブリタ #2−1〜 (声・ゆきのさつき)

 エ・ランテルを拠点にしている、鉄級冒険者の戦士。20歳前後。顔立ちはさほど悪くないが、目つきは鋭く化粧の類はしていない。赤毛の髪は動きやすいよう切られているが、乱雑で鳥の巣のようになっている。肌は日差しに焼けた小麦色で、手には剣だこがあり腕の筋肉は隆起している。節約に節約を重ねて手に入れた下級治療薬がアインズに壊され(正確にはアインズが放った冒険者が偶然彼女のいた机に落ちた)、弁償を迫って下級治癒薬をせしめる。宿の主人の紹介でリイジーに見せたところ、その希少性を説明されて売ってほしいと迫られ、逡巡した後に提示された妥協案(幾らかの代金を受け取り、アインズの身体的特徴を提供する)を受け入れた。その後他の冒険者と共に街道警備の仕事を請け負い、死を撒く剣団の情報を得て様子を窺っていたところ、シャルティアの襲撃による異変を察知。強硬偵察隊の一員としてアジトの洞窟へ向かい、シャルティアと遭遇・戦闘に入る。手も足も出ずに殺されかけるも、アインズから貰った下級治療薬のおかげで辛くも一命を取り留め、情報を喋らされた後に洞窟内の性奴隷の部屋へ放り込まれた。人間種魅了で洗脳を受けた事もあり、シャルティアのことはぼんやりと銀髪で大口という程度しか覚えていない(味わった恐怖だけはずっと残っており、初めのうちは薬を飲まないと眠れなかったという)。それでも分かる限りの情報をエ・ランテルへ伝えた後、経緯は不明だが冒険者を辞めてカルネ村に移住。ラッチモンの下で狩人として経験を積み、今や村における貴重な戦力の一人となっている。元冒険者という事もあって村ではトップレベルの実力があり(ジュゲムよりは下)、小規模な自警団のリーダーも務めている。弓の扱いが得意で、いつも帯鎧を着ている。

フルウィウス #8−2〜

 最古図書館で働いている司書の一人で、5人いる死の支配者の一人。マーレが外出する際、巻物作成実験への協力を代価に護衛を任された。

ブルー・プラネット #1−3〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。ユグドラシルでの職業は森祭司など。リアルでは岩のような顔を持ち、夜空を始め自然の全てを愛する優しげな男性。環境汚染で失われた現実には無い光景を見たくてゲームを始めたくらいで、その低い声で熱すぎるほどに自然を語るうち、いつしかロマンチストと呼ばれていた。ナザリック地下大墳墓第六階層は彼が最も気合を入れて作り込んだ傑作であり、特に夜空は彼の理想の具現そのものである。またスパリゾートナザリックにおいても、ジャングル風呂などの製作に協力している。輝くような表情を作れる外見ではないらしいが、リアルでの事なのかユグドラシルでの種族の事なのかは不明。武器はシャベル。

プルチネッラ #2−幕間〜 (声・西村太佑)

 ナザリック地下大墳墓に住んでいるNPCで、騒がしい道化師たちの一人。漆黒の鳥の嘴のように鼻先が長く伸びた仮面を付け、純白の衣装に身を包んでいる。アインズの命により、巻物の羊皮紙調達に関する任務を遂行するデミウルゴスの補佐を行っている。ナザリック内でも特に温厚且つ慈悲深い事で知られ、多くの者を幸福にするために生み出された彼だが、その優しさが本来の意味で発揮されるのはナザリックに所属する者に対してのみ。アインズに仕える事は幸せであり、即ちそれを生業とするナザリックの者たちは幸せであるが、それを強制されるナザリック外の者たちは本当に幸せとはいえない。ならば選抜した一人を犠牲に(腕や足を斬り落とす等の苦痛を与える)すれば、他の者は己と比較して強制でない幸せを実感できる。そして先の選抜者をも幸せにするには、更に別の誰かを犠牲にれば良い…という、矛盾と苦痛と悪意に満ちた歪んだ信念を持つが、その考え方はデミウルゴスから称賛されている。なお、係助詞の「は」を「わ」とする喋り方が特徴。

プルトン・アインザック #3−3〜 (声・山本兼平)

 元冒険者の優秀な戦士で、エ・ランテルの冒険者組合長。屈強且つ精悍な体つきをしていて、壮年となった今でも歴戦の強者としての雰囲気を漂わせている。アダマンタイト級冒険者となったモモンに必要以上に接近するため同性愛者疑惑を持たれているが、妻帯者でありそういった性癖は無いものと思われる。モモンが語った偽りの目的を真に受け、何とか彼をエ・ランテルに繋ぎ止めようと画策しているに過ぎない。エ・ランテルが魔導国首都となって以降、ほとんどの所属冒険者たちを他国へ送り出すなど彼なりに対処していたが、アインズが望む冒険者の在り方と魔導国が目指す未来を直に聞いて魅了されてしまう。以後はアインズの考えに同調し補佐するようになり、将来的にはラケシルと二人で冒険者に復帰し、未知の探求に旅立ちたいと思うまでになる。アインズが冒険者勧誘目的で帝国へ赴く際は協力者として強引に連れ出されたが、守護者たちと違い否定的な意見もきちんと提言する姿勢は、アインズから非常にありがたく思われている。

ブルムラシュー #6−7〜 (声・野川雅史)

 リ・ブルムラシュールを治める王国六大貴族の一人で、王派閥に属する侯爵。40歳手前。それなりに整った温和な顔立ちをしており、領土内の金鉱山とミスリル鉱山から得られる貴金属で王国第一位の財力を誇る。ただし非常に欲深く、金貨一枚で家族さえ裏切ると噂されている。実際に彼は王国を既に裏切っており、帝国に情報を流し続けている売国奴。レエブン侯はその事実に気付いており、彼の周囲には重要な情報が多く集まらないようにされている。彼が告発されないのは、あくまで派閥間の均衡を崩さないために過ぎない。なお彼自身は次期国王については興味が無く、我関せずを決め込んでいる。ちなみに八本指密輸部門の傭兵頭からは金払いが良いと言われており、必ずしも守銭奴とは言い切れない模様。

フレイヴァルツ #7−2〜

 帝国を拠点にしているアダマンタイト級冒険者の吟遊詩人で、銀糸鳥のリーダー。英雄の領域まで到達している事もあり、自身に満ち溢れている。他者にチームを紹介する時は詩を吟じる癖があるが、仲間からはサブいぼが立つと著しく不評である。妙な輝きを宿すチェインシャツに身を包み、背中と腰に星の交響曲とレイピアをそれぞれ下げている。そのどれもが一級品のマジックアイテムであり、内部から滲み出るような魔法の輝きを放っている。

ブレイン・アングラウス #2−4〜 (声・遊佐浩二)

 主に抜刀術を得意としている武の求道者で、王国では知らぬ者の無い凄腕の戦士。誕生日は中風月10日。職業はジーニアス/戦士、ソードマスター、剣聖など。趣味は刀の訓練(強くなること一般)。ほっそりとした体躯ながら、鋼鉄の如く引き締まった肉体を持つ。髪は整っておらずぼさぼさで、顎には無精髭もあるだらしない風貌。茶色の目は鋭く前を睨み据え、歩く姿は滑らか且つ優雅で野生の獣を彷彿とさせる。元は単なる農夫だったが、開花した剣の才能と集中力のキャパシティが増える生まれながらの異能(彼自身は自覚していない)によって瞬く間に実績を上げ、かすり傷以上は負う事の無い戦闘における天凜の才人として知られていく。そのまま常勝不敗の道を行くと本人すら信じて疑わなかったが、自らの腕を知らしめる目的で参加した王国御前試合決勝でガゼフに敗れ、培ってきたそれまでの自信を粉砕された。傷心状態で一ヶ月ほど落ち込んだものの、ガゼフと再戦し勝つ事を目標として再起。以後はひたすら知識を高めながら鍛錬に明け暮れつつ、やがて金払いが良く対人戦闘に事欠かない死を撒く剣団に入った。ところがシャルティアの出現により、圧倒的且つ絶望的な差を思い知らされて完全に自信を喪失。辛うじて逃げ延び王都で力尽きたところをガゼフに拾われ、しばらく無気力な日々を過ごす。街中で神業を披露したセバスを追ってクライムの稽古を目撃し、セバスの強大な殺気とクライムがその殺気に耐え切った事実に衝撃を受ける。二人から話を聞いて自分の選択してきた道が間違いばかりだったと気付き、誰かのために強くなるというこれまでとは全く違う人生を模索し始める事になる。その後も成り行きでセバスやクライムと2度ほど行動を共にし、結果としてコッコドール経営の娼館潰しと六腕の壊滅に立ち会う(彼自身は娼館でサキュロントを倒し、ゼロと僅かに交戦したのみ)。そしてヤルダバオトの王都襲撃の際、ガゼフの部下としてラナー付き兵士に採用され、クライムたちと行動中にシャルティアと再会(背格好は全く違っていたが、間違いないと直感で確信した)。圧倒的な実力差にも関わらず、彼女の爪の先を数mm斬り飛ばすという奇跡に等しい偉業を成し遂げた。その後はクライムの師という形で王宮に住み込むが、大虐殺の時にガゼフがアインズと一騎打ちして死亡してしまう。目標としてきた人間に死なれた上に彼の真意が分からず困惑したが、クライムから推測を聞いて心から納得する。しかしガゼフの願いに従って王国の人間になる気は無く、後継に相応しい者を探し回る日々を送る。また自身もローファンに協力を仰いで訓練を重ね、遂にはガゼフを超えて英雄の領域に踏み込み(コキュートスの見立てでは、限界を超えて能力を振り絞った状態でレベル40)、六光連斬をも修得するに至っている。自ら見出した10人の孤児(男子9人、女子1人)を自宅(旧ガゼフの館)で預かり、六高弟の手も借りつつ自ら稽古を付けて鍛え育てていく。魔導国の王国侵攻が始まると子供たちを六高弟の一人に預けて逃がし、自分はラナーやクライムと共に王都に残ることを決めた。蒼の薔薇の脱出を見届けた後、魔導王の軍勢を迎え撃つべく一人で出陣。魔導国本陣へ向かう途中で通り慣れた道を進んでくるコキュートスを視認し、意を決して彼との一騎打ちに挑む。人間としてはクレマンティーヌすら警戒するレベルの強者で、帝国の騎士でさえ相手にもならない。オーガを一撃で屠り、ゴブリンの群れに単身で飛び込み全滅させたこともある。かつてリグリットとも戦った事があるが、その時は痛み分けに終わったらしい。お座敷剣術より実戦剣術という考えを持っており、素振りなどで単に体を鍛えるよりも実際に切り結んで経験を積んだ方が有益だとしている。類稀なる切断性能を持つ神刀を武器とし(ガゼフの死後は、一時的に剃刀の刃を貸与される)、普段から鎧着を身に付けている。武器魔法化や瞳の首飾り、魔法注入の指輪に加え、数本の陶器製ポーション瓶が入った皮のポーチも常備している(ポーションの効果は下級筋力増大や下級敏捷力増大等)。精神力は強い方で、特に戦闘中は並の精神支配程度なら容易く振り払える。肉体能力も非常に高められているので、生半可な毒物の効果は受け付けない。ちなみにショッピング好きという一面を持つが、これは自身を強化できるアイテムを探しているに過ぎない。

聖天の竜王(ヘヴンリー・ドラゴンロード) #7−幕間〜

 八欲王との戦いに参加せず、現在も生き残っている竜王の一人。島と呼べるほどに巨大な体をしており、ずっと空を飛んでいるらしい。

ベーベーベ #13−6〜

 アベリオン丘陵に住んでいる、メスの藍蛆。ヤルダバオトの人質となっていた王が悪魔に殺されたことを受け、使者として聖王国解放軍と接触しビービーゼーの救出を依頼する。

ヘクトワイゼス・ア・ラーガラー #13−4〜

 半人半獣の軍を率いる将軍で、亜人連合軍では十指に入る強者の一人。見事な彫刻が施された鎧を纏い、同じく立派な兜と騎士槍を持っている。個人の戦闘力ではヴィジャーに及ばないものの、集団を率いての戦闘で十倍の兵力差を覆したこともある名将であり、その優れた指揮能力は広く知れ渡っている。

ペシュリアン #5−2〜 (声・山本祥太)

 八本指警備部門の構成員で、空間斬の異名を持つ六腕の一人。斬糸剣を駆使して3m近く離れた敵すら両断できるが、本当に空間を斬っているわけではない。とはいえ常人では対処不可能な超速の斬撃であり、カラクリを見破られても関係ない強さを誇るのは確かである。サキュロントの敗北で傷付いた六腕の名誉回復を目論むゼロの命で、他のメンバーと共にセバスの公開処刑を担当する。全身鎧ウォードウォールを着ているほか、ガントレット・オブ・ジャイアントとヘイスト・スキャバードを装備している。

ヘジンマール #11−5〜

 フェオ・ベルカナの王城に居座っている霜の竜の一体で、オラサーダルクとキーリストランの子。100歳超。キーリストランを実母とする四兄弟の中では長男に当たるが、他の異母兄弟との関係性は不明。都市の成り立ちや世界の様々な種族といった教養としての知識に魅せられ、長い事自室に引き籠って山小人が残した書物を読み耽っている。食事も弟妹が逐次運んでいるのでほとんど運動をしておらず、スリムだった肢体はすっかり太ってしまっている。視力も若干低下しているので、鼻の先に小さな眼鏡を掛けている。父から侵入者撃退の命令を受け渋々引き受けるも、知識の大切さを理解してもらえず一ヶ月後に放逐されることになる。だがその前に侵入者(アインズたち)の恐ろしさを本能で感じ取って全面降伏、アウラの下僕になった事で九死に一生を得る。太っていることもあって戦闘にはまるで自信が無く、一回り年下の弟と戦っても負けると考えている。

ペストーニャ・S(ショートケーキ)・ワンコ #2−幕間〜 (声・新井里美)

 ナザリック地下大墳墓メイド長を務めるNPCで、第九階層で領域守護者も務める高位神官。製作者は餡ころもっちもち。優しい目をした犬の頭を持ち、冷気耐性を備えた体毛に覆われている。顔の中央には傷跡を思わせる一本の線が走っており、それを縫い合わせたような跡がある。セバス不在の間は第九階層及び第十階層の運営管理を代行していたが、セバスの復帰と共に本業に戻る。ただゲヘナにおいて捕らえた人間の内、幼子を殺すことにはニグレドと共に強硬に反対し、願いを聞き入れられた代わりにしばらく氷結牢獄で謹慎処分となった。セバスにツアレの教育係を任されているが、謹慎中はセバス自身かセバスが選んだ人物(歩行訓練ならユリ、掃除ならエクレアといった具合)が代行していた。謹慎が解けた後は、魔導国で設立する孤児院の運営を行うユリに友人として協力する。魔導国の王国侵攻時には町村の住民を皆殺しにしていく作戦を看過できず、ニグレドと共にアインズに直談判を試みた結果、エ・ナイウルにおいてのみ皆殺しを免れた。自分と同じく女性の製作者を持つNPCたち(アウラ、マーレ、エクレア、ユリ)には、製作者たちの仲が良かった事もあって親近感を抱いており、私的な場では互いに綽名で呼び合ったりする仲である。強力な治癒魔法や復活魔法を行使できるほか、魔力の譲渡等の後方支援も担うらしい。語尾に「わん」を付ける口癖が設定されていると思われるが、割と忘れがち。製作者の設定により、ナザリック外の者に対しても慈悲を持つ数少ない例外の一人。

ペスペア #9−2〜 (声・石谷春貴)

 エ・ペスペルを治める王国六大貴族の一人で、王派閥に属する侯爵。六大貴族の中では最も若く、王の長女を娶って結婚と同時に家を継いだ美青年。能力や性格については未知数なところがあるが、いずれは優秀だった父親のようになるとガゼフに見込まれている。王女と結婚した関係上、派閥に関係なく多くの貴族から次期国王に推されている。

ヘッケラン・ターマイト #7−1〜 (声・石川界人)

 帝都を拠点としている請負人の戦士で、フォーサイトのリーダー。住居は歌う林檎亭。上風月3日生まれで20歳くらい、身長は170cm台の中ほど。職業は戦士、軽戦士、ソードダンサー。好物は豚肉のシチュー。趣味は貯金を数える事。金髪碧眼の日に焼けた肌で、美形ではないがどことなく人を惹き付ける魅力がある。商人の4男に生まれながらも冒険者を目指していたが、金好きな事もあっていつの間にか請負人になっていたという。良くも悪くも裏表のない性格でチームの中心柱的存在であり、直球でのやり取りを好むが緊急時はその限りではない。危険が無いと判断すると軽率な行動に出てしまうことが度々あり、よくイミーナに叱られている。墳墓調査の依頼が来た際は、依頼人の背後関係や依頼の経緯などの調査を担当した。パルパトラやグリンガムとは旧知の仲で、ある程度は気心が知れている。握り部分がナックルガードで覆われた、ショートソードくらいの長さの剣を腰に二本下げ、腰の後ろにはメイスと鎧通しも付けている。スピードと手数を武器とする二刀流の軽装戦士で、斬撃・殴打・刺突の三種類の攻撃方法を備えている少し珍しい部類の戦士だが、最も得意なのは斬撃で殴打には少し自信が無い。シミ一つ無い立派な服の下には鎖着を着込み、ブーツには鉄板が仕込んである。名実ともにチーム最強であり、歴戦の強者として仲間から強く信頼されている。

ペテル・モーク #2−1〜 (声・興津和幸)

 エ・ランテルを拠点としている銀級冒険者の戦士で、漆黒の剣のリーダー。金髪碧眼で整った顔立ちだが、そこそこ焼けた肌以外にこれといった特徴は無い。アインズが宿で見せた実力の噂を聞いており、モンスター討伐に彼を誘う。武器は弱い魔法のブロードソードで大型の盾を持ち、帯鎧(現時点で購入できる最も防御力の高いもの)を着用している。

ベリュース #1−3〜 (声・斎藤寛仁)

 スレイン法国に仕える兵士で、陽光聖典の作戦に参加した部隊の隊長。バハルス帝国騎士に扮して村々を襲撃し、ガゼフを誘き出す囮役を務める。しかし隊長とは名ばかりで人望など欠片も無く、選ばれたのはある程度の資産家だったからで、参加動機も経歴に箔をつけるためという有様。任務中にも関わらず下種な欲望で村娘に襲い掛かり、その父親に抵抗されて助けを求めた挙句、八つ当たりで父親に何度も剣を突き立てるような下劣極まりない男である。突如現れた死の騎士に恐怖するあまり、部下を盾にして逃げようとするも誰にも応じてもらえず、時間を掛けて両断され苦しみながら死亡した。

ペ・リユロ #11−3〜

 アゼルリシア山脈に住まう土堀獣人の八氏族(計八万人)を纏め上げた、大古の英雄プをも凌ぐ伝説的な英雄と称される土堀獣人統合氏族王。住居はフェオ・ベルカナ元商工会議所。属性は中立、カルマ値は40。総合レベル38で、内訳は種族レベルが取得総計20(土堀獣人:10、土堀獣人王:10)、職業レベルが取得総計18(皇帝:2、修行僧:6、キ・マスター:4など)。王としての権威を分かり易く知らしめる目的で、衣服を纏い山小人に作らせた冠を被っている(非常時には誰かに着せて身代わりにする算段もある)。フェオ・ベルカナを発見して全氏族をそこに集結させ、モンスターと戦うための組織構築や捕虜の山小人を使っての農耕・畜産技術の発展等を行った。また支配下となった氏族の長を習性に従って殺そうとはせず、引き続き各氏族の統治を任せている。ただ各氏族が得た希少鉱石は全て自分の元へ提出させ、功績を上げた者に地位に関係なく褒美として与えるようにした(モンスター討伐で多くの犠牲が出た氏族や、黄金や宝石の原石をより多く持ってきた氏族等が高評価を得られる)。これによって王への対抗心は他氏族との競争に矛先が変わり、王の地位は安泰となっている。これまでの土堀獣人では到底考え付かなかった方法で急速に勢力を拡大しており、山小人の都市への攻撃もその一環。各氏族から2千人ずつ屈強な土堀獣人たちが集結し、3つの隊(襲撃で逃げ出す山小人を発見・捕縛する少数部隊、山小人の砦制圧と可能なら都市にも侵攻する先遣部隊、先遣部隊を補佐し落とした都市から物資を運び出す本隊)から成る1万6千もの大軍を送り出すに至っている。オラサーダルクたちとは表向き同盟関係にあるが、面従腹背そのもので虎視眈々と下克上を狙っている。しかしアインズたちと敵対してしまった事で思惑の全てが瓦解、結果として七万もの同胞を失いアインズに絶対服従を誓う羽目になった。後に魔導国へ拝謁に赴いた際、似たような境遇にあったジルクニフと出会う。一度目は特に話したりはしなかったが、二度目の時に話しかけられ語り合う内にすっかり意気投合。マジックアイテムのペンダントを贈られたり、皇城に招待されたりする種族の壁を超えた大親友となる。普段から焦りや苛立ちを見せることはなく、冷静沈着で頭の回転も速い。土堀獣人の中でも他とは少し違う姿をしており、ブルー・クアゴアやレッド・クアゴアを遙かに凌ぐ圧倒的な力を持つ。空前にして絶後の種族史上最高の王と謳われるほどで、ヨオズによれば一人で八氏族全てと戦っても勝てるとのこと。

ベルトラン・モロ #13−7〜

 聖王国に住んでいる、魔導王救出部隊の一員。年齢は四十代半ばで、頭頂部の薄さがやや目立つががっしりした体格をしている。貴族の家で執事として働いた経験を活かし、ネイアの秘書的な役目に就いている(戦時にはネイアの副官としても才能を発揮する)。もし彼がいなければ、ネイアの髪はとっくに白くなっていたのは間違いない。

ベルリバー #1−3〜

 至高の四十一人の一人で、九人の自殺点後続参加組の一人。体のあちこちに口がある肉塊のような姿で、大喰らいと称されている。魔法剣士職を修めており、武器と魔法を使い分けるスイッチタイプ。故にフルメンバーの時は二線級の扱いになっていたが、立ち回り方は上手くゲーマーとしての能力値はかなり高い。ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しよう、と冗談で言っていた内の一人。アマゾン川をモチーフにしたスパリゾートナザリックのジャングル風呂を、ブルー・プラネットの協力を得て製作した。ぷにっと萌えやタブラと同様、頭の回転が速く博識な人物。モモンガがギルド長に推薦された時、逡巡する彼を後押しする個人メールを送った内の一人である。直後にナザリック地下墳墓の一発攻略を提案したモモンガに当初は反対したが、次々と賛成する仲間たちに押される形で消極的に賛意を示した。リアルにおいて世界を牛耳る巨大複合企業の不味い情報を入手してしまい、口封じに始末され事故死として処理されてしまった。なお彼が入手した情報は、別のある人物に渡っている。

ベレニス・ナグア・サンティニ #10−幕間〜 (声・宮沢きよこ)

 法国の最高執行機関の一員で、火神を崇める火の神官長。50歳超。現在の最高執行機関における紅一点だが、ふくよかな体躯をしている。肉付きの良い顔に湛えた慈母の笑みは、見る者に安心感を与える。

ベロテ #3−3〜 (声・西山宏太朗)

 エ・ランテルを拠点にしているミスリル級冒険者で、天狼のリーダー。力強さを感じる立派な佇まいで、装備品も下の階級の冒険者よりは良いものを着用している。

ヘロヘロ #1−1〜 (声・間島淳司)

 至高の四十一人の一人で、ソリュシャンの製作者。九人の自殺点後続参加組の一人で、ユグドラシルでの種族は古き漆黒の粘体。更に一般メイド41人の行動AIプログラム作成者の一人で、彼女らの製作者の一人でもある。リアルではブラック企業で心身ともに酷使されているサラリーマンで、2年前に転職してから(前の会社では飛び降り自殺者が出たらしい)時間感覚が狂う程に残業三昧の日々らしい。医者に掛かるほどでこそないが、奴隷のごとく鞭で打たれながら必死に働いているという。よってゲームに費やす時間は皆無であり、籍は残っていても事実上脱退したも同然の状態だった。しかしサービス最終日にモモンガのメールに応え、ログインしてきた三人の内の一人でもある。モンク系職業を保有する物理火力役だが、粘体であるために筋力が低く攻撃力は微妙。ただ職業習得で超強力になった酸は、耐性をも突破して相手の武装を溶かすので、PVPやPKといった対プレイヤー戦闘時に凶悪なまでの強さを発揮する。

ペロロンチーノ #1−1〜 (声・立花慎之介)

 至高の四十一人の一人で、シャルティアの製作者。九人の自殺点後続参加組の一人で、ユグドラシルでの種族はバードマン。ぶくぶく茶釜の実弟で姉には頭が上がらないものの、たまに二人で仲の良い姉弟喧嘩をしていた。エロゲーをこよなく愛するロリコンで、エロゲーイズマイライフを自身のテーマと豪語していた駄目人間。「技術の発展は最初に軍事、次にエロと医療に使われるのだ。これはエロの偉大さを物語っている」と公言して憚らず、お薦めのエロゲーについて熱く語っていた。ただ期待の大作のエロゲーで姉の声が出てくると、彼女の顔が浮かんで凹んでしまい、購買意欲が急降下するとよく愚痴っていたらしい。また応援していた女性声優に彼氏がいると発覚した時は、血の涙を流していたという。12歳の時に何かしでかしたらしく、その事を姉に持ち出されると途端に逆らえなくなる。おちゃらけた性格ではあるが、仲間との和を愛していた。スーラータンと一緒に、ナザリック学園を作って学園ラブコメをやろうと主張していたことがある。無課金同盟の発起人の片割れだが、歩くと金粉のようなものが舞い散るエフェクトを欲した際、武双に組み込む余裕が無かったのでキャラ組み込みにせざるを得ず、仕方なく課金して入手する事となった。非常に優れた聴覚を持っており(本人曰く駄目音感)、人の声とほとんど変わらない電子音声をも聞き分けられる。主武器はゲイ・ボウで弓に特化したキャラメイクをしており、超々遠距離攻撃(最長で2km)による特殊技術を使った爆撃を得意とする爆撃の翼王。もし目標が転移などで逃げても、動きを予測してロックオンでもしているかのように追尾できるが、開けていない場所では戦闘能力がダウンする。いわゆるパワープレイヤーであり、太陽落としのコンボを狙うべくガチビルド構成をしている。魔法による発光を伴う、華美な装飾の施された金色の鎧で全身を包んでいる。

ポ #11−3〜

 大古の英雄プと競い合ったとされる土堀獣人。詳細は不明。

ボウロロープ #9−2〜 (声・伊原正明)

 リ・ボウロロールを治める王国六大貴族の一人で、貴族派閥の盟主でもある侯爵。50代前半。六大貴族の中で最も広大な領地を有しているが、典型的な選民思想により平民を見下している上、王を軽視していることを隠しもしない。よって一時期は、王国の内部崩壊の原因になり得るとさえ言われていたほどである。なお彼の娘がバルブロに嫁いでいるので、バルブロとは義理の父子関係にある。かつては隙無く鍛え抜かれた屈強な肉体を持つ戦士だったが、老いには勝てず過ぎ去った過去の栄光と成り果てている。ただ顔に刻まれた多数の傷に声の張り、猛禽類を思わせる瞳などにその残滓が見られる。指揮官としてはガゼフを上回る才の持ち主で、王国において比類なき人物ともいえるが、レエブン侯によれば戦略自体は単純で大軍の指揮には向かない。ガゼフを貴族として忌み嫌ってはいるが、その力量だけは元戦士として認めており、彼の忠告に耳を傾ける程度の度量はある。ガゼフの戦士団に触発されて作った精鋭兵団5千人を抱えており、各個の強さはガゼフ配下の戦士に劣るものの、帝国騎士と同程度かそれ以上の強さを持つ(レベルはおよそ9〜11程度)。武功を立てるのに貪欲で、帝国軍との戦争では左翼の大将を任されたのをいいことに、自分たちが前列に出ようとする。

ボディポ #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる、侯爵位を持つ大貴族。カリンシャ奪還が行われた後、5万の軍勢を率いてカスポンドの下に馳せ参じる。参じた貴族の中では最年長であり、金髪と白髪が混じり合っている。ケラルトには少なからず恨みを買っており、幾度か酷い目に遭わされたらしい。ヤルダバオトが引き起こした動乱を巧く利用して、聖王国における最大権力の掌握を狙っている。

ボナ・イングレ #6−11〜

 王国に仕える衛士長の一人。40歳。典型的な小心者で人望も低く、今の地位にいるのは単なる年季によるもので、体格も頭の回転も他の衛士たちと変わらない。単純な力に至っては若い衛士の方が強いくらいで、命を懸けた戦いの経験も無い。ゲヘナにおいてラナーの作戦に駆り出され、最前線のバリケードの一角を守る事になるが、恐怖のあまり逃げ出して魂食の悪魔の餌となった。

ホニョペニョコ #3−3〜

 死を撒く剣団を壊滅させ冒険者にも多大な犠牲を出した、モモンが追っていた二体の吸血鬼の片割れ。シャルティアの存在を隠蔽すべく、アインズが冒険者ギルドの会合ででっち上げた架空の存在である。最初はカミーラと言うつもりだったが、安直過ぎてプレイヤーがいたらバレかねないという事で思い留った。咄嗟に閃いたホニョペニョットと発言したものの、女性だからという理由で最後の「ット」を「コ(子)」に変更。突っ込まれたら言い間違いだとごり押しする気だったが、名前が奇抜過ぎたせいか誰も追及はしなかった。後にこの名は法国にも伝わり、最高執行機関で大真面目に語られることになる。

ボリス・アクセルソン #9−2〜 (声・手塚ヒロミチ)

 レエブン侯お抱えの親衛隊の一人で、元オリハルコン級冒険者チームのリーダー。41歳。火神の聖騎士でもあるイビルスレイヤーで、首から聖印を下げている。

ホワイトブリム #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、一般メイドたち41人全員の原画作成者且つ製作者の一人。九人の自殺点後続参加組の一人。リアルでは月刊誌連載漫画家で、当初はイラストレーターだった。「メイド服は決戦兵器」「メイド服は俺の全て(ジャスティス)」「シンプルなメイド服も様々な装飾が施されたメイド服も最高、つまり何をしても最高なメイド服は人類史上最高の発明」と豪語しており、連載中の漫画もメイドがヒロインらしい。ちなみに自分がデザインしたナザリック一般メイドの一人を、自身の漫画にチョイ役で出演させているらしい。

ポワポン #10−3〜

 帝国を拠点としているアダマンタイト級冒険者のトーテムシャーマンで、銀糸鳥の一員。それなりに整った顔立ちで年も若いが、日に焼けた裸の上半身に奇妙な紋様を白色で書き込んでいる、際立って奇怪な外見をしている。下半身も腰蓑一つで冬などいかにも寒そうだが、温度変化から身を守るマジックアイテムを装備しているとのこと。

マーレ・ベロ・フィオーレ #1−1〜 (声・内山夕実)

 姉のアウラと共にナザリック地下大墳墓第六階層守護者を務めるNPCで、10歳ほどの子供の外見を持つ闇妖精。76歳。身長104cm。製作者はぶくぶく茶釜、住居はナザリック地下大墳墓第六階層巨大樹。属性は中立〜悪、カルマ値は−100。総合レベル(人間種なので種族レベル無し、職業レベルのみ)は100で、内訳は森祭司:10、ハイ・ドルイド:10、ネイチャーズ・ヘラルド:10、ディサイプル・オブ・ディザスター:5、フォレスト・メイジ:10など。双子のため容姿はアウラそっくりだが、瞳の色はアウラと逆(左が森のような緑、右が海のような青)。アインズよりナザリックの隠蔽作業を任されたほか、姉同様にトブの大森林全体の調査・把握も命じられている。ゲヘナにはデミウルゴスを補佐する副リーダーとして参加、デミウルゴス以外で唯一作戦の全貌を聞かされており、非常時には彼が全体の監督を代行する手はずとなっていた。他にもヒルマを拉致して洗礼を受けさせる、アインズへの作戦説明の場に立ち会う、モモンとヤルダバオトの戦闘開始を知らせる地震を起こす、作戦終了後アウラと共に八本指の会議場へ乗り込むなど、幾つもの重要な役目を全うする有能ぶりを見せている。普段の仕事には定期的な降雨と大地の栄養素回復が含まれており、アウラが森の巡回をしている間は代わりに円形劇場で即応待機している。魔導国建国後はエ・ランテル付近における冒険者訓練用地下墳墓の作成・管理(冒険者組合との打ち合わせなども含む)、支配下となった国や地域の天候操作なども任されている。王都侵攻時にはコキュートスと組んで王国軍を一掃し、広域攻撃魔法で王都を瓦礫の山と化す役目を担う。その際に都市の破壊と住人の殲滅という作業の奥深さと困難さを痛感し、より多くの経験を積んで精進する事を決心する。いつもビクビクオドオドとして気弱そうな印象を受ける、一見頼りない大自然の使者ではあるが、そうした演技をしているだけのような様子も散見される(製作者の意図かどうかは不明)。基本的にインドア派のようで運動は好まず、部屋で静かに読書している方が好きで、何もしない時は自室に籠り一日中でも平気で寝ている(態々部屋を寒くして羽毛布団に包まっている)。絶対的忠誠を誓うモモンガはもちろん、自分と同じナザリックの同胞は非常に大切に思っており、女性陣が生理的に苦手とする恐怖公や餓食孤蟲王とも嫌悪感無く接する。反面ナザリック外の者にはまるで無関心であり(表面的な社交性は有している)、いかに残酷な事でも平然と行える冷徹さを持つ。自分と同じく女性の製作者を持つNPCたち(アウラ、ペストーニャ、エクレア、ユリ)には、製作者たちの仲が良かった事もあって親近感を抱いており、私的な場では互いに綽名で呼び合ったりする仲である。姉に従うよう設定されてでもいるのか、アウラに対しては特に弱腰だが、双子ゆえかコンビネーションは抜群で主に後衛を担当する。戦闘では範囲攻撃を得意としている(広範囲殲滅に関してはナザリック最強)が、単純な強さでも階層守護者の中で最強であるシャルティアに次ぐ。彼に勝てると目されるのは、シャルティアとアルベドのみである。シャドウ・オブ・ユグドラシルを武器としており、藍色の竜王鱗でできた胴鎧を纏い、木漏れ日のマントを羽織っている。胴鎧の上にアウラと同様の白を基調とした服を着て、やや短めのスカートに白色のストッキングを履いている(いわゆる男の娘であり、女装はぶくぶく茶釜の趣味)。銀色に輝く大きなドングリをあしらったネックレスと、アウラとの通信用イヤリング(首から下げている)、絹製のような光沢を持つほっそりとした白の手袋を身に付けている。詳細は不明だが、精神作用無効の効果を持つアイテムも装備している。服はアウラと合わせてそこそこの数を保有しているらしく(着包み含む)、魔法が掛かっているので誰でも着られるという。

マクシミリアン・オレイオ・ラギエ #10−幕間〜

 法国の最高執行機関の一員で、闇の神を崇める闇の神官長。司法機関の出身で、法律に関する本を常に周囲に魔法で浮かべている。丸眼鏡を掛けている。

マツ #2−2〜

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

マルムヴィスト #5−5〜 (声・手塚ヒロミチ)

 八本指警備部門の構成員で、千殺の異名を持つ六腕の一人。薔薇の棘を武器とする、刺突に特化した毒使いの優男。戦士というよりは暗殺者寄りの人物で、薔薇の棘は掠り傷でも与えられれば致命傷となるため、鋼鉄すら貫く流星の如き刺突に比べて剣技は若干疎かになっている。サキュロントの敗北で傷付いた六腕の名誉回復を目論むゼロの命で、他のメンバーと共にセバスの公開処刑を担当する。金糸刺繍を施した上着やチョッキを着用し、ムーブプラスを履いているほか、ミックス・ポーションを携帯している。

ミアナタロン=フヴィネス #11−5〜

 フェオ・ベルカナの王城に居座っている霜の竜の一体で、オラサーダルクの妻の一人。三人の妻の中では最も若く、青白く長い角が一本突き出している。夫がアインズに瞬殺されたのを目の当たりにして即時降伏、後にシャルティアの配下として物資運搬の仕事に就く。

ムゥアー・プラクシャー #13−4〜

 黒鋼の二つ名を持つ獣身四足獣で、亜人連合軍では十指に入る強者の一人。力押しが基本の獣身四足獣には珍しく野伏の職業を修めており、隠れ潜んで不意を打ち密かに始末する恐るべき暗殺術を使う。普段から無口で闇の中を走る影ともいわれ、決して揺らがない堅い意志で一度狙った相手は必ず仕留める。

ムンウィニア=イリススリム #11−3〜

 フェオ・ベルカナの王城に居座っている霜の竜の一体で、オラサーダルクの妻の一人。かつてフェオ・テイワズで領土を賭けてオラサーダルクと戦い、結果として都市を壊滅させた。夫がアインズに瞬殺されたのを目の当たりにして即時降伏、後にシャルティアの配下として物資運搬の仕事に就く。

メナ #13−5〜

 聖王国に住んでいる、ネイアの弓兵隊の一員。魔導王に深い感謝を抱いており、隊員の中では優秀な方。

メフィストフェレス #11−2〜

 光に憧れた悪魔という設定の、ユグドラシルに存在していたNPC。悍ましい外見ながら理知的且つ友好的で、美味しい依頼からレベルの高い依頼まで提示してくれる。善の存在に対しツンデレなセリフを吐くことでも有名で、黒い仔山羊に次ぐ人気を誇っていた。

モーレット #1−3〜

 スレイン法国に仕える兵士で、陽光聖典の作戦に参加した部隊の一員。バハルス帝国騎士に扮して村々を襲撃し、ガゼフを誘き出す囮役を務める。突如現れた死の騎士の恐ろしさにパニックになりかけたが、ロンデスの指示で正気に返り撤退の準備に入る。デズンと共に従者の動死体になりつつある同僚の首を刎ねようとするが、その前に死の騎士の攻撃であっけなく殺された。

モチャラス #10−2〜

 王国内に領地を持っている下級貴族で、モチャラス男爵家の当主。長男も次男も喪い三男のフィリップが次期当主と決まった事で、彼なりに心配して色々と世話を焼いたのだが、肝心のフィリップに親心は全く伝わらず全て台無しにされている。後にフィリップが本家の屋敷に住むようになってからは、長男の家族と共に離れに移った模様。王国滅亡後フィリップを捕らえに行くアルベドに、皆の苦しみを教えてやってくれと依頼したらしいが、彼自身や家族の以後の安否は不明。

モックナック #3−3〜 (声・櫻井トオル)

 エ・ランテルを拠点にしているミスリル級冒険者で、虹のリーダー。エ・ランテルを拠点としたのは、地元なので知り合いが多い・マジックアイテムの流入が多い・アンデッド退治の仕事が多く安定した収入を得られるといった理由による。エ・ランテルが魔導国首都となってからも街に残留している数少ない冒険者の一人だが、それは先述の利点を維持したいというだけでなく、自分を犠牲にして街を守っているモモンに申し訳ないという思いによる。しかし偶然冒険者組合を訪れたアインズと鉢合わせ、アインズの考えや自分に対する評価等を聞いた事ですっかり魅了されてしまった。以後はアインズをカリスマに溢れる偉大な魔導王として、心から敬意を払うようになる。力強さを感じる立派な佇まいで、装備品も下の階級の冒険者よりは良いものを着用している。

モッちゃん #13−4〜

 聖王国に住んでいると思われる、ネイアの数少ない友人の一人。詳細は不明。

モモンガ #1−P〜 (声・日野聡)

 至高の四十一人の一人で、パンドラズ・アクターの製作者。本名は鈴木悟、身長177cm。ユグドラシルでの種族は死の支配者。住居はナザリック地下大墳墓第九階層の自室(魔導国建国後はエ・ランテル都市長の屋敷にも時々滞在する)。属性は極悪、カルマ値は−500(あくまでもキャラクターとしての設定であり、鈴木悟の人格とは無関係)。総合レベルは100で、内訳は種族レベルが取得総計40(骸骨の魔法使い:15、死者の大魔法使い:10、死の支配者:5など)、職業レベルが取得総計60(ネクロマンサー:10、チョーセン・オブ・アンデッド:10、エクリプス:5など)。アインズ・ウール・ゴウンが全盛期を過ぎ、次々と仲間が辞めていく中で最後まで残っていたギルド長である。ただ長と言っても実際の役目はメンバー各員への連絡係や、意志決定の多数決を仕切る程度の雑務が中心だった。前身である九人の自殺点が生まれるきっかけになった初期メンバーであり、皆で作り上げたギルドを誰よりも大事に想い、いつ誰が戻ってきても良いように維持管理(他プレイヤーと一切交流を持たず、危険度の高い場所を避けつつ無理しない程度に狩りを行い、稼いだ維持資金を宝物殿に放り込んで帰還する事の繰り返し)を行っていた。異世界転移後は唯一残ったメンバーとして、名実共にナザリック地下大墳墓の統治者となる。更にカルネ村での一件を機に従来の名を捨て、決意の証としてアインズ・ウール・ゴウンを名乗る。その目的はギルド名を世界に知らしめ、どこかにいるかも知れないメンバーの元に届かせること。もし仲間たちに出会えてギルド名を名乗ることを許されないなら、即座に元の名に戻るつもりである。しかし元々単なる一般人だった彼に支配者の演技は困難で、暇な時はそれらしいポーズや台詞の考案・練習を地道に重ねている。ナザリック内でやれる事が一段落した後、経験を伴う情報収集を兼ねて名を世界に知らしめるべく、ナーベラルを唯一の仲間とする冒険者モモンを名乗って行動を開始。エ・ランテルを拠点に急速に実績を重ねていき、ホニョペニョコ討伐により最高位のアダマンタイト級に速攻で上り詰めた事で、漆黒の英雄として王国はもちろん諸外国にまで届く名声と信頼を得る。王国を襲撃したヤルダバオトを撃退した事で更に知名度を上げるものの、それがデミウルゴスの立案による世界征服計画の一端でもあったことを知って驚愕(自分の何気ない一言に起因していることは覚えていない)。しかし今更後戻りができるはずもなく、ナザリック勢力で国家を立ち上げるという案を渋々ながら受け入れる。まずはフールーダに正体を明かして配下に取り込み、帝国を利用して魔導国建国を世に知らしめることに成功。次に同盟関係にある帝国側に手を貸す形で王国との戦争に介入、王国軍18万を惨殺する圧倒的な力を見せつける。王国から割譲されたエ・ランテルを首都と定め、モモンを使って反抗の可能性を封じ無血で掌握。開拓村の復興に着手して自給自足体制の確立を目指しつつ、建国以前から進めていた楽園計画にヒントを得て、ナザリックの支配下で様々な異種族が共存し平和に暮らす理想郷を国の目標として設定。そのために力に頼らない手段で世界征服を実行し、圧倒的な魅力による永続的な統治を行う決心をする。そんな魔導国の理想を世に広める手段の一つとして、冒険者を取り込んで鍛え上げ、未知の探究者として世界に送り出す事を思いつく。手始めにアインザックと語り合って協力を取り付け、エ・ランテルの冒険者組合を傘下に収める。次は同盟国の帝国でそれを宣伝しようと行動に移すが、様々な偶然が絶妙のタイミングで折り重なり、考えてもいなかった帝国の属国化に最速且つ無血で漕ぎ付けてしまう(デミウルゴスはそのつもりで計画を立てていたが、一ヶ月ほどの時間と大都市での暴動が必要だった)。その後は山小人の王国との同盟締結、聖王国からの依頼によるヤルダバオト討伐、所有馬車への襲撃を発端とする王国の壊滅などを成し遂げ、良くも悪くも魔導王としての知名度は着実に上がっている。全身骨だけなので食事は摂れない(口に入れても零れるだけで味もしない)が、味覚以外の五感は何故か残っており非常に鋭い(触覚のみ若干鈍い)。喜怒哀楽の感情も残ってはいるものの、起伏が一定以上になるとアンデッドの特性で強制的に沈静化される。好奇心は残っているが三大欲求は非常に薄くなっており、微妙に残滓があると感じる性欲以外は食欲も睡眠欲も感じない。人間への同族意識はほとんど抜け落ちており、人間が殺されていようが自分で殺そうが何も感じなくなっている(アンデッドになった事で人間だった頃の精神がほぼ消失し、身内以外への感情の断絶が起こったとされるが、完全ではなく幼子には多少の憐憫が湧く)。といっても無意味且つ無益な殺生は好まず(有益なら躊躇なく行える)、自分たちに益があると判断すれば助けることもある。人間種や亜人種を見下すナザリックの共通認識にも染まっていないので、コミュニケーションもごく普通に取れるし(寧ろ苛烈な言動をする部下のNPCたちを宥める側である)、恩義を受ければそれに報いる事にも抵抗は無い。なお親愛の情を抱く至高の四十一人が作り出したNPC達は家族同然であり、彼らやナザリックの誇りなどが傷つけられるなどした場合は苛烈な報復も辞さない。故に愛しいNPCたちが争う姿を見たくなかったとはいえ、自らの手でシャルティアを殺めなくてはならなかった事への憤怒は凄まじく、それなりに時間が経っても全く薄れる気配が無い。臆病と言っても差し支えない程に用心深く慎重な性格で、転移後世界の脆弱さがある程度判明してからもそれは変わっていない。寧ろシャルティア洗脳の一件で警戒は一層強まり、常に上を目指し足を掬われぬよう幾多の実験・研究と地道な軍拡に腐心している。一方でユグドラシル時代のコレクター魂は依然として残っており、希少なアイテムは勿論レアと思われる人材や種族にも目が無い。ネーミングセンスが壊滅的という残念な特徴があり(本人は無自覚)、それについてはギルドメンバー全員が同意していた(ペロロンチーノに促されてギルド設立時に提案したギルド名・異形種動物園は、意外に悪くないが三下的な臭いがする、出番なく終わるやられ役集団みたい、悪役っぽくて良い、見世物になっているようで少し嫌などといった感想が流れた)。完全武装はギルド長に相応しく全てが神器級アイテム(全て効力の違う9個の指輪・ネックレス・小手・ブーツ・マント・上着・サークレット)で、どれも驚くべき価値のある逸品ばかり。本来であれば指輪は左右の手に一つずつしか嵌められないが、恒久的効果を持つ高額課金アイテムにより、十本全ての指に嵌めることが可能となっている(左手薬指のものだけは宝物殿に置いてある)。胸当てや肩当てから流れる立派なアカデミックガウンには、禍々しいオーラのデータが注入されている。数多のプレイヤーの中で最強の一角を担う魔力系魔法詠唱者だが、自身では全プレイヤーの中では中の上程度と認識している。PKで得たプレイヤーの死体を使って習得した数々の魔法は、即死などの副次効果を与える死霊系魔法に特化しており、職業もアンデッドに似合った死霊系統ばかりを選択して強化している(いわゆるドリームビルド)。逆に無生物に有効な単純にダメージを与える魔法はさほど習得しておらず、その点では戦闘特化系の魔法職に数段劣る。しかし魔法習得数は実に718という破格の数であり、しかもその全てを暗記していて瞬時に適切な魔法を選択できる判断力を持つ。これには他のギルドメンバーたちも驚愕したほどで、ギルド内において魔法関係の知識は五本の指に入る。よってダンジョン攻略時は、最も困難とされる特殊役を任される事が多かった。将来的には転移後世界特有の魔法体系習熟をも狙っており、魔法が技術なのか知識なのかという問題も併せて思考と模索を続けている。つまるところ彼の強さは蓄積された知識の巧みな運用によるもので、PVPの勝率の高さは一回目を捨てる事で連勝していたが故。なお魔法に関する能力と違い肉体に関する能力は低いが、それでも100レベルである以上積み重ねられた筋力値は相当なもので、低レベルのモンスター程度なら力任せでも容易く倒せる。更にモモンとして戦士の戦いを幾度も経験した事で、フォーサイトを相手に魔法無しで互角に渡り合えるまでになる。アンデッド特有のものかは不明だが、痛覚はあるもののすぐに抑圧されるので身体的苦痛が戦いに影響することは無い。ちなみに馬術は当初持っていなかったが、ホニョペニョコの一件で必要性を感じ密かに練習して習得した模様。

モルガー #1−1〜

 カルネ村の住人。少し騒がしいものの気立ての良い性格だったが、帝国兵に扮した法国兵に殺された。

モルガー #8−1〜

 カルネ村の住人。帝国兵に扮した法国兵の襲撃により、夫を喪っている。畑仕事を自主的に手伝ってくれる小鬼には心から感謝しており、お礼に食事を御馳走したいと思うほど。ふくよかな体型。

ヤブラ #2−2〜 (声・矢野正明)

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レべル8。

やまいこ #1−1〜

 至高の四十一人の一人で、ユリの製作者。九人の自殺点後続参加組の一人で、ユグドラシルでの種族は半魔巨人。三人しかいない女性メンバーの一人でもあるが、一人称は「ボク」。リアルではアーコロジー内の小学校に勤める教師で、モモンガとその類の雑談をしたことがある。幼い子供を働かせるのが普通になっているため、こんな世の中はおかしいと言っていた。天才肌の妹・明美と何かにつけて比較されていたが(当の妹には尊敬されていた)、その程度では動じない樹齢万年のような太い精神を持つ。ただ一人称のせいか女子の後輩に本気で告白されたことがあり、しかも妹と喧嘩するなど非常に迷惑な存在だったので、百合系統には忌避感を持っている。かつてボーナスを狙った課金くじ(500円ガチャ)を行った際、昼飯一回分の金額で見事に流れ星の指輪を引き当てた事がある。モモンガはそれを入手するのにボーナスが吹き飛ぶほどの金額を犠牲にしており、転げ回って悔しがったという。敵の内情が不明な際(単にデータを覚えてない場合も含む)は、一発殴る事で相手の手札を調査するのが良い(強かったら逃げる)との発言が多く、皆からは脳筋先生と呼ばれていた。当初は種族を別の異形種に変えるかもしれないと発言していたが、ゲームを続ける内にそれなりに気に入ったのか、結局変えることはなかった。数少ない女性同士という事もあってか、餡ころもっちもちやぶくぶく茶釜とは仲が良く、度々ナザリック地下大墳墓第六階層に集まっていた。治癒系魔法を修めた精神系魔法詠唱者で、半魔巨人の特色を精神と耐久力を高めることに割り振っている。自分の防御能力と回復能力に特化した構成をしており、防御役の代わりを務める事もできる防御回復役。時には敵に群がられていても味方を回復し続けることができ、生半な防御役では足元にも及ばないサバイバビリティを有する。とはいえ回復がメインである以上、主武器である女教師怒りの鉄拳を上手に活用し、敵と一定距離を保ち続けるのが基本。それに強化などの支援を行うにはMPが少なく、攻撃力もさほど高くないので元々前衛向きではない。彼女はいうなれば最終防衛ラインであり、壊滅しかかった時に盾となりつつ、瀕死の仲間を復活させるのが役目である。モモンガの印象では、自分の作ったNPCが自我を持って生きていると知った場合、敢えて会いに来そうな人物の一人。

ヤルダバオト #6−10〜 (声・加藤将之)

 王都に突如として現れ、甚大な被害を齎した大悪魔。実際はデミウルゴスの変装で(本性は憤怒の魔将という設定)、アインズの命で作り上げた架空の魔王である。最終戦争・悪が付与された悪魔像が王都に流れ込んだので、それを回収するという名目で王都を襲撃。まず八本指の施設を襲撃してあらゆる財宝・物資を奪い、その全てをナザリックの糧とした。その際に密輸部門の倉庫に悪魔像を残し、罪を着せると同時に発見できなかった体を装っている。次に倉庫や商会などがある王都の経済の心臓部分をゲヘナの炎で包み込み、その内部で一万人を超える住人・食料・物資等を奪取。これにより悪魔が八本指の施設を襲った件は闇に紛れ、数多く襲われた場所の一つに過ぎなくなった。また多くの住人を攫った事で王国の人々に恨みを買い、悪評が広まった事で魔王として世間に広く認知される。そしてこれらを実験台とし、アベリオン丘陵の亜人たちを制圧・服従させ、魔皇と称して聖王国へ侵攻を開始する。

ユリ・アルファ #1−1〜 (声・五十嵐裕美)

 六連星の長女で、本性は首無し騎士。身長174cm。製作者はやまいこ、住居はナザリック地下大墳墓第九階層使用人室(戦闘メイド用)。属性は善、カルマ値は150。総合レベル51で、内訳は種族レベルが取得総計11(動死体:10、首無し騎士:1)、職業レベルが取得総計40(ストライカー:10、シングルブロウ:5、料理人:1など)。黒髪を夜会巻きに結い上げている、戦闘メイドのお姉さん。眼鏡(レンズ無しの伊達)をかけた整った顔立ちには、鋭利さと冷たさが同居した知的な雰囲気がある。ゲヘナの際はヤルダバオト配下のメイド悪魔「アルファ」と名乗り、シズと組んでイビルアイと戦闘を行い終始圧倒する。請負人がナザリックに入ってきた時は竜狩りの担当となり、他の姉妹たち(ナーベラル以外)と共に彼らの戦闘を見届けて後始末まで行った。ジルクニフたちがナザリックに来訪した時は、軽口を叩くジルクニフに全く取り合わず淡々と接待をこなしている。魔導国建国後には子供たちの教育機関設立をアインズに提案し、エ・ランテルで英才教育を施す孤児院を運営するようになる。公私の区別を弁えた生真面目ながら少々堅い性格で、問題児の多い妹たちのフォローで苦労しており、時折愚痴を零している(シズやエントマはマシな部類らしい)。同時に姉として妹たちに情けない姿を見せないよう、日々努力している。死体愛好者のシャルティアは彼女を捕食者然とした目で見るので苦手意識を持っており、アインズの妃にはアルベドの方を推している。なお七姉妹へ移行時は副リーダーとなり、オーレオール不在時はリーダー代行を務める(六連星においても、6人のリーダー的な立ち位置なのは同じ)。普段の一人称は「ボク」だが、仕事中は意識して言わないようにしている(割と頻繁に言い掛けてしまうが)。棒で机等を鞭のように叩く癖があり、その様は意地悪な女教師を想起させるが、彼女にとってその感想は誉め言葉である。そもそも誰かに何かを教えるという仕事が好きで、他人から奪ってまでする気は無いものの、頼まれれば喜んで引き受けてしまう。そうした思いはやまいこが設定したからだろうと推測しており、そこに創造主との確かな繋がりを感じて嬉しく思っている。また無自覚ではあるようだが、アインズから見るとやまいこの「とりあえず殴ってから考える」気質も受け継がれている模様。自分と同じく女性の製作者を持つNPCたち(アウラ、マーレ、ペストーニャ、エクレア)には、製作者たちの仲が良かった事もあって親近感を抱いており、私的な場では互いに綽名で呼び合ったりする仲である。特にペストーニャは同じ気質を持つ親友であり、ペストーニャの謹慎中はセバスの依頼でツアレの歩行訓練教育を代行している。アンデッドなので大きな感情変化は抑制されるはずなのだが、彼女はなぜか抑制されない稀有な存在である。ナザリックにおいて料理ができる希少な人材の一人であり(一般的な調理のみ、特殊効果を持つ料理はほとんどできない)、ナザリック外の者に対しても慈悲を持つ数少ない例外の一人。棘付きガントレットを武器とする格闘家で、気のパワーを乗せた拳打は鉄をも砕き発頸すら使いこなす。メイド服は戦闘用ではあるものの、防護より動き易さを重視されたデザインになっている。青色の太めのチョーカーには半透明の小振りな宝石がついており、首から出ていると思われる炎の揺らめきが浮かんでいる。

ヨオズ #11−3〜

 リユロの配下でも一・二を争う評価を得ている土堀獣人で、選りすぐりのレッド・クアゴア。頭脳明晰で個人戦闘力も高く、全氏族で見ても並ぶ者のない非凡な指揮能力を持ち、元いた氏族では将来の長と目されていた。比類なき強者であるリユロを心から尊敬しており、その忠誠心には一片の曇りも無い。フェオ・ジュラ攻略においては、特に精鋭が集められた先遣隊の指揮を任される。氏族間の対立が根強く残る精鋭たちには手を焼いたが、競争意識を煽って巧みに操り砦の征圧を見事に成功させた。しかし都市への侵攻は、ミスリルとオリハルコンの合金で作られた扉に阻まれてしまう。攻めあぐねている内に突如出現した死の騎士に全く歯が立たず、先遣隊及び本隊は全滅させられてしまい、大裂け目の橋ごと死の騎士を落として命からがら逃げ帰る羽目になる。ただ即座に撤退して重要情報を持ち帰った事、追撃を想定して残存兵をフェオ・ベルカナの防衛に充てた事などがリユロに評価され、幸いにして大きな失点にはならなかった。後にアインズたちの襲撃を受けた際は、同胞を苦も無く処理していくシャルティアの力に恐怖して心が折れ、リユロの命で泣く泣く子供たちの間引きに着手する。

ヨーラン・ディクスゴード #9−2〜 (声・伊原正明)

 レエブン侯お抱えの親衛隊の一人で、元オリハルコン級冒険者チームの一員。46歳。風神の神官でありながら、戦士としても戦えるウォープリースト。

ライマツ #2−2〜

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ #1−4〜 (声・小清水亜美)

 王都を拠点としているアダマンタイト級冒険者の神官戦士で、蒼の薔薇のリーダー。住居は王都。下土月1日生まれの19歳。職業は神官、テンプラー、女司教など。趣味は執筆活動。列記とした王国貴族であり、蒼薔薇と称される美貌の持ち主で、緑色の瞳もピンクの唇も健康そうな色に輝いている。朱の雫の冒険譚を耳にして家を出奔(後に両親の理解を得ている)、自らも冒険者となった。かつて任務遂行中のニグンたち陽光聖典に遭遇し、彼らを撃退した事がある。ヤルダバオトの王都襲撃時は、冒険者たちの先頭に立ってモモンたちの支援を行う。魔導国の王都侵攻が始まった時は残って徹底抗戦するつもりだったが、彼女の命の方が大切と判断した仲間たちに魅了を施され、遙か遠方の廃王都へと強制的に連行された。リーダーとしての素質は十分で、ぐいぐいと仲間を巻き込んで進んでいく性格。見た目とは裏腹に苛烈な一面を持ち合わせており、特に下種な欲望を実行し平然としているような屑には一切容赦しない。ラナーとは親友(実は彼女がそう思っているだけ)でよく相談に乗るなどしているが、ラナーの本性には気付いていない模様。ただラナーの天才ぶりには会話する度に驚かされており、慄然として内心で冷や汗を垂らしている。ティアやティナからは「鬼リーダー」「鬼ボス」「悪鬼ボス」と呼ばれる事があるが、その際は恐ろしい微笑みを浮かべて牽制する。魔剣キリネイラムを武器としているが、そのせいか時折中二病の一面が顔を覗かせており、ガガーランやイビルアイに無意味且つ余計な心配を抱かせている。叔父のアズスにもその話が伝わっていると思われるが、その後の経緯は不明。他にも無垢なる白雪、ネズミの速さの外套、浮遊する剣群を装備しており、既に英雄の領域に踏み込んでいる戦闘力を持つ(難度に換算すると90未満程度)。しかもまだ成長の余地がかなりあり、将来伝説に謳われる可能性が非常に高い。また水神を信仰する信仰系魔法詠唱者でもあり、王国においては貴重且つ希少な蘇生魔法の使い手。

ラッチモン #8−1〜

 カルネ村に住んでいる野伏。バレアレ家の後に移住してきたブリタを弟子として受け入れ、共にトブの大森林に入るなどして鍛えている。たださほど奥地まで入ったりはしないので、森の住民ほど事情に詳しいわけではない。

ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ #1−2〜 (声・安野希世乃)

 ランポッサV世の三女で、王国一の美人と名高く黄金と呼ばれる第三王女。上火月7日生まれの16歳。住居はロ・レンテ城、総合レベル(人間種なので種族レベル無し、職業レベルのみ)は9で、内訳は王女(一般):5、女優(一般):4。趣味はクライムを眺める事。輝かんばかりの母親の美貌を譲り受け、女神の如き神々しさと美しさに肖像画が描けないと言われる。長く色素の薄そうな黄金の髪は艶やかに後ろに流れ、唇の色素は桜の花のように薄いが健康的な色をしている。ブルーサファイアを思わせる深みのある青い瞳は、柔らかい色を湛えている。吟遊詩人たちが挙って歌を送ってくるなど、美貌に纏わる逸話は事欠かない。なお黄金という呼称は見た目だけでなく、その高い叡智と地位の低い者を慮る精神の輝きにも由来する。平民や冒険者の助けになる(上から一方的に押し付けるのではなく、助かる手段を用意して助かろうと努力する者にチャンスを与える形)画期的な機関を幾つも設立し、新しい法律を考案・実行しようとする慈悲深い姿勢は、非常に好意的な支持を国中から得るに至っている。これは平民の立場向上・王家への忠誠心向上・生産性の強化といったメリットにも繋がるものだが、大抵は平民の立場向上を嫌う貴族の横槍で潰されてしまっているのが現状。しかし実は彼女は潰されるのが分かっていて行動しており、全ては貴族たちを意のままに操る目晦ましに過ぎない。時には親友(のフリをしている)のラキュースに仕事を依頼することもあるが、それは自分の伝手だけでは実行が難しい案件に限る。貴族とのパイプもロクに無く宮殿に半ば引き籠っていながら、王国内は勿論諸外国の情勢にも深く通じていて、帝国にとって利のある提案を間接的にジルクニフに採用させたこともある(当のジルクニフは彼女に得体の知れない不気味さを感じており、彼の脳内嫌いな女ランキングで数年間第一位を保持し続けている)。近年で最も目立つ功績は奴隷制度の廃止で、奴隷として虐げられていた多くの者たちを救う形にはなった。しかし法律の内容を意図的に曲解して悪用したり、八本指の力を借りて裏で奴隷売買したりする輩が未だに蔓延っており、奴隷制度が完全に駆逐されたとは言い難い。人に会う時は幾つもの表情とキャラクターを使い分けており、それによって相手を望む通りに動かしている。そんな彼女の本性は精神の異形種とも呼ぶべき異質なもので、デミウルゴスやアルベドが一目で気に入る程。考えるという行為に関わるあらゆる能力が異常発達した天才で、大陸全土を見渡しても彼女に比肩する人間はおらず、人外の存在であるデミウルゴスやアルベドに匹敵する。全てを軽蔑し世界を何とも思っていない、冬の凍てついた湖のような空虚な瞳と素の表情は、本当に限られたごく一部の者(人間ではレエブン侯のみ、後にザナックも加わる)しか見た事が無い。幼少時は自分に理解できることが何故他人には理解できないのか分からず、遠巻きに薄気味悪がられる中で少しずつ性格が歪んでいった。また周囲に理解者がいない状況は多大なストレスとなり、食べ物を嘔吐し痩せていく日々を送る。そんな中で気晴らしに城下に出かけた時、ほんの気紛れから死に掛けていた子供(彼女の心情的には子犬)を拾った。その子犬は無邪気で純粋な尊敬の瞳で彼女を見据え、それによって彼女は自分と同じ人間をそこに見出すことができた。やがて成長し立派になったクライムを心の底から愛しており、後に純白の全身鎧を与えて強引に側近としたほどである。ただしその愛情もやはり歪んでおり、鎖を繋いで犬のように生涯飼い殺したいようなものと語っている。なおクライムを馬鹿にする者や彼と関わった女性(一部例外はある模様)には激しい怒りや嫉妬を見せ、様々な手を使って間接的に始末している。成り行き的にクライムの師となったブレインは直属の兵として遇しており、蒼の薔薇やクライムと合わせて彼女の保有する武力は王国内でもトップクラスとなる(大虐殺で多大な被害が出てからは、実質的に王国一)。クライムと添い遂げるのは彼女にとって当然の事だが、身分からして不可能なのは十分に承知しており、当初はレエブン侯の息子との婚約を隠れ蓑にするつもりでいた。だがデミウルゴスとの邂逅であっさりとナザリックに鞍替えし、以後は魔導国が王国を飲み込む裏工作(飴と鞭作戦)を極秘裏に進め、その成功報酬として己の願い(自身とクライムの悪魔化)を叶える算段を進めている。その際は正式にナザリックの一員となる上、領域守護者と同等の地位を約束されてもいる。既に彼女自身が使役できる兵力として影の悪魔を借り受けており、ナザリックから将来性を高く評価されている事が窺える。大虐殺後にはブレインの行動からヒントを得て、未亡人の雇用確保・治安維持・優秀な人材の発掘等を目的とした孤児院を作っている。ブレインの協力もあって子供の数は50人近くにもなっていて、勉強を教えたりブレインやローファンの弟子たちが剣を教えたりしている。運営は全て彼女の歳費だけで賄っており、特に優秀な子供は自身の労働力として連れていきたいとして、誰にも援助を求める事なく兄ザナックの申し出をも断っている。魔導国が王都を包囲してからは自ら食料を届け、尚且つ見事な手捌きで料理を作り配膳まで済ませている。蒼の薔薇との別れを済ませた後、覚悟を決めたブレインから返された剃刀の刃を渡しに父の元へ向かう。魔導国に王国の歴史そのものである財産(王冠・王笏・戴冠式で使う宝石・国璽等)を渡さないよう、王都の倉庫街に存在する秘密の地下室に隠す事を提案し(ザナックの発案らしいが真偽の程は不明)、父の許可を得てクライムに託す。クライムが戻った時は父のものと思われる返り血を浴びてへたり込んでいたが、具体的にどのような芝居が上演されたのかは不明(少なくとも毒は使用されたらしい)。ここまでの流れの9割が彼女の計画通りだったが、この時にアインズ自らが出向いて来たのは想定外で、それにより自分の立場が不味くなったことに戦慄している(少なくともアルベドの内心はほぼ正確に読み切っていると思われる)。そしてクライムが死んだ後、堕落の種子を箱から取り出して念願の小悪魔へと変化。クライムが蘇生した直後に偽りの事情を話し、彼にも小悪魔となってアインズに服従する事を承諾させて、遂に彼女の願いは最高の形で叶えられた。クライムという自身の最大の弱点を敢えて晒し、彼が非常に有益な人質であるとナザリック側に示した事で、自分が主人に従う犬であるという事実を知らしめ、仮初とはいえ信頼関係の構築に成功したのである。変化に伴ってステータスと趣味も変わり、総合レベルは10となった。内訳は種族レベルが取得総計1(小悪魔:1)、職業レベルが取得総計9(女優(一般):4、ジーニアス:5)、趣味はクライムと●●●●する事。ちなみに人間の時はジーニアスを王女と置き換えて過ごしていたので、元に戻っただけとも言える。ジャガイモの皮一つ剥けなかったのにすぐに料理ができるようになった事、初めて持った剣でまるで訓練を受けた事があるような構えや剣筋を見せた事、ロクに運動した事も無いのに全力で走っても息切れしなかった事などは、全てジーニアスを一時的に他の職業に置き換えていた可能性が高い。以後はナザリック第九階層の一室を貰い受けたった一部屋の領域守護者となり、アルベドの下で全力で仕事に励みつつ(将来的に役職は●●となる予定)、永劫の時をクライムと睦み合い過ごしていく算段である。先述の芝居での事もあってアインズへの畏敬はアルベドやデミウルゴスに匹敵するほどであり、切り捨てられないよう最初から本気で仕えなければならないと決心している。一方で犠牲にした王国民には一片の罪悪感も抱いてはいないが、食材に対するものと同程度の感謝はしているらしい。

ランダルセ #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる、伯爵位を持つ貴族。カリンシャ奪還が行われた後、5万の軍勢を率いてカスポンドの下に馳せ参じる。立派な顎髭を持つ。

ラン・ツー・アン・リン #12−1〜

 聖王国に住んでいる、九色の一色・緑を与えられている人魚。国内でもトップクラスの地位にいるらしいが、詳細は不明。オルランドが勝てないと見ている人物の一人。

ランポッサV世 #1−2〜 (声・長克己)

 リ・エスティーゼ王国を治めている、在位39年にもなる国王。60歳。髪はすっかり白くなっており、ほっそりした体は病的で手は枯れ木のように細い。かつての争いで膝を痛めており、杖無しでの歩行は困難。しかし行動力は依然としてあり、民だけに戦わせることを良しとせず、戦争時には必ず鎧を着て戦場へと赴く。ヤルダバオトの王都襲撃時も率先して出陣し、ガゼフが参戦できるように後押しした。終戦後にはモモンに短剣を贈っているが、どこまで考えての事なのかは不明。王派閥と貴族派閥の対立を長年続かせているなど、特に目立った功績は無く王としての資質は低い。しかし王に相応しいカリスマ性は持ち合わせており、自分を補佐する自分より優れた人物を集める事に優れている。また王として民の暮らしやすい国を作ろうと努力する、ガゼフが敬愛するに足る慈悲深い人物である。同時に彼にとってもガゼフは心から信頼できる数少ない忠臣であり、掛け替えのない心の拠り所となっている。故に帝国との戦争でガゼフが死亡した際は正気を失うほど激しく取り乱し、蘇生できなかったラキュースに手を挙げてしまう失態を見せた。以降の彼は生気を失ったかのように一気に老け込み、骨と皮だけの人形になってしまったような印象を周囲に与えている。王子が二人とも優秀とは言えず(実は次男のザナックはそうでもないのだが)、安心して王位を譲れないのが悩み。なお娘のラナーに抱いている愛情は、他の子供たちに対するものよりも強い。ちなみに二人の王子とラナーとは母親が違うらしいが、正妃は誰の母親で側室は何人なのかといった詳細は不明。大虐殺以後は本来の冴えを見せ出したザナックに王位を譲るべく、一つ大きな政策を打ち出して退位のきっかけとする策(国家運営の差配で致命的な失敗があれば責任を取る、無ければ多くの貴族の不満が溜まる政策で反感を買い、ザナックがそれを解消して貴族たちの好意を買うというもの)を立てていたが、魔導国から宣戦布告された事でそれどころではなくなってしまう。切り札として自分の首を差し出し事態の収拾を図ろうとするも、アルベドにきっぱりと断られた事で王国の壊滅は決定的となる。宣戦布告後に目立った動きが見えなかった事でまだ交渉の余地はあると考え、諦めずに魔導国ともう一度交渉しようとしていたが、実際は着実に都市が滅ぼされていっており交渉の余地などありはしなかった。それでも平和的解決を諦めずにいたが、もう彼には任せられないと判断したザナック・軍務尚書・内務尚書らにより、私室に軟禁されて滅亡の時を待つことになる。

リイジー・バレアレ #2−1〜 (声・谷育子)

 エ・ランテルに住んでいる薬師で、エ・ランテル最高と謳われるポーション職人。住居はバレアレ家。数多くいる薬師の中でも業界の第一人者で、最も複雑なポーションまでも生成できるベテランである。非常に高齢で顔も手も皺だらけであり、肩の辺りで切り揃えられた髪は真っ白になっている。アインズがブリタに渡した下級治療薬を見て衝撃を受け、アインズに接触を図るべくブリタから身体的特徴を聞き出した。後に孫のンフィーレアがクレマンティーヌたちに誘拐された際、モモンへ救助依頼をし己の全てを支払うと約束する。かくして依頼は果たされ孫は五体満足で無事に帰還、アインズの要請で孫ともどもカルネ村に移住。そしてアインズから貸与された種々のアイテムや器具を用いて、薬草作りやポーション開発に勤しむ事となる。第三位階魔法まで使える歴戦の強者で、個人戦闘力は下手な冒険者を上回る。

リーたん #9−2〜 (声・藤田茜)

 レエブン侯の息子。5歳。彼の誕生はレエブン侯の野心を打ち砕き、レエブン侯が子煩悩で愛妻家たる一人の父親になるきっかけとなった。父を超える才能の片鱗が時折窺えているといい、成長すれば王国中で話題を集める青年になるとレエブン侯に確信されている。

リ・キスタ・カベリア #9−1〜

 都市国家連合において、ベバードを治めている都市長。ベバードが次の競技大会開催地と決まって以降、ずっとその重圧に悩まされている。かつて帝国への使節団に上級内務員として参加した際、ジルクニフと会話する機会が得られ、機知に富むカリスマ性のある人物だと感じた。ジルクニフも彼女を気に入ったようで、脳内好きな女ランキング第一位らしい。

リク #5−2〜

 ユグドラシルのプレイヤーで、十三英雄を率いていたリーダー。最初は単なる凡人で誰よりも弱かったが、傷付きながらも剣を振るい続けた結果、誰よりも強くなったという英雄。詳細は不明だが(ツアーが何か関わっている可能性あり)、共に歩んだ仲間のプレイヤーを殺したことでショックを受け、死亡時に蘇生を拒絶してそのまま逝った模様。同時に彼が保持していた様々な知恵も失われてしまい、しっかり残っていれば面倒事が減ったのにとリグリットが惜しがるほどだった。無限に成長できる強さの持ち主だったほか、彼の所属していたギルドは世界級アイテムを2つ持っていたらしい。いかなる経緯かは不明だが、八欲王の遺したギルド武器の剣を主武器としていた。

リグリット・ベルスー・カウラウ #3−2〜 (声・野沢雅子)

 元蒼の薔薇の一員で、死者使いと称される魔力系魔法詠唱者。250歳以上。実はかの十三英雄の一人でもあり、ローファン率いるアダマンタイト級冒険者チームにいた事もある。200年前のフールーダをして自分と同等かそれ以上と言わしめる実力者で、20体以上の腐肉喰らいを同時に操る事ができる。ほかにもブレインとの交戦経験があったり、イビルアイを打ち負かして蒼の薔薇に参入させたりしている。全盛期に比べると老いによる衰えはあるものの、通常の竜以上の知覚を有するツアーに気付かれず忍び寄れるほどの実力は未だ健在で、悪戯好きだった心根に至っては全く変わっていない。仲間だったツアーの依頼で、ギルド武器に匹敵するアイテム、もしくは強化鎧のようにユグドラシル製の特別なアイテムの情報収集を開始する。

リットン #9−2〜 (声・佐藤拓也)

 王国六大貴族の一人で、貴族派閥に属する伯爵。狐のような印象を抱かせる人物で、魔法詠唱者を手品師の一種のように軽く考えている(魔法とほとんど関りの無い高位の貴族の間では、さして珍しくもない考え方である)。六大貴族の中では他者と比べて一段劣るため、自分の価値を上げようと躍起になっている節がある。それで他人がどれだけ苦しんでも構わないという考えなので、他の貴族からの評判は良くない。そうした敵意から逃れるためか、ボウロロープ侯の腰巾着として行動する事が多い。

リ・ベルン・カベリア #14−幕間〜

 ベバードを治めていた前都市長で、キスタの祖父。長きに渡って恙なく統治を行った偉人であり、前にベバードが競技大会の開催地となった時の都市長でもある。80歳近くになるまで都市長であり続け、ベバードの古烏とまで呼ばれた古強者なだけあって、彼が持つコネクションは孫を遙かに凌ぐ。足を悪くしたせいなのか、普段は離れに住んでいるらしい。良い統治者とは仕事を沢山するものではなく、然るべき者に仕事を与えられる者の事だという持論がある。

竜帝 #10−幕間〜

 ツアーの父親らしいが、詳細は不明。ツアーによれば、大きな間違いを犯しているらしい。

リュミエール #8−2〜 (声・大西沙織)

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。眼鏡を掛けた清楚な面持ちで、星の輝きが宿っているような不思議な光を放つ金髪をしている。他グループの者とお喋りしたいタイプで、シクススやフォアイルと仲が良い。食事の際は、清楚な食べ方ながらもフォークの往復速度が異様に速い。アインズの魅力は美しい顔と優しさにあると考えている。

リュラリュース・スペニア・アイ・インダルン #8−1〜 (声・宮澤正)

 トブの大森林の西部を支配している三大の一体で、西の魔蛇と称されるナーガ。魔法を使う気持ち悪い蛇と言われているが、ハムスケと同程度の実力があり頭もそれなりに良い。配下の正確な種族数や個体数は不明だが、妖巨人1体に人食い大鬼7体、それからジャイアント・スネーク、魔狼、悪霊犬が数体ずつ確認されている。かつて大森林にいた闇妖精に関する知識を持つが、実際に付き合いがあったかどうかは不明。滅びの建物を危険視して立ち向かう決意をするが、自分たちだけでは無理と考えグの協力を仰ぐ(ただしグの事は内心で見下しており、脳味噌と肉体の立派さが釣り合ってくれたらと常々思っている)。しかし突如現れた滅びの建物の主たるアインズに実力差を思い知らされ、全面降伏してナザリックのシモベとなった。魔導国建国後はエ・ランテル最外周部の門に詰めて、入国管理官の一人として初入国希望者に講習を行っている。相手の目を見る事で興味の有無程度の感情を読み取れる力があるが、彼個人の特殊技術なのかナーガの種族的能力なのかは不明。またオラサーダルクの妻だった霜の竜と茶飲み友達になっているらしいが、具体的に誰なのかは不明。

料理長 #2−番外編〜

 ナザリック地下大墳墓第九階層で、主に従業員食堂を仕切るNPC。ナザリックで料理ができる希少な人材の一人で、魔法的効果を持つ料理も振舞える。アウラの昼食にハンバーガーを用意したり、ルプスレギナに頼まれてポテトチップスを作ったりしている。

リリア #3−1〜

 幼少期に両親の手でどこかへ売り飛ばされた、ザックの妹。可愛がってくれる兄を慕っていたと思われる。

リリク #1−3〜

 スレイン法国に仕えていた兵士で、陽光聖典の作戦に参加した部隊の一員。バハルス帝国騎士に扮して村々を襲撃し、ガゼフを誘き出す囮役を務めていた。エリオンが殺されたのを見て最初に逃げ出したが、死の騎士に一瞬で四肢と頭を斬り飛ばされ死亡した。気立ては良いが、酒癖の悪い男だったらしい。

リリネット・ピアニ #14−2〜

 エ・ナイウルを拠点としているミスリル級冒険者の神官で、四武器の一員。匂い立つような色気の持ち主で、首から提げている土神の聖印がローブを押し上げる巨乳に挟まれている。性根は良く気も回せる好人物で彼女に惚れている冒険者は多いが、実は重度のショタコン。普段はのんびりとした口調で話すが、真剣になると口調が鋭いものへと変化し目つきも鷲のように鋭くなる。

ルイセンベルグ・アルベリオン #2−4〜

 王国北部を拠点としているアダマンタイト級冒険者で、朱の雫の一員。アズスの兄たちの子供たちを預かり、仲間と共に評議国へ向かった。アズス同様、彼にも強化鎧が貸与されている模様。

ルーン工王 #11−1〜

 かつて山小人の王国を治めていた王で、非常に優秀だったルーン工匠。200年前に魔神が王都を襲った際、王族は彼を除いて全滅。そして彼自身も魔神討伐に赴いたまま行方知れずとなったため、王家は断絶して最後の王となった。帝国に訪れたことがあるらしいが、いつ頃の事かは不明。大地を激震させるハンマーを武器としていた。

ルクルット・ボルブ #2−1〜 (声・花江夏樹)

 エ・ランテルを拠点としている銀級冒険者の野伏で、漆黒の剣の一員。金髪で茶色の瞳をしており、全体的に痩せ気味(無駄なものを削った結果)。そこそこ肌が焼けているほか、手足が長く蜘蛛を彷彿とさせる。一目でナーベを気に入り、旅の道中も何かとアプローチしては冷たくあしらわれるのがお決まりとなる。普段は軽薄なお調子者といった雰囲気だが、チームの目や耳を担っている事もあり、敵を察知した時などはプロとしての顔を見せる。武器は合成長弓と黒っぽいショートソードで、皮鎧を纏っている。

るし★ふぁー #1−1〜 (声・伊藤健太郎)

 至高の四十一人の一人。ユグドラシルでの種族は天使人形。ゴーレム製作に特化しており、アインズ・ウール・ゴウンにおけるギミック考案担当者の一人。玉座の間の扉やレオ・ゴーレム、ソロモンの小さな鍵にあるソロモン72柱(正確には途中で飽きたので67柱)の彫像、黒棺にあるシルバーゴーレム・コックローチ等を製作した人物で、モモンガは彼が作ったゴーレムに襲い掛かられた事がある(原因は戦闘AIのバグとされている)。他にもモモンガには様々な迷惑を掛けていたようで、仲間たちに深い友情を抱くモモンガにさえ好ましく思われていなかったナザリックの困ったちゃん。理由は不明だが、何故かアルベドにもゴーレムクラフトのくず野郎と罵倒されている。コミュニケーション能力に欠けているところがあり、相手との距離感を上手く掴めない。あまり知らない相手の前では一切口を開こうとしないが、自分の趣味を語る時は非常に饒舌で持論を曲げない頑固さを持つ。仲良くなったと思った相手には積極的に関わろうとし、これぐらいしても怒られないだろうと考えて笑いながら迷惑な真似をしでかすのである(悪意が無い分余計に性質が悪い)。ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しよう、と冗談で言っていた内の一人。ネーミングセンスはあまりなく、安直なものをそのまま用いる。

ルプスレギナ・ベータ #1−1〜 (声・小松未可子)

 六連星の次女で、本性は人狼。身長171cm。製作者は獣王メコン川で、住居はナザリック地下大墳墓第九階層使用人室(戦闘メイド用)。属性は凶悪、カルマ値は−200。総合レベル59で、内訳は種族レベルが取得総計5(人狼:5)、職業レベルが取得総計54(神官:10、バトル・クレリック:5、ウォーロード:4、教皇:5など)。天真爛漫という言葉が最も似合う絶世の美女で、褐色の肌を持ち長い髪は三つ編みにしている。アインズから影の悪魔と交代する形でカルネ村の守護を命じられ、バレアレ家に錬金術アイテムを届けたり、石の動像に各種の命令を下したりしている。他にも監視や警戒は勿論、村で開発中の技術漏洩防止に関する任務など、姉妹の中では比較的忙しい。ただ当初は任務の重要性を理解しておらず、村を玩具が沢山ある場所としか捉えていなかった上、報連相を怠ってアインズから叱責されてしまった。後に行われたテストには合格し報連相も行うようにはなったが、あまり懲りてはいないようで本心では村の全滅を願っている。ゲヘナの際はヤルダバオト配下のメイド悪魔「ベータ」と名乗り、ソリュシャンやエントマと組んでナーベラルと戦うフリをした。請負人がナザリックに入ってきた時は竜狩りの担当となり、他の姉妹たち(ナーベラル以外)と共に彼らの戦闘を見届けて後始末まで行っている。大虐殺の直前にはバルブロ一行がカルネ村を襲撃した事を受け、アインズから彼らを皆殺しにせよとの命を受ける。エンリが発動させた小鬼将軍の角笛の効果に驚きつつも、敗退したバルブロたちを追撃し命令通り一人も逃さず惨殺した。改まった場所以外では語尾に「〜っす」を付ける喋り方をするが、ユリやソリュシャンにはあまり快く思われていない。明るい雰囲気と軽薄で陽気な口調から村人には親しみを持たれているものの、実際は残忍且つ狡猾な笑顔仮面のサディストであり、誰かが積み上げた積み木を横から盛大に壊すのを好むタイプ。小鬼兵士(後にエンリも)は長く付き合う内に、彼女の中にある残虐性に薄々感付いている。また急激な勢いでコロコロと表情が変わるため、その落差が得体の知れない恐怖へと繋がる。完全不可視化を使って神出鬼没を演出し、他者を驚かせて楽しむ趣味がある。アインズの妃にはアルベドが相応しいと考えているせいか、何かとシャルティアを扱き下ろす(男胸だのペタン血鬼だのと呼称する)。人狼という種族特性により銀は彼女にとって弱点だが、それ以上に彼女自身も銀は大嫌いで触れる事すら嫌がる。武器は聖印を象ったような巨大な聖杖で、普段は背負っている。神官系の職業を修めているせいか、改造メイド服はそれに沿ったものを合わせている。

ルベド #2−幕間〜

 ナザリック地下大墳墓第八階層にいると思われるNPCで、アルベドとニグレドの妹。製作者はタブラ・スマラグディナ。ナザリックにおける肉弾戦最強レベルのNPCの一人で、セバスの全力をも凌ぐ文字通り最強の存在。フル武装のアインズですら勝てない程で、守護者最強たるシャルティアすらも彼女に比べれば弱いと言える。彼女を抑えられる可能性としては、八階層にいる「あれら」を世界級アイテム併用で用いた場合のみとの事。二人の姉とは違う創造の仕方をされたといい、起動実験に成功したという件から他のNPCとも一線を画す存在のようだが、詳細は不明。

ルンドクヴィスト #6−8〜 (声・江越彬紀)

 レエブン侯お抱えの親衛隊の一人で、元オリハルコン級冒険者チームの一員。45歳。秀才と言われる魔術師で、己の名を付けた魔法を幾つも開発している。

レイナース・ロックブルズ #7−2〜 (声・加隈亜衣)

 帝国四騎士の紅一点で、重爆の二つ名を持つ戦士。誕生日は隠していて不明。住居は帝都一等地。職業は貴族戦士、神官、カースドナイトなど。趣味は解呪後に何をするかという空想、復讐日記の執筆。顔の右半分は絶えず膿が滲み出る呪いのせいで醜く、普段は長く伸ばした金髪で隠している。故に自分以外の美人を目にすると、意識してかは不明だが舌打ちしてしまう。元は貴族の令嬢で、自ら剣を取っての領内のモンスター制圧に誇りを持っていた。しかしあるモンスターから死に際の呪いを受け、醜聞を恐れた家から追放され婚約者にも見放される。どういう経緯でジルクニフの目に留まったかは不明だが、そのおかげで実家と婚約者への復讐は遂げることができたらしい。四騎士中で最も攻撃力に長けている反面、最も忠誠心が低くジルクニフに忠誠を誓ってはいない。現状ではジルクニフに従うのが最もメリットがあると判断しているだけに過ぎず、自分に掛けられた呪いを解ける者が現れたら即座に離反するのは明白である。あくまで自分の身を第一とする考えの人間だが、それが許される事を条件に四騎士になる事を引き受けた。後に魔導国の強大さを知ってからは、自分を売り込み鞍替えする隙を窺っている節があり、ジルクニフにそれとなく警戒されている。完全武装時は全身鎧を身に纏い、歩兵が持ちそうな槍を武器とする。

レイモン・ザーグ・ローランサン #10−幕間〜

 法国の最高執行機関の一員で、土神を崇める土の神官長。40代半ば。機関内で最も若く、年齢を感じさせない精力と鋭い視線の持ち主。漆黒聖典第三席次として15年以上も戦い続けた、護国の英雄でもある。現在は彼が六色聖典を取り仕切っており、あらゆる情報が彼の下に集まってくる。

レオンシオ #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる貴族で、侯爵の陪臣たる家の次男。剣の腕で取り立てられることを願い、父から預かった腕に覚えのある者たちと共に、亜人連合軍との戦いに参加した。なけなしの勇気を振り絞ってヤルダバオトに立ち向かうが、炎のオーラによる激痛で思考が引き裂かれ、何で自分がという思いと共に焼死した。

レメディオス・カストディオ #7−2〜

 聖王女の両翼の一人で、九色の一色・白を与えられている聖騎士団団長。中火月24日生まれ。住居はホバンス一等地の実家。カルマ値は200くらい。職業はイビルスレイヤー、聖騎士(ジーニアス)、ホーリーナイトなど。趣味は自分や部下の鍛錬全般。聖王女同様に整った顔立ちをしてはいるが、鋭い瞳に宿る刃のような輝きが冷たい雰囲気を醸し出している。聖王女カルカとは親友の間柄(交友のきっかけは誕生日が近い事)で、聖王国最強の聖騎士且つ歴代最高の聖騎士団団長として妹ケラルトと共にカルカの権力の武力的背景を支えている。ただ物忘れが多く知識と思慮に欠けるせいで周囲に迷惑を振り撒いており、フォローする副団長たちにとっては頭痛の種でパベルなどからも不安視されている。尤も勉学の面で自分が他者に劣る事は充分に理解しており(妹の見立てでは卑下するほど酷くはないらしいが)、ならばとあらゆる時間を才のある戦闘力向上に費やした結果、国内では最上位と言える戦士にまで昇り詰めた。身体能力はアダマンタイト級冒険者に並ぶと自負しており、戦闘経験もそれなりに豊富で英雄の領域に到達している。事実ガゼフよりもレベルは上であり、周辺国家の中でも漆黒聖典隊員・ゴブリン聖騎士に続く3番目の強さを誇る。特に戦場での勘や判断力は非常に優れていて、カルカや妹からも頼りにされている。本来なら団長より突撃役等が向いているのだが、あまりに強すぎて彼女を差し置く事ができなかったという事情がある。国民の幸せのために行う全てを善だと信じて疑わず、カルカの協力者として彼女の正義を後押しし邁進する様は狂気に近い。また理想を追い求めるあまり都合の悪い現実を受け入れられない悪癖があり、それによって更に状況が悪化する場合も多い。その代わり組織につきものの柵や権謀術数とは無縁で裏表が無く、彼女の発言は確実に心からのものなので、それがカルカに精神的ゆとりを齎す心のオアシスとなっている。元来は寛大でおおらかな性格(悪く言えば大雑把)だったが、それはあくまでも自分では制御できない感情の乱れを、カルカを拠り所としてどうにか抑えていたに過ぎなかった。目の前で聖王女と妹を無惨に屠られて以降、頑なな偏見や思い込みが暴走する感情と融合して、何かと周囲に理不尽に当たり散らす厄介者に変貌してしまう。王国へ支援依頼に向かう17名の使節団の団長となるも、思い通りに事が進まず立場の弱いネイアに辛く当たる。魔導国でアインズに個人的な協力を持ちかけられた際も、ヤルダバオトと潰し合って共倒れになれば良いとしか考えておらず、付き合いの長いグスターボですら辟易する体たらくである。カリンシャ奪還後には首だけとなった妹を見て狂乱、収まってからの彼女は目が落ち窪み頬はこけ、瞳だけが爛々と輝く幽鬼のような様相に成り果てる。ヤルダバオトが倒された後は貴族たちの不満をぶつけられる役目を負わされ、更に別部署に配属されて聖王国内に隠れているかもしれない亜人の探索に奔走する事になる。オルランドが勝てないと見ている人物の一人で、四大聖剣の一つサファルリシアを有している(強い剣を常備しているとそれに溺れて基礎を疎かにするとして、平時は持ち歩かないようにしている)ほか、歴代聖騎士団団長が着用してきた由緒正しきマジックアイテム(銀色の全身鎧と白いサーコート)を受け継いでいる。

ロウネ・ヴァミリネン #9−P〜 (声・高橋伸也)

 ジルクニフに仕えている秘書官の一人で、ジルクニフが優秀と認めている三人(全員男性)の内の一人。ナザリックへ向かう道中では、ジルクニフと同じ馬車への搭乗を許されている。アインズとの会談後は帝国とナザリックの橋渡し役としてナザリックに残り、使者を置く場所や連絡手段の構築などをデミウルゴスと打ち合わせる役目を負う。帝国に戻った際はデミウルゴスに何かされた可能性ありとして閑職に回されたが、帝国が魔導国の属国となってからは隠しごとの無さをアピールする意味で復職し、複数の書記官を纏める筆頭書記官の地位に収まっている。並々ならぬ苦労のせいか年齢の割に頭が薄くなっているが、魔導国関連の仕事を経て精神的に鍛え上げられたようで、以前には無かった図太い一面が見られるようになってきている。

ロクシー #9−1〜

 帝国の後宮に入っているジルクニフの愛妾の一人で、ジルクニフが明晰な頭脳を見込んで選んだ唯一の存在。通常の愛妾のように顔立ちや親の地位で選ばれたわけではなく、非公式ながら政治への口出しも許されている。愛妾の中でただ一人、バジウッドが高く評価している人物でもある。ジルクニフとしては彼女が正妃でも構わなかったのだが、頑として受け入れず自ら進んで愛妾となった。上に立つ者にとって容姿は非常に重要な資質であり、それが無い自分は正妃に相応しくないと考えている模様。もしジルクニフの子を産んだとしても、皇帝の器でなかったり不穏分子になったりした場合、躊躇なく処置することのできる非情な一面を持つ。なお彼女は正妃にラナーを推しているが、その理由はどっちの血を引いても凄い子供が生まれそうだから。

ロケシュ #13−4〜

 ヤルバダバオトから亜人連合軍の総指揮を任されている、七色鱗の二つ名を持つ蛇王。連合軍では十指に入る強者の一人で、アベリオン丘陵で最も堅牢な存在と目されている。怪しく濡れたように煌めく美しい鱗は虹色の光彩を放ち、その硬度は竜に匹敵するといわれている。渇きの三叉槍を主武器とする優秀な戦士で、高い魔法耐性に加えて魔法鎧と大盾を身に付けている。

ロックマイアー #6−7〜 (声・矢野正明)

 レエブン侯お抱えの親衛隊の一人で、元オリハルコン級冒険者チームの一員。40歳。「見えざる(ジ・アンシーイング)」と称される凄腕の盗賊で、年季の入った容貌をしている。クライムたちと共に行動した八本指の施設襲撃作戦では、ゼロが管理する施設の先行偵察を務めた。ゲヘナの際は自ら望んでクライムやブレインと行動を共にし、能力を活かして二人の補佐を務めた。

ロニス #2−2〜

 エンリに小鬼将軍の角笛で召喚された、小鬼兵士の一人。レベル8。

ロビー #13−7〜

 聖王国に住んでいる軍士。24歳。満足な教育を受けたことは無いが、世界には自分の知らないことが山のようにあることくらいは知っている。ヤルダバオトの炎のオーラで全身を焼かれ、新鮮な臓物を撒き散らして死亡した。

ロバーデイク・ゴルトロン #7−1〜 (声・平川大輔)

 帝都を拠点としている請負人の神官で、フォーサイトの一員。中水月13日生まれで、外見年齢は30代。住居は歌う林檎亭。職業は神官、ハイ・クレリック、テンプラー。趣味は日曜大工。輪郭のがっしりした無骨な顔をしているが、髪は刈り上げられ僅かな髭も丁寧に手入れされていて、とても爽やかな印象を受ける。元は冒険者の上級神官だったが、神殿関連の色々な柵から救うべき人を救えない状況に苛立ち、冒険者を辞めて請負人となった本当に善人な神官。仲間内で最も弁が立ち、元の職業の関係で神殿へのコネもある。得た報酬の一部を孤児院に収めたり、自分と同じような思いを抱く神官たちの代わりに働いたりと、表立ってはいないものの多くの人の尊敬や賞賛を集めている。墳墓調査の依頼が来た際は、依頼人の背後関係や依頼の経緯などの調査を担当した。完全な下戸であり、一杯でも飲むと比喩でなく命の危険を伴う。もしアルシェがチームを抜けるならば、引退して弱者を助け人の役に立つ仕事に就きたいと考えており、開拓村で畑仕事をしながら神官の真似事など良いかもしれないと構想している。腰から吊るしているモーニングスターやメイスを武器としており、全身鎧の上に聖印の描かれたサーコートを着用、首からはサーコートと同じ聖印を下げている。

ロロロ #4−1〜

 子供の頃に旅の途中だったザリュースに拾われ、現在も飼われている巨大な多頭水蛇。5mもの巨体を誇り、4本の頭全てが濃い茶色の鱗と琥珀色の瞳を持つ。本来なら8本あるはずの頭が4本しかない奇形児だったため、生まれてすぐに親に捨てられた。故に養父であるザリュースたち蜥蜴人を親と認識しており、自分もいつか彼らと同じような体になるものだと思っている。ナザリックによる襲撃が一段落してからアウラに妙に気に入られていて、もし子供が生まれた場合はアウラに譲られる可能性が示唆されている。

ロンデス・ディ・グランプ #1−3〜 (声・佐々木義人)

 スレイン法国に仕える兵士で、陽光聖典の作戦に参加した部隊の一員。バハルス帝国騎士に扮して村々を襲撃し、ガゼフを誘き出す囮役を務める。六大神を信仰する敬虔な信徒だったが、突如現れた死の騎士から助けてくれない神に対し、一生分以上の罵声を浴びせることになった。ベリュースの無惨な死で恐怖に囚われる仲間を叱咤し、適切な命令で統率を取り戻す程度の判断力は持っている。死の騎士に対して生涯最高の一撃を繰り出す事に成功するも、その刃が届くことは無く斬首刑に処された。

ンフィーレア・バレアレ #1−3〜 (声・村瀬歩)

 エ・ランテルに住んでいる高名な天才錬金術師兼薬師で、リイジーの孫。住居はバレアレ家(後にカルネ村へ移住)。中風月18日生まれ。総合レベル(人間種なので種族レベル無し、職業レベルのみ)は12で、内訳は魔術師:3、アルケミスト(ジーニアス):4、ファーマシスト(ジーニアス):4、医師:1。趣味は錬金術の実験、新しい知識の獲得。金髪で前髪が長く顔が半分ほど隠れているが、将来女性に騒がれそうな整った顔立ちをしている。両親(父親は薬師だった)は幼い頃に亡くなっており、今は祖母だけが唯一の肉親。あらゆるマジックアイテムを使用可能という、非常に希少かつ貴重な生まれながらの才能を持っており、エ・ランテルでは祖母と並ぶ有名人の一人。本来なら使えない系統の巻物、人間以外にしか使えないアイテム、王族にしか使えないアイテムといった、いかなる制限も無視して扱える(ギルドアイテムや世界級アイテムも例外ではない)。モモンの為人とモモンが所持していた下級治療薬について探るべく、モモンを指名してトブの大森林における薬草採取の手伝いと警護を依頼する。ただ薬草採取は以前から定期的に行っていた事であり、モモンに依頼するのはそれまで雇っていた冒険者チームがエ・ランテルを去ったからでもある。採取はカルネ村を拠点として行い、採取する薬草の量にもよるが最長でも3日で終了する(平均では2日)。旅の途中にナーベラルが話した事やエンリの証言から、アインズとモモンが同一人物であると看破。村を救ってくれた事への感謝を述べると共に、自身の思惑に付いても全て打ち明け謝罪する。しかし何も咎められず不問にされた事で懐の深さに感銘を受け、アインズに対して絶大な信頼と尊敬の念を抱くに至り、彼の秘密を誰にも漏らさない事を誓う。後にクレマンティーヌたちに誘拐され叡者の額冠を付けられるが、アインズの手で救出され事なきを得た。以後はアインズの要請で祖母と共にカルネ村へ移住し、アインズから貸与された種々のアイテムや器具を用いて、薬草作りやポーション開発に勤しむ事となる。しばらくして紫色の水薬の開発に成功した際は、その成果を知ったアインズにエンリやネムと共にナザリックへ招待され、豪勢な食事の後に守秘義務に関する相談を行った。空気を読むのが巧みで人間関係の構築が上手く、振られた話題に巧妙に乗れる器用さを持つ。エンリに対しては以前から異性として好意を持っており、彼女のためなら自分の命をも盾に出来る覚悟を持っている。移住する前はほとんど話らしい話もできない程に緊張していたが、小鬼たちやネムの後押しもあって距離がぐっと縮まり、王国軍撃退後には晴れて夫婦となったようである。それからはエンリと一緒に住むようになり、ポーション開発から手を引いて薬の貯蔵と村長エンリの補佐を行うようになっている。とはいえ完全に手を引いたわけでもなく、祖母の補佐は変わらず続けているほか、精力剤的な滋養回復系のポーションを作ったりもしている。もっともそれは主に夜の営みの補助用で、そういった事について時々アインズに相談もしている模様。身体能力は低く、魔法も第二位階魔法までしか使えない。

 

 

???? #1−1〜

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。豊かな金髪が肩から流れ落ちている、顔立ちのはっきりしたお淑やかそうな美女。身長170cmほどで肢体はすらりと伸び、豊かな双丘がメイド服を内側から押しのけんばかりに自己主張している。

???? #1−2〜 (声・亀山雄慈)

 王国に住んでいる戦士で、ガゼフを隊長とする部隊の副長。とある村の出身で当然ながら平民であり、ガゼフに憧れて戦士となった。自分の村がある領地を治めていた貴族が平民を蔑ろにするタイプだった事もあり(詳細は不明だが、助けを求めても金を出す事さえしなかったらしい)、権力闘争に明け暮れてばかりいる糞貴族たちを蛇蝎のごとく嫌っている。ガゼフが王国にとって掛け替えのない存在であることを熟知しており、隊長を守るために必要ならば非情な決断を下す事も厭わない。彼も含めガゼフの部隊は全員がガゼフに鍛え上げられた精鋭たち(クライムに若干劣る程度)で、帝国騎士とも互角以上に亘り合える戦士である。彼らは装備を使いやすいように各々で独自にアレンジしており、共通しているのは鎧の胸部に刻まれた紋章のみ。

???? #1−4〜 (声・金光宣明)

 カルネ村の中央広場近くに住んでいる、カルネ村の村長。40代半ば。法国兵の襲撃から村を救ってくれたアインズに、妻と共に心から感謝の意を伝え、礼として知り得る限りの周辺地域や流通貨幣などの情報を教授した。後に平和だった頃の判断基準しか持たない自分では正しい決断ができないと考えるようになり、村の中心的存在になりつつあるエンリを後継に据えようと決意。バレアレ家や小鬼たちも含め、村中の皆からも賛同を得て本人に通達する。多少の押し問答はあったもののエンリが受け入れたことで、正式に村長の座を譲って引退した。とはいえ実務面でのサポートを行う関係上、村長業務と無縁になったわけではない。

???? #2−1〜

 神都にある闇の神殿に常駐している、闇の巫女姫。クレマンティーヌに叡者の額冠を強制的に外され、発狂してしまった。

???? #2−2〜

 十三英雄の一人で、悪魔と人間の混血児。暗黒騎士、黒騎士などと呼ばれている。悪魔の血を引くことから悪者扱いされており、英雄譚でも故意に存在を隠されるなど扱いは良くない。非常に強力な能力を持っていたらしいが、詳細は不明(カースドナイトだった可能性がある)。四大暗黒剣(魔剣キリネイラム、腐剣コロクダバール、死剣スフィーズ、邪剣ヒューミリス)を武器としていた。

???? #2−2〜

 ニニャの師匠。看破の魔眼を利用して才能ある子供を見出し、集めて教育を施しているという。

???? #2−2〜

 九人の自殺点初期メンバーの1人。たっち・みーとはクラン結成当初から仲が悪く、ギルド結成に至るかなり前に大喧嘩して集団を脱退、ゲームも辞めてしまった。たっち・みーが強力なリーダーシップで皆を引っ張っていた事が喧嘩に繋がったらしいが、原因の詳細は不明。モモンガ曰く、どちらかに冷静さがあれば避けられたはずとの事。ウルベルトとは親友だった事もあり、たっち・みーとウルベルトの不仲は彼が辞めた事も一因になっている。

???? #2−3〜

 20年ほど前に死の螺旋を行ったという強大なアンデッドで、ズーラーノーンの盟主。

???? #2−3〜

 至高の四十一人の一人。飼育していたジャンガリアンハムスターが寿命で召された時、ショックで一週間近くユグドラシルにインしなかったという。

???? #3−3〜

 トネリコの枝を武器に、幾多の竜を退治したと伝えられるゴブリン王。

???? #3−3〜

 天空を駆け続けた有翼の英雄。詳細不明。

???? #3−3〜

 三つ首竜に騎乗していたとされる魔戦士。詳細不明。

???? #3−3〜

 忠実なる十二の騎士と共に、水晶の城を支配したという姫君。詳細不明。

???? #4−1〜

 緑爪において祭司頭を務めている、高齢のメスの蜥蜴人。身体能力は高くないが第二位階魔法まで操る事ができ、単なる戦士階級では歯が立たない。ナザリックの宣戦布告を受け、相手の強大な力を察知し逃げることを提案する。白の染料で奇怪な紋様(様々な意味を持つらしい)を体に書き込んでおり、配下の祭司たちも同じような格好をしている。

???? #4−1〜

 緑爪において戦士頭を務めている、族長に匹敵する巨躯の蜥蜴人。ナザリックの宣戦布告を受け、逃亡を提案する祭司頭に食って掛かった。凍牙の苦痛を持つザリュースを高く評価している。

???? #4−1〜

 緑爪において狩猟頭を務めている、細身の蜥蜴人。極限まで絞り込んだ、鍛え抜かれた筋肉を持つ。

???? #4−2〜

 朱の瞳において祭司頭を務めている、年配の蜥蜴人。捻じれた杖を持っており、全身に白の染料で紋様を描いている。

???? #4−2〜

 朱の瞳において、先代の族長を務めていた蜥蜴人。かつて食料を巡る戦争が起きていた頃、緩慢に滅びに向かっていく状況を憂慮して禁忌に手を染めた。それは掟を犯し追放になった同胞の一家を手に掛け、その肉を食料として持ち帰り分け与え続ける事だった。皆がそれを薄々悟りながらも黙して食べていたが、その状況に我慢できなくなった一派がクルシュを旗印に蜂起。村を二つに割る戦いは数の多さでクルシュたちが勝利し、彼は降伏することなく無数の傷を受けて死亡した。しかし死に際にクルシュに屈託の無い笑顔で笑いかけ、自分が諸悪の根源として全ての罪を背負う事、そして彼女に部族の未来を託す事を伝えた。

???? #4−2〜

 凍牙の苦痛の元所有者で、鋭剣において族長を務めていた蜥蜴人。ゼンベルに勝った事もある強者だったが、かつての食料を巡る戦争時にシャースーリュー及びザリュースの兄弟と相対。シャースーリューとの戦いで凍牙の苦痛の能力を使い切ってしまい、更にザリュースと戦って討たれた。もし能力を使い切っていなかったら、死んでいたのはザリュースの方だったという。

???? #4−幕間〜

 神都にある土の神殿に常駐している、土の巫女姫。大儀式を行って陽光聖典の任務を監視していたが、アインズが仕掛けていた自動反撃の爆裂を喰らって殉職。

???? #4−4〜

 山小人の大帝国を築いた王。山小人が酒の席で語る英雄譚の登場人物。

???? #4−4〜

 アダマンタイトの鎧に身を包んだ英雄。山小人が酒の席で語る英雄譚の登場人物。

???? #4−4〜

 竜を一騎打ちで殺した者。山小人が酒の席で語る英雄譚の登場人物。

???? #4−4〜

 魔法工の異名を持つ、十三英雄のメンバーの一人。山小人が酒の席で語る英雄譚の登場人物。

???? #4−E〜

 竜王の血を引くと言われる、伝説の蜥蜴人。復活魔法を扱えたらしいが、詳細は不明。

???? #5−2〜

 十三英雄の一人で、風巨人の戦士長。旋風の斧を愛用していた。

???? #5−2〜

 十三英雄の一人で、祖たる森妖精の特徴を持った森妖精王家の者。

???? #5−2〜

 八本指の幹部の一人で、密輸部門の長。ヤルダバオトの王都襲撃で多くの物資を奪われ、商人ギルド等への影響力は無くなってしまった。しかし帝国との戦争に参戦する貴族との取引で、現金による即払いを徹底した(ナザリックからの情報で惨劇を予見していたと思われる)ことで大損を免れ、彼の力は再び浮上しつつある。他の幹部たち同様にナザリックの洗礼を受けさせられ、病的なまでに痩せ細って固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている。

???? #5−2〜 (声・上別府仁資)

 八本指の幹部の一人で、八本指の実質的な纏め役。年齢は50くらい。温和そうな顔立ちで水神の聖印を下げており、王都で行われる八本指の定例会議では進行役を担う。他の幹部たち同様にナザリックの洗礼を受けさせられ、病的なまでに痩せ細って固形物を飲み込めなくなるトラウマを負っている。

???? #ドラマCD2〜

 ビョルケンヘイム家の現当主で、トーケルの父親。若い頃に儀式に臨むに当たり、エ・ランテルのとある宿屋を利用した。

???? #6−10〜

 元ミスリル級冒険者で、王都の冒険者組合長。年の頃は40ほどで、精気の漲った眼光を放つ。ヤルダバオトの王都襲撃に際し、王都の全冒険者を招集して協力を要請した。

???? #6−10〜

 王都を拠点としている冒険者。目立つためなのか、髪を派手なピンク色に染めている。ゲヘナの際に招集された冒険者の一人であり、行列に並んでモモンと挨拶を交わした。かなり有名な存在らしいが、詳細は不明。

???? #7−P〜

 至高の四十一人の一人。ミリオタと言われていて、軍隊系の知識に詳しかった。

???? #7−1〜 (声・関幸司)

 フルト家の当主で、アルシェたち姉妹の父親。既にジルクニフの手で貴族位も財産も剥奪されているが、未だに貴族の生活を止められずにいる。当然そんな手持ちの金があるわけがなく、性質の悪い高利貸しから金を借りては贅沢を続けているのである。その借金(アルシェ最期の帰宅時で金貨300枚)をアルシェが必死に返している事に何の感慨も抱いておらず、真っ当な正論をぶつけてくる娘に罵声を浴びせる始末で、自己の小さな世界に囚われて外が全く見えていない。

???? #7−1〜 (声・加隈亜衣)

 アルシェたち姉妹の母親。程度は不明だが、夫と同じで彼女も貴族の生活から抜け切れずにいる。のんびりとした性質で、アルシェも父親よりは柔らかい態度で接している。

???? #7−1〜

 200年前に転移後世界に現れたユグドラシルのプレイヤーで、口だけの賢者と呼ばれた牛頭人。超一流の戦士で斧の一振りは竜巻を起こし、大地に突き立てれば地割れを起こしたと言われている。また人間種が食料でしかなかった牛頭人の大国において、人間種を労働奴隷階級まで引き上げた功績がある。故に大陸中央部での知名度は非常に高く、知らない者はほとんどいない。ちなみに二つ名の由来は、リアルで使っていた様々な電化製品(冷蔵庫や扇風機など)を提案したものの、作るどころか形状や構造の説明すらできなかった事による。また病気の治療法として手術を提案した事もあるが、悍ましく野蛮な手法としか思われなかった模様。牧場で食したとある肉のあまりの美味しさに感動し、再び食べたくて転げ回るほどだったが、何の肉かを知ってからは生涯を通して二度と口にしなかったという。

???? #7−2〜

 帝国に仕える騎士の一人で、皇帝直下白銀近衛の隊長。ヘッケランが戦いを目にしたことがあるようで、かなり強いと評価されている。

???? #7−2〜

 都市国家連合にいるという勇者。剣の腕が立つらしいが、詳細は不明。

???? #7−2〜

 都市国家連合にいるという闇騎士。剣の腕が立つらしいが、詳細は不明。

???? #7−3〜

 カッツェ平野に時折出現する、濃霧の中を走る巨大幽霊船の船長。強大な死者の大魔法使いらしいが、詳細は不明。大虐殺以後に魔導国の配下となったようで、魔導国を訪れた聖王国の使節団が幽霊船を目撃している。

???? #7−3〜

 一つの廃城を支配するという、有名な死者の大魔法使い。

???? #7−3〜

 至高の四十一人の一人で、ニューロニストの製作者。職業は暗黒騎士で、尿道結石で苦しんだ経験を持つ。

???? #7−幕間〜

 海上都市の最下層で眠っているという、リクと何らかの関わりがある女性。ツアーが言うには彼女を起こして協力を要請すれば、手を貸してくれる可能性が高いという。リグリットの言う「夢見るままに待ちいたり」は彼女を指している言葉と思われるが、詳細は不明。

???? #7−4〜

 アインズに出会うまでフールーダが信仰していた、魔法を司るという小神。

???? #8−1〜

 アゼルリシア山脈の麓にある湖にいるといわれる、沼地の双子魔女。詳細は不明だが、四至宝の一つを所有しているらしい。

???? #8−2〜

 至高の四十一人の一人。最古図書館の入り口扉の左右に屹立する、武人の動像の製作者。

???? #9−1〜

 フールーダの高弟の一人で、師に次ぐ実力を持つと言われる魔法詠唱者。第四位階魔法まで使用が可能だが、それについては彼に限るわけではない模様。フールーダの裏切りで主席宮廷魔術師の椅子がチラつくが、アインズと魔法戦を交える可能性を聞いて瞬時に忌避してしまった。

???? #9−2〜 (声・藤田曜子)

 詳細は不明だが高貴な家の生まれで、レエブン侯の妻。顔立ちの綺麗な美人だが幸薄そうな雰囲気で、少し暗めの色の服装を好む模様。結婚後は気配りはされても愛の無い生活を送っていたが、子供が生まれた事で環境が激変。それまで見た事も無い顔でレエブン侯に礼を言われ、「誰こいつ」と本気で思ったらしい。最初の内こそ一時的なものと思っていたが、以降の様子から本当におかしくなったのではと疑うほどになる。それでも妻として以前の夫に戻られるよりずっと良いと判断し、彼女も夫の変化を受け入れて普通の夫婦となった。最近では笑顔も見せるようになり、互いに笑い合えるようにまでなっている。なお彼女の弟はレエブン侯も認める程に優秀らしいが、実家の領内の統治で手一杯らしい。

???? #9−3〜

 レエブン侯に重用されている、エ・レエブル出身の軍師。いつも眠そうな目で、ぱっとしない外見をしている。自分の住んでいた村を襲撃してきた小鬼の群れを、その半数程度の村人を指揮して撃退した実績がある。それがレエブン侯の目に留まり、以降は幕僚として色々な指揮権を与えられている。その優秀さは折り紙付きで、彼が幕僚となってからは一度も敗北を経験していない。彼に王国軍全軍の指揮を委ねられれば、レエブン侯をして帝国軍に舐められないくらいの戦果を期待できるとまで言わしめている。しかし彼が平民である以上は貴族がそれを許すわけもなく、実現はほぼ不可能である。

???? #王の使者〜

 ナザリック地下大墳墓で働いているNPCで、41人の一般メイドの一人。アインズの命でシャルティアに話を聞きに行く死の騎士を呼び止め、第九階層を無闇に走るなと注意した。一人称は「お姉さん」。

???? #プロローグ 下〜

 五大の支配者の一人に声を当てている声優で、ぶくぶく茶釜が所属する会社の社長。詳細は不明だが、ヘルヘイムの城主の声も当てているらしい。髭おやじと揶揄されている。

???? #10−2〜

 イビルアイやティナの知り合いらしいが、詳細は不明。人間は誰でも強いわけではないという考えを持ち、そうした人々が悪の道に転がり落ちるのを少しでも減らす意味で、孤児院などを増やすべきと主張していた模様。

???? #10−2〜

 モチャラス男爵家の執事。感情を見せないタイプ。男爵に長く仕えており信頼も厚いが、フィリップからは一方的に嫌われている。

???? #10−幕間〜 (声・山本兼平)

 法国における最高執行機関の長で、6人の神官長たちを束ねる最高神官長。

???? #10−幕間〜

 法国に今も存在すると思われる、スルシャーナ第一の従者。アズスによればルフス、もしくはルーファスという名のアンデッドらしい。恐らくはNPCと思われるが、詳細は不明。

???? #10−幕間〜

 番外席次の母親で、当時の法国の切り札でもあった女性。彼女が森妖精の王に捕まり強姦された事で、法国との協力関係は破綻し戦争に発展した。既に亡くなっているようだが、詳細は不明。

???? #10−幕間〜

 法国の元神官長。アインズという神の降臨に応じて、何らかの動きを見せるとされているが詳細は不明。クレマンティーヌと何かしらの関係があった模様。

???? #10−3〜

 帝国に存在する火の神殿の神官長で、帝国内における火神信仰の最高権力者。目的を果たすために必要ならば、忌むべき亜人種の力を借りるのも吝かではないという思想の持ち主。魔導国建国を支援したジルクニフの真意を問い質すべく、風神の神官長と共に法国の使者(六色聖典のメンバー)4名を連れて大闘技場へ赴く。

???? #10−3〜

 帝国に存在する風の神殿の神官長で、帝国内における風神信仰の最高権力者。魔導国建国を支援したジルクニフの真意を問い質すべく、火神の神官長と共に法国の使者(六色聖典のメンバー)4名を連れて大闘技場へ赴く。

???? #10−3〜

 かつて大闘技場を湧かせていた、何代目か(恐らく四代目)の武王。元は連敗続きの冴えない剣闘士で、当時は敗者が殺される事など珍しくもなかったが、面白いからと助命され続けていた。そしてある時遂に才能を開花させ、武王にまで昇り詰めるという快挙を成し遂げる。これによって彼のような人物が現れる可能性を潰さないよう、敗者が殺される制度は廃止された。ゴ・ギンほどではなかったものの、かなりの強さだったらしい。

???? #10−3〜

 都市国家連合の東にある国出身の傭兵で、戦士兼暗殺者・首狩り兎として有名なラビットマン。相手が舐めて油断する上に股間を攻撃されないという利点から、男ではあるものの普段からメイド服で女装している(不要とも思える可愛らしい仕草も見受けられるが、演技なのか趣味なのかは不明)。オスクに雇われている者の中でも最高額で護衛契約を結んでおり、冒険者でいえばオリハルコン級は確実といいティラに近い実力を持つ。数々の修羅場を潜り抜けてきた経験から確かな観察眼を持ち、相手の強さをかなり正確に見て取れる。ゴ・ギンやアインズのように自分でも勝てない相手は「超級にやばい」と評し、その次が帝国四騎士を評した「やばい」となる。後にエ・ランテルで目撃されているが、訪問の目的などは不明。

???? #11−P〜

 ゴンドの父親で、非常に優秀だった筆頭ルーン工匠。彼の父親に続き、ルーン工王の片腕として働いていた。亡くなる前に病床にてゴンドの考えを聞き、困難極まるが不可能ではないと肯定したという。国営採掘所の管理官を務めている陰険そうな山小人は、彼に何度か助けられたことがあるらしい。

???? #11−2〜

 ゴンドの祖父で、非常に優秀だった筆頭ルーン工匠。大地を激震させるハンマーの制作に携わるなど、ルーン工王の片腕として働いていた。

???? #11−幕間〜

 森妖精の王国を支配している、左右で違う色の瞳を持つ森妖精の王。かつて協力関係にあった法国の切り札たる女性を騙して捕らえ、鎖で縛って強姦し孕ませた張本人。女性は漆黒聖典に奪い返され、当然ながら法国の怒りを買って戦争状態に陥った。自分では優しい王だと思っているようだが、実際は自国の民を弱者と蔑み守ろうともしない卑劣漢。自分と自分の子供たちで強い軍隊を結成し、世界を席巻するという野望を持っており、その役に立たない者は彼にとっては等しくゴミでしかない。強者は戦いの中でこそ生まれると考えており、故に法国との戦争を歓迎すらしているが、力に目覚める者は全く出ていない。また数を覚えていないほどに作った多くの子供たちも、自分の半分の力すら持っていない現状に強い不満を抱いている。彼はその原因を母親が弱者だからだと思っていて、かつて法国の女性を襲ったのも単に彼女が強者だったからにすぎない。女性が孕んだ子供(番外席次)の所有権は今でも自分にあるとして、自国が落ちたら自ら取り返しに行く腹積もりでいる。しかし当然ながら愛情や慈悲などは一切なく、女で強者ならば自分の子供を産ませる価値があるという事でしかない。

???? #11−3〜

 摂政会メンバーの一人で、山小人軍の総司令官。軍部の最高責任者であり、軍事警察関係を管理している。かつては多くの兵を率いて10年以上も土堀獣人を撃退してきた実績を持つが、今は百名足らずの兵しかおらず名前負けしていると自嘲している。突如現れたアインズの提案に困惑するも、圧倒的な力で土堀獣人撃退に助力してくれたことで信頼を寄せるようになる。

???? #11−3〜

 山小人軍の大参謀。思慮深く有能で、総司令官の信頼も厚い。

???? #11−4〜

 摂政会メンバーの一人で、フェオ・ジュラにある神殿の長である大地神殿長。信仰系魔法詠唱者だけでなく、魔力系魔法詠唱者を含む魔法全般を管理している。

???? #11−4〜

 摂政会メンバーの一人で、巨大な工房を所有する鍛冶工房長。鍛冶を主とする生産関係を管理しており、彼の工房はフェオ・ジュラでも一・二を争う規模である。アダマンタイトさえ融解させる炉の熱気は絶えることなく、雇っている多くの職人たちや弟子たちのハンマーが奏でる音は止むことが無い。普通の鍛冶場の他に彼専用のアトリエも存在し、重要な仕事の際には数日籠ることも珍しくない(この時は誰かに扉を開けられるのを非常に嫌う)。中には魔法の換気システムが備わっていて、炉の熱気が留まらないようになっている。徒弟だった頃から誰よりも長く金属に触れてきたという自負があり、最高の職人と呼ばれる事を当然のように受け入れてきた。鍛冶に人生を懸けて人一倍努力をしてきたため、どんな金属も望み通りに加工できると信じている。突如現れたアインズをアンデッドであるが故にどうしても信用できず、最後までアインズを受け入れることに反対していた。提供された45レベル金属を使ってザリュースの鎧を作る依頼を渋々引き受けるが、その金属が彼には到底手に負えない代物と判明し自信を喪失。その後どういう意図によるものか、金属を持って失踪してしまう。

???? #11−4〜

 摂政会メンバーの一人で、食料を始め鍛冶で生産する物以外の全てを管理する食料産業長。

???? #11−4〜

 摂政会メンバーの一人で、他の7人の長が関わっていない内務全般を管理する事務総長。旧知の仲だった鍛冶工房長の失踪は彼にとっても衝撃の事実であり、友として庇いたい気持ちはあるものの、一歩間違えれば魔導国の報復を招きかねなかったとして非難している。

???? #11−4〜

 摂政会メンバーの一人で、山小人の酒好きを物語るように酒造りの全てを管理する酒造長。

???? #11−4〜

 摂政会メンバーの一人で、鉱山の発掘などを管理する洞窟鉱山長。都市内でもかなりの力を持っている。

???? #11−4〜

 摂政会メンバーの一人で、外務の仕事を担当する商人会議長。元は商人会議という別の集まりがあったが、商人の数が減って交易は廃れつつあり有名無実化してしまっている。現在は帝国との取り引きを大きくするべく、無限に物が入るバッグなどのマジックアイテムを開発中。

???? #11−4〜

 山小人の王国に住んでいる、ルーン工匠の一人。ゴンドの父に次いで天才と言われていて、工匠の中では最も発言力がある年長者の一人。

???? #11−5〜

 遠い東の地にいるという、聖騎士の職業を修めた竜。その他系統の魔法を行使できるらしい。

???? #プレイアデスな日〜

 ナザリック五大最悪の一柱・エロ最悪で、触手の檻と呼ばれる場所の領域守護者。多触体系のモンスターで、体液が強力な媚薬となっている。侵入者以外には変なことはしない紳士的性格なので、チャックモールよりは好かれている。

???? #12−1〜

 聖王国に住んでいる聖騎士で、聖騎士団の一員。パベルの妻で、ネイアの母。そこそこ名の通った聖騎士で剣の腕も確かだが、腕力が全てと豪語するような大雑把な性格で母親らしい仕事はロクにできない。洗濯や裁縫はできるものの(従者時代に習ったためと思われる)食事の用意は壊滅的で、生焼けの肉を出すことも珍しくない(故に食事関係は全て夫の仕事となっている)。理由は不明だが聖騎士なんてなるもんじゃないと常々言っていたようで、ネイアが従者になると言った際は自分に勝てたら許すと言い出したらしい(この時はパベルが盾になって説得した模様)。

???? #12−1〜

 アベリオン丘陵に住んでいる亜人。獣帝の異名を持つ。

???? #12−1〜

 アベリオン丘陵に住んでいる亜人。灰王の異名を持つ。

???? #12−1〜

 アベリオン丘陵に住んでいる亜人。螺旋槍の異名を持つ。

???? #12−1〜

 聖王国の城壁にある大砦の最高責任者で、国内に5人しかいない将軍の一人。腹芸などできない実直な性格で、発する大声は人々の下腹まで響く。艶の無い傷だらけの全身鎧を身に着けている。

???? #13−6〜

 アベリオン丘陵に住んでいた、藍蛆の王。ビービーゼーには一つたる父上様と呼ばれていた。ヤルダバオトに人質として囚われていたが、何らかの理由で殺されてしまった。

???? #13−6〜

 パンデックスを統治していた、国母(グランドマザー)と呼ばれていた女王。ヤルダバオトの側近を務める頭冠の悪魔が彼女の頭部を飾っているので、ヤルダバオトの侵攻時に死亡したと思われる。優秀な第四位階の精神操作系魔法詠唱者で、陽の五行を操る力を持っていた。ビービーゼーの初恋の相手だったようだが、直近の二人の関係性については不明。

???? #13−7〜

 ネイアの身の回りの世話を担当している、魔導王救出部隊の一員。年齢は二十歳そこそこで、大人しそうな陰のある女性。豊かな胸と短い髪が特徴で(元は長髪だったが、捕虜収容所で切られてしまったらしい)、掃除・洗濯・家事といった諸々の技術は完璧の域まで到達しており、ネイアにとって彼女は欠かせない存在になっている。アインズの代弁者としてアインズのために行動するネイアを心から尊敬しており、名を呼ぶ時は必ず様付けにする程。過去に何があったかは不明だが、男性に対して恐怖感・忌避感を持っており、一室で同席すると気分が悪くなってしまう。

???? #13−7〜

 聖王国南部に住んでいる大貴族で、九色の一色・紫を与えられている侯爵。80歳。詳細は不明だが、聖王家への忠勤によって色を与えられた。最近は体調が悪いようで、カリンシャ奪還後にカスポンドの下へ出向くことはできなかった。なおそれを口にした貴族たちの態度や偽カスポンドの反応から、既に亡くなっている可能性もある。

???? #13−7〜

 聖王国に住んでいる貴族で、九色の一色・藍色を与えられている公爵夫人。総合芸術家として名高い。

???? #14−1〜

 八本指の密輸部門に所属している傭兵頭で、組織の荷物運搬における警護を生業とする警備兵。二十代半ば。幹部連からの指名により、魔導国の食料運搬を担うクリストフェルの護衛を務める。若さと精悍さを兼ね備えた屈強な出で立ちで、積み重ねられた実戦経験から危険を高確率で察知できる直感のようなものを会得している。武器は使い込まれた痕跡のある剣。鎧着を着て鋼のブレストプレートを着用しており、戦闘時には顔全体を覆う兜を被る模様。

???? #14−1〜

 八本指の一員で、表向きにもかなりの大物である海運商人。尤も組織に服従はしておらず、互いにメリットがあるから協力しているに過ぎない。

???? #14−2〜

 ランポッサV世に仕えている重臣の一人で、王国の内務尚書を務める伯爵。王と同程度の年齢で、髪はすっかり白くなっている。多少の犠牲を出しても国の存続を願うザナックに賛同し、アイデアの一つとして魔導国の属国になる事を王に進言する。魔導国の侵攻が始まった際、ザナックの考えに賛同して平和的交渉を諦め切れない王の軟禁に協力する。

???? #14−2〜

 ランポッサV世に仕えている重臣の一人で、王国の外務・国璽尚書。魔導国の宣戦布告が掛かれた書類に押された国璽の内、山小人の王国のものとネイアのものの調査に手間取っていた。

???? #14−2〜

 ランポッサV世に仕えている重臣の一人で、王国の財務尚書。

???? #14−2〜

 ランポッサV世に仕えている重臣の一人で、王国の軍務尚書。40歳を超えてはいるが、尚書の中では最も若い。貧相な体躯と神経質そうな顔立ちをしており、ガゼフを嫌っていたため王からは重用されていなかった。よって宮廷会議にも欠席が多かったものの、レエブン侯からは高く評価され太鼓判を押されている。大虐殺以降ガタガタになった王国の治安維持に苦労しており、かなりの辣腕を振るい労力を割いているという。魔導国の侵攻が始まった際、ザナックの考えに賛同して平和的交渉を諦め切れない王の軟禁に協力する。

???? #14−2〜

 ランポッサV世に仕えている重臣の一人で、王国の司法尚書。

???? #14−2〜

 ローファンの弟子の一人で、六高弟の一人。顔立ちは整っているが美人というより冷たいもしくは鋭利といった印象で、髪はアップにして団子のような形に纏めている(南方で言うマゲ)。身長は女性という事を差し引いてもそれほど高くなく、同性の平均身長を下回る。

???? #14−2〜

 ローファンの弟子の一人で、六高弟の一人。無愛想で見るからに不機嫌そうな外見だが、単に会話が苦手なので黙っているに過ぎない。全く話さないわけではないが、蚊の鳴くような小さな声でしか喋ったことが無い。身長は低くて足も短いが体格はがっしりとしており、山小人の血が流れていると噂されている。六高弟の中では最も子供の扱いが上手く、ブレインが育てている子供たち全員に懐かれている。魔導国の王国侵攻が始まった際、子供たちを逃がす保護者役に任命され、彼らを連れて王都の北西にある評議国付近の都市へと向かった。

???? #14−2〜

 詳細は不明だが、ナザリック地下大墳墓第四階層に存在する領域守護者。直属の上司と言える階層守護者がガルガンチュアなので、上への意見具申はアインズに直接言うしかない状態である。

???? #14−幕間〜

 都市国家連合の東に広がる草原を支配する騎馬王。都市国家連合と敵対しており、頻度は不明だが度々侵攻を行っている模様。

???? #14−4〜

 竜王の組織を率いていると思われる、慈母(マザー)と呼ばれる謎の竜王。ツアーは彼女らのしようとしている事は間違っていると断じている。

???? #14−E〜

 王国に住んでいる貴族の一人で、レエブン侯の派閥に属している男爵。レエブン侯にその才を高く評価されており、本来なら彼の計らいで近々昇爵するはずだった。アインズに助ける価値のある貴族を尋ねられた際、二番目に名が挙げられたという。

???? #14−E〜

 王国に住んでいる、レエブン侯の派閥に属している貴族。父親の代から領主となった女性で、アインズへの拝謁時には父親の代理として訪れる。貴族としての歴史が浅いため、特に血統を誇りに思ってはいない。